名南将棋大会ブログ 名古屋

名南将棋大会告知や結果のほか、
将棋が強くなるための記事を書きます。
まずは将棋上達法則を見てください。

20150709今日の一手<その79> 薄い玉のセオリー

2015-07-09 | 今日の一手
20150709今日の一手<その79>

13日の名南将棋大会からMさんとNさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。
問題としてならなら多分簡単です。変化を読んでみましょう。














昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
駒の損得は先手の3歩損です。少し後手が得です。
玉の堅さは後手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は89飛97角と持ち駒金銀桂で5枚。持ち歩がないので活用しにくいかもしれませんが、攻撃力は十分です。
後手の攻め駒は65飛22角と持ち駒銀桂で4枚。76歩が拠点で、持ち歩が多いですから攻撃力は十分です。

総合すれば後手が有利。でも手番を持っていますから有効な手を探したいところです。

大局観としては、どちらも攻撃力は十分ですから、受けに回って勝とうというのは(現時点では)だめです。攻めながら受けるとか、持ち駒を使わせてから受ける、というのはあるかもしれません。


× 実戦は75金でした。

後手玉に迫りながら後手の一番の攻め駒である飛車に働きかけます。
66桂49玉の交換を入れて、後手は25飛と逃げました。

少しよさそうだから大事を取って、というのはわかります。
しかし、64金62金63金同金75桂と進んでみると

83飛成も見ているので厳しいですね。金を逃げるわけにもいかず、75同飛同角58金39玉78桂成に64歩です。

以下は後手玉に詰めろが続いて寄せきりました。

75金に(66桂49玉の後)25飛と逃げたので、後手の攻撃力が下がり、先手の攻めが速くなりました。25飛が悪手だったとわかります。後で飛車を切ることになったのですから1手は損しています。
25飛ではなく75飛と金を取ります。

75同角58金38玉78桂成でどうでしょうか。

これならまだ後手玉が安定していますし、89飛を取れば詰めろになります。39飛と逃げても77角成くらいで寄せ合い負けですね。


△ 攻防に56金はどうでしょうか。

飛車が逃げてくれればいいのですが、66桂です。

68金では77歩成から寄せられます。

77同金58銀68玉78桂成

78同玉77角成同玉67飛成でだめですね。


66桂に49玉も58銀から78銀成で駄目そうですから、65金と取るしかありません。

後手は58銀68玉を決めてから65歩と手を戻します。

69金から清算する筋を緩和するために、32飛62金直22飛成で78桂成。

58玉しかなく、38金の挟撃です。

59銀77歩成46歩89成桂くらいで

75桂が厳しく見えるので、先手がよいような気もします。途中他の変化もありそうなので互角としておきます。


○ 過激に75桂を調べます。

これは83飛成を見ているので66桂はありません。74銀が普通の受け。63桂成同玉に56金です。
(途中63同銀は後手の持ち駒に銀が無くなったので75金が打てます。)

これは飛車を逃げるしかなく、25飛に75銀の強打。

75同銀は83飛成で寄ります。72桂なら74銀同玉75銀。

これも取り切れなくて、63玉74金64銀と押していけば勝ちです。


戻って75桂に84銀は、83飛成を防いだ受けです。

これには63桂成同玉75金。

受けがないので75同飛同角77歩成ですが

43飛53金74銀で寄りです。53桂合なら84角同歩同飛で寄ります。



自玉が薄い場合、相手の攻撃力を考えます。
受けきれない(相手の攻め駒が多い)場合は自陣に手を入れても間に合いません。
早逃げすると守備力が上がるあるいは相手の攻撃力が下がるときがあります。
また、攻防の手を探す
あるいは相手玉も薄くすることを考えます。

この問題では、早逃げする場所がありませんでしたが、攻防に56金と打つ、75桂で後手玉を薄くし、かつ持ち駒を使わせて相手の攻撃力を下げる、という2つの手段がありました。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

鈴木流豪快中飛車の極意

2015-07-09 | 将棋本 断捨離
プロの将棋シリーズ〈1〉鈴木流豪快中飛車の極意 (プロの将棋シリーズ (1))
これも鈴木大介先生の本です。2003年出版。
ゴキゲン中飛車を先手で96歩を突いて指すのを豪快中飛車と言っています。

今のゴキゲン中飛車の定跡も少しはありますが、半分以上は今ではプロでは見ない形です。その分だけアマチュアには勉強になります。中飛車党なら知っておくべきです。案外良い本です。

欲しい方はコメントを。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする