これが最前線だ!―最新定跡完全ガイド (最強将棋塾)
深浦先生のこのシリーズ最初の本、1999年出版です。
最前線物語 (最強将棋21)
2作目は2003年出版
最前線物語〈2〉 (最強将棋21)
3作目は2006年出版。
このシリーズ結構好きで、何回か読み直しました。いろいろな戦型の定跡の変遷が分かります。ちょっと古いけれど今見ても使えるんじゃないか、というのもいくつかあります。
深浦先生のこのシリーズ最初の本、1999年出版です。
最前線物語 (最強将棋21)
2作目は2003年出版
最前線物語〈2〉 (最強将棋21)
3作目は2006年出版。
このシリーズ結構好きで、何回か読み直しました。いろいろな戦型の定跡の変遷が分かります。ちょっと古いけれど今見ても使えるんじゃないか、というのもいくつかあります。
20150718今日の一手
11日の名南将棋大会から、MさんとAさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。
昨日の一手の回答
☆ 形勢判断をします。
先手が銀と桂歩の交換で、持ち歩2枚ですから少し駒得です。
玉の堅さは後手のほうが上。でも大きな差ではありません。
先手の攻め駒は59飛77角持ち駒銀2枚であわせて4枚。
後手の攻め駒は87竜持ち駒角桂で3枚。
総合すれば先手が指しやすい局面です。
先手玉を固めるか、攻撃手段を探すか、を考えます。
× 実戦は15歩でした。
後手は強気に76桂でしたが14歩に68桂成とできず(そうするほうがまだよかったのですが)、35角の攻防手を67金とかわされます。
後手の空振りです。以下は88桂成76銀78竜13歩成
同香同香成同玉14歩22玉36香。
79角成同飛同成桂13角21玉34香
長い手順ですので局面図だけ見てもらえばいいです。これで寄せられました。
もちろん15歩には同歩でした。
これで16桂が残りますし、14歩同香25銀がねらいでしょうか。でも77竜とちぎられて駄目ですね。
後手の実戦心理を推測するに、問題図の少し前の局面があったのだと思います。
この図です。この局面、後手は交換した銀を打って先手の左桂と刺し違えました。ですから形勢は先手がいいはずですが、先手陣に隙があるように見えますね。
36桂と打てば、
同歩46角は後手よし。18玉に15歩ですが、36歩と桂馬を外されます。
16歩に13歩同香26桂が好手。
17歩成同桂16歩に14歩で寄せ合いになります。
17歩成同玉25桂18玉17歩29玉
37桂打39玉49桂成同玉
ここまで追えるのですが、77角や13歩成が残って、少し先手が指せるような気もします。
この筋が見えたらここまで進めてしまってから悩みそうです。遅いのですけれど。
もう一つ、36桂ではなく15歩から入ると
77角87飛成(76飛としたいのですが、89飛で困ります。)としてから15歩と戻されます。
17歩同香24桂に56飛。
これでどうもうまくいきません。
多分後手のAさんはこういう筋を考えて、でもわからなくて88飛成77角87竜として、それで先手から15歩とされたので取る手を考えなくて勝ちになる順を探したのでしょう。
後手が少し悪いと思っていたら、77角には82竜と引いて指すほうがいいです。どうにかして81桂を使えれば攻め駒が増えるので形勢がよくなります。
形勢判断で指しやすいと思えないときは踏み込んだ順は成立しない。形勢判断で優位であれば、踏み込んだ順が成立する。
というのが経験則です。多分例外はあるのですが、そういうものです。例外のように見えるのは、受け間違えてもらって無理が通っただけです。形勢不明ならうまい受けを見落としていないか疑ってかかるべきです。最初の形勢判断に自信がなければ決戦は避けるべきです。
× 振り飛車党でないと78銀とやりたくなります。
82竜89飛85歩までは気持ちいいです。
ちょっともったいないですね。
○ 振り飛車党なら56飛だと思います。46角や36桂や15歩の筋をカバーしています。
これには55角が気になります。
55同角同歩同飛は46角。
58飛36桂でピンチ。
18玉68角成同飛28金
17玉25桂38金で寄りです。
先手玉は結構危険なのです。
55角には66銀ですか。85桂がカウンター。
いろいろありますが、55銀77桂成54銀
54同銀77金55歩で飛車交換。
87金56歩51飛45銀でどうか。
ここからの寄せに自信があれば振り飛車の勝ちです。
○ 私は終盤に自信がないので47銀打を手堅いと思うのです。
戦力ダウンですが、もう少し駒組みになり、
こんな感じです。先手玉のほうが堅くなり、勝ちやすいと思うのです。
11日の名南将棋大会から、MさんとAさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。
昨日の一手の回答
☆ 形勢判断をします。
先手が銀と桂歩の交換で、持ち歩2枚ですから少し駒得です。
玉の堅さは後手のほうが上。でも大きな差ではありません。
先手の攻め駒は59飛77角持ち駒銀2枚であわせて4枚。
後手の攻め駒は87竜持ち駒角桂で3枚。
総合すれば先手が指しやすい局面です。
先手玉を固めるか、攻撃手段を探すか、を考えます。
× 実戦は15歩でした。
後手は強気に76桂でしたが14歩に68桂成とできず(そうするほうがまだよかったのですが)、35角の攻防手を67金とかわされます。
後手の空振りです。以下は88桂成76銀78竜13歩成
同香同香成同玉14歩22玉36香。
79角成同飛同成桂13角21玉34香
長い手順ですので局面図だけ見てもらえばいいです。これで寄せられました。
もちろん15歩には同歩でした。
これで16桂が残りますし、14歩同香25銀がねらいでしょうか。でも77竜とちぎられて駄目ですね。
後手の実戦心理を推測するに、問題図の少し前の局面があったのだと思います。
この図です。この局面、後手は交換した銀を打って先手の左桂と刺し違えました。ですから形勢は先手がいいはずですが、先手陣に隙があるように見えますね。
36桂と打てば、
同歩46角は後手よし。18玉に15歩ですが、36歩と桂馬を外されます。
16歩に13歩同香26桂が好手。
17歩成同桂16歩に14歩で寄せ合いになります。
17歩成同玉25桂18玉17歩29玉
37桂打39玉49桂成同玉
ここまで追えるのですが、77角や13歩成が残って、少し先手が指せるような気もします。
この筋が見えたらここまで進めてしまってから悩みそうです。遅いのですけれど。
もう一つ、36桂ではなく15歩から入ると
77角87飛成(76飛としたいのですが、89飛で困ります。)としてから15歩と戻されます。
17歩同香24桂に56飛。
これでどうもうまくいきません。
多分後手のAさんはこういう筋を考えて、でもわからなくて88飛成77角87竜として、それで先手から15歩とされたので取る手を考えなくて勝ちになる順を探したのでしょう。
後手が少し悪いと思っていたら、77角には82竜と引いて指すほうがいいです。どうにかして81桂を使えれば攻め駒が増えるので形勢がよくなります。
形勢判断で指しやすいと思えないときは踏み込んだ順は成立しない。形勢判断で優位であれば、踏み込んだ順が成立する。
というのが経験則です。多分例外はあるのですが、そういうものです。例外のように見えるのは、受け間違えてもらって無理が通っただけです。形勢不明ならうまい受けを見落としていないか疑ってかかるべきです。最初の形勢判断に自信がなければ決戦は避けるべきです。
× 振り飛車党でないと78銀とやりたくなります。
82竜89飛85歩までは気持ちいいです。
ちょっともったいないですね。
○ 振り飛車党なら56飛だと思います。46角や36桂や15歩の筋をカバーしています。
これには55角が気になります。
55同角同歩同飛は46角。
58飛36桂でピンチ。
18玉68角成同飛28金
17玉25桂38金で寄りです。
先手玉は結構危険なのです。
55角には66銀ですか。85桂がカウンター。
いろいろありますが、55銀77桂成54銀
54同銀77金55歩で飛車交換。
87金56歩51飛45銀でどうか。
ここからの寄せに自信があれば振り飛車の勝ちです。
○ 私は終盤に自信がないので47銀打を手堅いと思うのです。
戦力ダウンですが、もう少し駒組みになり、
こんな感じです。先手玉のほうが堅くなり、勝ちやすいと思うのです。