20150722今日の一手
11日の名南将棋大会からAさんとAさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。
昨日の一手の回答
☆ 形勢判断をします。
駒の損得は、角歩歩と金桂の交換ですから先手が少し得です。最終盤なのでほぼ関係のないことですが。
先手玉のほうが堅いですが、大きな違いではありません。
先手の攻め駒は59飛73銀35桂と持ち駒金銀で5枚。十分な戦力があります。
後手の攻め駒は81飛34角持ち駒角銀桂で5枚。こちらも十分。
終盤になるほど手番が大事です。ですから先手が指せそうです。
形勢判断も最終盤はより厳密に考えなければなりません。つまりは何手で詰めろになるかという計算です。
先手玉は87歩成で詰めろ。2手すきということですね。さらに言えば、今の先手玉は王手がかかりませんから何枚渡しても詰まない状態です。
絶対詰まないのでゼットと呼ばれます。穴熊の終盤では頻繁に起こることですね。
ということは後手玉が2手すきなら先手の勝ち。だから後手玉に1手すきで迫る、王手か詰めろで迫ればよいということです。何を渡してもよいのは心強いです。
× 先に受けたらどうなるかを見ておきます。86歩です。
87歩同金75桂で
この状態は87桂成で詰めろですから2手すきに変わりはありません。さらに持ち駒を埋めて受けることになれば攻撃力が低下します。
こういうことを考えるのは、攻めてもうまくいかないと判断した後です。
× 普通に攻めるなら62銀打です。
42玉53金43桂成で詰めろ。
でも23銀と打たれると
詰めろが続きません。
○ 62銀打を読んで、ダメだと思えば55歩だと思います。
実戦もこれでしたが、37角と紛れを求めたので54歩同銀62銀打
42玉54飛87歩成53飛成
以下は簡単な詰みなのであっさり終わりました。
以下の各図面の先の手順を考えてみてください。1手すきで迫る訓練です。
55同歩なら?
54歩同玉(同銀は64金42玉54金)65銀です。
53玉55飛54歩に64銀成
42玉には54銀と使うのが正しいようです。
64銀と成銀を取られますが、43銀成から詰みです。
43同角同桂成52角41金
詰将棋の苦手な私なら、41金が見えなくて困っているかもしれません。これで飛車を取って打てば簡単。
55飛に42玉なら?
64銀成で詰めろ。
87歩成には53飛成31玉32歩で詰みます。変な話ですが良くできています。
勝ち将棋鬼の如しというやつです。
87歩成とはできませんから52歩と受けてみます。
63成銀で詰めろ。87歩成には52成銀です。
52同角に43銀からばらして(43同角同桂成同玉)52角42玉41金という筋に戻ります。
41桂と受けたら?
やはり63成銀がつめろで、87歩成なら43金(銀でもよい)
43同角同桂成同玉42玉に41角成と桂馬を取ります。
どちらで取っても52飛成から32銀ですね。
43成銀が詰めろなら53歩の受けですが
これは54歩から押していくだけ。
△ 最後に強引な順を。64銀打です。
64同銀同銀成同玉に65銀
73玉しかなくて、54飛に87歩成。
53飛成に63歩など合駒は64銀から詰みがあります。
なので53飛成に82玉。
この局面、後手玉が詰みません。先手玉は一応詰まないようですが、先手が詰めろをかけたとして、88とから王手がかかり、どこかで53竜を抜くことができれば逆転です。
87金と手を戻しても、78銀が詰めろのような手で、上部に逃げ出した時の形で変わります。
ですから結論がよくわかりません。お時間があればご検討を。終盤の訓練です。
穴熊はこの問題のようなゼットになりやすいので、王手や詰めろで相手玉にせまるという技術が必修です。自玉を考えなくてよいので、詰将棋や必至問題をとくことで、この終盤力が強化されます。
プロではないので、持ち時間も短いですから、問題図の局面から変化を全部読み切るなんて思わなくてもいいです。でも、途中の局面で、秒読みの中で正解を見つける力は必要です。
(私のような)読めないタイプはこういう展開を避けたほうがいいのだと思います。もちろん実戦で出た局面は後で検討するのですが、それはいざというときのため。
①終盤ではもっと優勢な局面を作る。一手違いで勝とうとしない。
②互いの玉が堅くない戦型戦術を選び、攻防の手段を見つける訓練をする。
③終盤で自玉を効率的に固める。あるいは早逃げをする。
こういう工夫を考えます。