名南将棋大会ブログ 名古屋

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20150728今日の一手<その98>戦場をどこにするか

2015-07-28 | 今日の一手
20150728今日の一手

11日の名南将棋大会からMさんとYさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。









昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
駒の損得はありません。
後手玉のほうが堅いです。
後手の攻め駒はまだ働いていませんから0枚。
先手の攻め駒もまだ働いていませんから0枚。
総合すれば後手がやや指しやすいかというところ。はっきりしません。

こう書くとまだ序盤のようですが、小競り合いは継続中です。後手は13に追いやられていた銀を24歩同歩同銀と使ったところ。パッと見ると後手がうまいように見えますが、先手の57角の利き(24銀や93香をにらんでいる)でバランスを取っています。
この局面手が広いようですが、よく見ると先手の有効な手は少ないです。


△ 65歩と指したくなりますね。63桂の頭が弱点ですから。実戦もこの手です。

25歩27金53銀64歩同銀65歩53銀までは妥当でしょう。

この局面を問題にしたかったのですが。(実は少し先手が損しているのです。)

実戦の手順は後に回して、この局面で45歩は銀取りですが

23玉44歩同金66角43金とおとなしく対応されて

先手玉の薄さが目立ちます。

85桂もやりたくなりますが

85同飛93角成に45歩

57馬83飛(86香を避けた)45歩

23玉46銀44歩

先手はうまく指したように見えても盤面右側は後手の勢力が強すぎます。93香と77桂が交換になったのは後手のほうが得で、57馬は魅力的ですがこれは先手が駄目な図です。

後手の45歩を避けて66角としたいですが

75歩同歩86歩同歩同飛

87歩(76歩があるので)66飛同銀76歩が痛い。

85桂に75桂と使われます。

93桂成では67角、75同銀は77歩成同金68角、29飛は77歩成同銀58角、という感じで、後手玉が堅いので細い攻めですが受けにくいです。

じっくりしていると73角から55歩同歩同桂と来られて指しにくいですから、実戦の35歩はこう指すしかないのでしょう。

35同歩36歩(合わせの手筋)に45歩

45同歩同桂66角(王手)33銀46銀

なかなか見ごたえのある手順で、この後も激しい攻め合いでしたが、最後に後手玉が頓死してしまいました。
ですが、この局面は後手玉が堅くまた厚みがあり、その上部で戦っているのですから、先手が好ましい展開とは思えません。


問題図に戻って、65歩は△を付けましたが、こう指さずにもう少し駒組みを続けるほうが正しいです。
○ 29飛がいいです。

これなら25歩と押さえて、27金53角(65歩に備えた)に48玉

盤面右側は後手の勢力が強いので引っ越しです。
23玉58玉95歩くらいなら36歩で攻撃開始。

35同歩36歩同歩同銀34歩35歩

合わせの歩で後手玉の弱点を突きます。これは先手のペース。

後手は手数がかかりますが21玉

から31銀22銀23銀と固めて3筋の弱点を作らない待ち方です。
先手は9筋から攻撃を見せてこういう図。

後手の金銀が片寄ったので端を受けられません。いつでも65歩があるので後手の飛角を動かしにくいです。
45歩同歩同桂46銀とはできますが、次の手がなくて44歩なら95歩から香交換。

92歩には94香なので85桂同飛93飛成が狙い。でもあまり急がなくて後手から無理に攻めさせて成駒を作って入玉が理想です。
最初に29飛で25歩を打たせれば、後手が歩切れになって手を作りにくいことにも注意しておきます。

風車では相手の陣形を見て戦場を変えることが重要です。相手の駒が多いところで戦いたくはありません。


コメント
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