飛び出せ! 北の宇宙基地

北の地である北海道で、人工衛星の開発などを行っている 北海道工業大学 佐鳥研究室の活動日記です。

磁気トルカの回路理論的解釈

2005-05-24 23:10:28 | 佐鳥新の教授&社長日記
今日も朝から銀行へ行ってCubeSatの口座を作ったり、電気磁気学Ibの小テストの問題を作ったり、就職試験のための推薦書を書いたり、ハイパーの打ち合わせをしたり、いろいろなことがあった。

夕方に1時間ほど時間を作り、昨日のリーダー会議で学生たちに説明した磁気トルカの動作原理を電子回路理論的に再解釈した短い論文(レポート) を書いてみた。磁気トルカというのは地磁気の反発力を利用して人工衛星の姿勢制御に使う装置だ。簡単に言えば電磁石である。 宇宙工学の教科書を平凡に解釈して、鉄心に銅線を巻いて電流を流せばそれなりに磁気トルカとして動くのだが、残念ながらこの方法では非常に電力効率が悪くなる。電子工学の知識か電磁気学への深い理解がなければ直感的には理解しがたいのだが、電磁石のコイルを高速にパルス作動させることで、磁場のエネルギーをコイルの中に保持したままで制御することがポイントだ。印加電流に対する発生磁場の線形的な応答は失われるが、単純にコイルに電流を流すよりも電力損失を激減させることができる。このあたりの考え方はスイッチング電源の動作原理と基本的には変わらない。とりあえず今日は磁気トルカを担当している学生たちにゲラのコピーを渡した。木曜日に秘書のYさんに清書してもらう予定だ。出身大学を問わず、おそらく今の日本の航空宇宙工学科出身の学生たちには磁気トルカ本体の本当の動作原理についてはなかなか理解できないだろうから、そのうちHPで公開したいと思っている。

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