タイトル: ブラックホールが星のむ瞬間とらえた NASAの望遠鏡
恒星が巨大なブラックホールにのみ込まれるときに出る紫外線などが、米航空宇宙局(NASA)の紫外線宇宙望遠鏡GALEXや地上の望遠鏡にとらえられた。星の「断末魔の叫び」とも言える光で、米英の研究チームが英科学誌ネイチャー(電子版)に発表した。
極めて強い重力のため、ブラックホールからは光ですら逃げ出すことはできない。不運な星がたまたま近くを通りかかると、重力の強さの不均一でバラバラに引き裂かれる現象が起きると考えられている。
2010年6月から、27億光年彼方の銀河で起きたそんな破壊に伴う光が観測された。チームは引き裂かれる恒星からブラックホールに落ち込んだり、反対に、宇宙空間に噴き出したりするガスの様子をコンピューターで再現した。
恒星はしばらく、太陽の200万倍の質量のブラックホールの周囲を回り続けるが、そのうち完全にのみ込まれて最終的な「死」を迎える。
引き裂かれる恒星から出るガスの再現動画(ファイル形式はMPEG4)は、http://1.usa.gov/J8Whv3で見ることができる。(田中誠士)