おめでとう!! 吉田晃弘さん、徳島城東高校の皆さん。
第47回全国高等学校総合文化祭 2023年かごしま総文演劇部門で、
吉田晃弘さん率いる徳島県立城東の『21人いる!』が、最優秀賞になりました。
演劇部顧問である吉田晃弘さんは、現役の高校の物理の先生です。
高校演劇というフィールドで、やすやすと世界レベルのアバンギャルド作品をものにしてきた、と、私は思っている。
もちろん徳島の先輩、紋田正博先生の影響もあるはず。
ここ数年来、「日本で一番ルネ・ポレシェに近い」と評してきたのは、私である。
つまり、彼は、ドイツの現代前衛演劇ど真ん中のエッセンスに近いものを、徳島で、自力で、体得していたのだ。
私はこの四半世紀、なぜか四国、とくに徳島の、高校演劇に触れてきて、審査員にも何度か呼んでいただいている。
とてもありがたい出会いであった。
もう二十年以上前、紋田正博先生が養護学校の生徒たちと作った『まじめにヤレ』は、四国大会の審査員だった私が強く推して全国大会に出たのだが、高校演劇業界にはそのことについて未だにいろいろ言う人がいるらしくて、辟易することがある。
こうして、あらためて、四国、徳島の「前衛実験気質」が、正当に評価されることは、本当に、嬉しい。
吉田さんは今年の正月、自身の新作ではなく、マイケル・フレイン氏の傑作『コペンハーゲン』を、自分のユニットで、梅ヶ丘BOXで上演してくれた。物理の先生が物理の劇を上演した、というわけだ。自分も俳優で出た。楽しそうだった。
今年三月は、忙しい中、私がハンブルクにセゾン文化財団〈サバティカル〉で滞在しているタイミングで、原サチコさん出演の新作と『ジュリアス・シーザー』を見るために、ドイツまで来た。ほんとはベルリンの国立劇場フォルクスビューネでやっていたルネ・ポレシェの新作も、見せたかった。写真の彼は、そのとき、ハンブルクで一緒に川の観光をしたときのもの。
そして『ストレイト・ライン・クレイジー』に登場していた新人俳優には、もともと彼の教え子で、高校演劇全国大会に出演していた人も、いるんだ。そのことはまた、いずれ。
吉田さんは全国大会は経験済みだが、最優秀は初めて、ということだ。
とにかく、よかった。我がこと以上に嬉しい。
第47回 全国大会の他の賞は、
優秀賞(上演順)
北海道網走南ケ丘『スパイス・カレー』
島根県立三刀屋『ローカル線に乗って』
東京都立千早『フワフワに未熟』
創作脚本賞 埼玉県立秩父農工科学『群白残党伝』 作:コイケユタカ
舞台美術賞 久留米大学附設『戯王【gi:oh】』
内木文英賞 津曲学園鹿児島『本当の朝』
東京演劇大学連盟賞 徳島県立城東『21人いる!』
最優秀・優秀の4校は、8月末に東京国立劇場優秀校公演に推薦され、上演されるそうです。
たのしみだ。でもその時、東京にいるのかな、おれ。
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