小劇場ブームのあだ花と呼ばれる劇『男の一生』と、アラン・ドロンは、関係がある。
ただ、ドロン絡みは、冒頭40分程度の即興劇の部分であり、演じた手塚とおると私は、スタートはドロンも含まれた世界だったが、じっさいの上演には、それは片鱗さえ何も残っていなかったということだけは、保証できる。
27年前である。
誰かが35歳じゃないか。
アラン・ドロンの映画の思い出は多々あるけれど、こうして亡くなられてみると、あらためて、「アラン・ドロンみたいな人は、後にも先にもいない」ということだけは、わかる。そうではないか?
何かの「象徴」として存在せざるを得なくなった者の悲劇であり、スターというものの、宿命的な陰の要素に満ちていた、のであろう。
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