A PIECE OF FUTURE

美術・展覧会紹介、雑感などなど。未来のカケラを忘れないために書き記します。

未読日記39 「書物の形態学vol.1」

2007-06-05 00:40:34 | 書物
タイトル:不明
     NATIONAL BEKAGRAPHIC 書物の形態学vol.1展配布リーフレット

贈呈日:2007年6月2日
贈呈場所:GALLERY MAKI
内容:
今福龍太コーディネイトによる「NATIONAL BEKAGRAPHIC 書物の形態学vol.1展」(2007年5月25日(金)~6月15日(金)GALLERY MAKI)会場にて手渡された冊子。
B4サイズの紙を2つ折りにして、ホッチキス留めされた冊子だが、折られたままの状態なので、読者が自身の手でカッターなどを使い、上と左右を切り開くことで「冊子」として完成する本。紙は手製と思われる和紙(?)にアナログな版画っぽい仕上がり。中身は、ドローイング、フェルナンド・ペソア、J・L・ボルヘスなどの引用が記されている。説明が悪くてなんのことかわからないと思うが、また、展覧会もやや頭でっかちでよくわからないのだが、書物に対する愛情は伝わってくる展覧会だ。

金銭上の理由から、最近本屋に行くことを控えているのだが、本屋に行かないからといって、欲しい本がなくなるわけではない。読んでいる本の中で、引用されているある書物の一節から、あるいは、参考文献、思いつきなどなど、読みたい本が増える瞬間は、実は本屋に行かなくとも、いつでも湧き上がってくるのだ。

「引用」。書物の中では当たり前のようにして、他者の文章が混ざり合う。その異なる「血」が、ひとつのテーマや物語を、より豊かに膨らまし、ときには優しく寄り添う。ひとつの書物を読むことは、実は、その後ろにあるだろう膨大な量の書物を感じることにある。実際は本だけではなく、美術、映画、音楽、スポーツなどなどあらゆる文化・自然・科学現象が折りたたまれているのかもしれない。
つづく


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