A PIECE OF FUTURE

美術・展覧会紹介、雑感などなど。未来のカケラを忘れないために書き記します。

未読日記890 『小説の自由』

2014-07-13 23:32:07 | 書物
タイトル:小説の自由 (中公文庫)
著者:保坂和志
カバーデザイン:num. 山影麻奈
発行:東京 : 中央公論新社(中公文庫, [ほ-12-12])
発行日:2010.5
形態:409p ; 16cm
注記:2005年6月刊の文庫化
    引用文献リスト: p402-404
    著作一覧: 巻末
内容:
小説は、読んでいる時間のなかにしかない。読むたびに、「世界」や「人間」や「私」について、新たな問いをつくりだすもの、それが小説なのだ――。ときに立ち止まり、ときに駆け抜ける、思考の原形としての「生(なま)」の小説論。

文庫版まえがき
まえがき

1 第三の領域
2 私の濃度
3 視線の運動
4 表現、現前するもの
5 私の解体
桜の開花は目前に迫っていた
7 それは何かではあるが、それが何なのかは知りえない
8 私に固有でないものが寄り集まって私になる
9 身体と言語、二つの異なる原理
10 彼が彼として生きる
11 病的な想像力でない小説
12 視覚化されない思考
13 散文性の極致

引用文献リスト
あとがき
著作一覧

購入日:2014年7月12日
購入日:紀伊國屋書店 梅田本店
購入理由:
 本書は単行本刊行時に読んでおり、いまも実家にあるのだが、久々に読んでみようと思って文庫本を購入。そもそもは、7/5に名古屋のガレリアフィナルテで開催された児玉靖枝、松浦寿夫、峯村敏明のオープニング・ディスカッションを聞いたことである。テーマは「絵画の奥行き」だったが、絵画の生成/制作の時間についての話題がとても興味深かった。制作の時間より絵を見ている時間の方が長いとか、下地作りの時間が長いとかのエピソードは、もの作りの時間にたいして速さ(早さ)をよしとしてしまう現代の時間感覚に対て疑義を呈するものだった。
 そこで、思い浮かんだのが保坂和志の小説論だった。以前から、保坂和志の時間論は、峯村敏明氏の思考に共通点があると思っていたので、あらためて読んでみようと思った。


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