他者の現在を思いやること、それはわからないから思いやるんであって、理解できるから思いやるのではない。料理を供する母は、じぶんではなく「あなた」の口に合うか、それがとても気になるから「おいしい?」と訊くのであり、「おいしい」という返事をもらうことで、じぶん自身の行為にはじめてポジティブな意味をあたえることができるのである。
鷲田清一『「聴く」ことの力: 臨床哲学試論 (ちくま学芸文庫)』筑摩書房、2015年、243-244頁。
他者の返事があることで、人は自分の行為や思考にポジティブになれる。
返事が返ってこなかったり、つれない返事だとわからないままである。
鷲田清一『「聴く」ことの力: 臨床哲学試論 (ちくま学芸文庫)』筑摩書房、2015年、243-244頁。
他者の返事があることで、人は自分の行為や思考にポジティブになれる。
返事が返ってこなかったり、つれない返事だとわからないままである。