A PIECE OF FUTURE

美術・展覧会紹介、雑感などなど。未来のカケラを忘れないために書き記します。

memorandum 196 気を余所へやる

2015-11-07 23:43:58 | ことば
このままではあのひとは変わらない、そう観念したがゆえに、ひとは待つことを選んだからだ。ではその確信とは何か。
 それは、じぶんのほうが変わらねば、関係もまた変わらないだろうという確信である。たとえ関係の変化が、「よりを戻したい」、つまりは以前のような関係に戻りたいということであったにしても、あの関係がそのまま戻ってくるとは、待つ側も思うだにしないだろう。何かが確実に終わったことを思い知ったからこそ、待つことを選んだのだから。
 待つことの選択、それが意味するのは、なによりも、関係を思いどおりにしたいというみずからの願望の遮断である。

鷲田清一『「待つ」ということ (角川選書)』角川学芸出版、2006年、85頁。


時間は過ぎる。人も変わる。以前と同じ人や場所などこの世にない。
私も変わらねばならない。