A PIECE OF FUTURE

美術・展覧会紹介、雑感などなど。未来のカケラを忘れないために書き記します。

未読日記131 「ポロポロ」

2007-11-17 01:03:43 | 書物
タイトル:ポロポロ
著者:田中小実昌
カバーデザイン:鷹嘴麻衣子
カバー装画:小田扉
カバーフォーマット:佐々木暁
デザイン:粟津潔
発行:河出書房新社/河出文庫
発行日:2004年8月20日
内容:
独立教会の牧師だった父親が開いていた祈禱会。そこではみんながポロポロという言葉にはならない祈りをさけんだり、つぶやいたりしていた-著者の宗教観の出発点を示す表題作「ポロポロ」の他、中国戦線で飢えや病気のため、仲間たちとともに死に直面した過酷な体験を、物語化を拒否する独自の視線で描いた連作。谷崎潤一郎賞受賞作。
解説=田中克彦
(本書カバー裏解説より)

購入日:2007年11月11日
購入店:丸善 日本橋店
購入理由:
田中小実昌の本は保坂和志氏や小島信夫氏の著作を通して、読みたいと思い続けていた。文庫カバー裏の解説にもある通り、小説の構造を解体しているような内容に興味を魅かれていた。そして先日、松明堂ギャラリーで行われていた<松明堂「文庫」展-オリジナルカバーとブックオブジェ->を見たのである。その中で、小島敏男氏が田中小実昌の「ポロポロ」のオリジナルカバーを制作していたのだ。そのカバーがいまだ読まずにいる田中小実昌の「ポロポロ」を手にとってみたいという気持ちを強く私に起させた。いま、小説は「失われた時を求めて」を読んでいるから、実際読むのはずっと後になるのはわかりきっていた。だが、いま買わないと、買う機会を逸するのではないかと思った。しかしそれにしても河出文庫のカバーは酷い。いままで気になりながらどうして自分が買わなかったのかわかる気がする。こんな酷いカバーでは、期待感が台無しだ。ぜひ小島敏男氏のカバーで新版として出してほしいものだ。
ちなみに、小島敏男氏はあと1冊オリジナルカバーを制作していて、そちらは木山捷平の「長春五馬路」(講談社文芸文庫)だった。こちらもまた気になっていた作家なのだ。それは以前、平出隆氏の「猫の客」が木山捷平賞なるものを受賞していて、初めて知った名前だった。木山捷平とは誰ぞな?「猫の客」という傑出した散文/小説に与えられる賞なのだから、通じるものがあるのだろう・・。そんな思いから気になっていた。だが、講談社文芸文庫はやや値段が高いので、今回は見送った。

松明堂「文庫」展 オリジナルカバーとブックオブジェ
2007年11月10日(土)-12月9日(日)
松明堂ギャラリー