A PIECE OF FUTURE

美術・展覧会紹介、雑感などなど。未来のカケラを忘れないために書き記します。

音楽論008 「LAST LIGHT」

2007-11-03 00:00:52 | music
タイトル:LAST LIGHT
アーティスト:MATT POND PA
レーベル:YOUTH
発売日:2007年10月24日
内容:
デビューから9年の年輪を重ねた、SSWマット・ポンド率いるクインテットによる、真のエモーショナル・ソングスが詰まった7thフル。
ニューイングランド出身、フィラデルフィアを経て、現在はブルックリン在住のシンガー・ソングライター、マシュー・ポンドを軸にした、流動的なメンバーによるバンド。現在は5人組。2年ぶり、7枚目となる本作では、彼らの大きな特徴であった叙情性の高いストリングスやフラジャイルな浮遊感よりも、より骨太でソリッドなロック・バンド・サウンド、そして、“うた”が完全に前面に出て、聴く者を圧倒する。長くアンダーグラウンドな活動をしてきた彼らが、現在、USの主要都市では1,000人規模のホールもソールドアウトにしてしまうという状況に対峙し、そこから決して逃げることなく、辿り着いた回答として、あまりにも完璧すぎる13曲。
(帯より)

購入日:2007年10月28日
購入店:HMV SHIBUYA
購入理由
友人からのススメにより購入。解説によると以前はストリングスを用いたフラジャイルなサウンドを展開するバンドだったようだが、今作ではロックサウンドで、叙情性のあるサウンド好みとしては少々意外だった。だが、聞き続けるうちにドライブ感のあるパワーポップに身体が反応してきて清々しい気持ちになる。まだ、自分がロックを聞ける若さがあることに自分で驚く。こうなると、今作以前のアルバムも聞きたくなる。おまけに12月に初の来日公演もあるという。行きたいところだが仕事で行かれないのが残念でならない。爆音で聴きたいものだ。

やや話はそれるが解説に引用されている彼らが“影響を受けた音楽”というのがユニークで、音楽以外にも映画、野球、文学などジャンルにこだわらず選ばれている。その中からバッハ、ケイト・ベッキンセール、ニール・ヤング、ジョン・カサヴェテス、ジョン・レノン、トルストイ、ステレオラブには私も同感・共感する。とくに映画監督ジョン・カサヴェテスを上げているところがすばらしい。日本では一般的にはほとんど知られていないが、幸福で濃密な映画体験をさせてくれる稀有なアメリカの映画作家だけにその名前を挙げているだけで同志を見つけた気がする。