佐渡の翼

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麺好や ゆうじ(佐渡市佐和田中原)その3   投稿者:佐渡の翼

2011年11月04日 04時21分47秒 | 佐渡グルメ美味しい食べ歩記(ラーメン編)

筆者が確認した限り、スタッフは、ギャルソンが3人にギャルソンヌが2人、これに調理スタッフが加わるが、「一龍」時代はスタッフの数が多すぎた事を反面教師にしているのかもしれない。席に座ってから肝心のラーメンが到着するまで更に20分も待たされた。正直言ってふざけているとしか思えない。たかがラーメン1杯にありつくまでに寒風の中を2時間15分も待たせおったのだ!先に座っていたおじさんは、このお店のラーメンを心行くまで味わい尽くし、スープは最後の一滴まで飲み干していた。よほど美味しかったのだろう。そう言えば、行列している間に見た、出てくる客の顔は皆満足気で、小首を傾げつつ出て来た客など皆無だった。「長時間待たせて申し訳ございません」と言う代わりなのかも知れぬが、まず餃子5個(一皿)がサービス品として無料で、一人客、あるいは一組の客全員に供された。この餃子、焼き過ぎたのか焦げ目がやや黒いのだ!島民客は、全員が、2時間も待ってようやく出てきた料理だから、そして行列に加わる事により、このお店の集客に十分貢献したのだとばかりに、有難くこの餃子を美味そうにパクツイていた。だが筆者は「このお店のラーメンを食べに来たのであり、別に餃子を食べに来たわけではない」と言う矜持を示すために、「餃子は要りません」と断り、それをギャルソンヌが持つトレーの上に戻した。開店初日の行列客で餃子が不要だと言った客は恐らく筆者だけであろう、それほど皆さんお腹を空かせていたのだ。餃子など食べてしまっては肝心のラーメンの味など正確に評価できまい。それも理由の一つなのだが。

 

さて、いよいよラーメンの味について語ろう。まずスープを一口啜ってみた。う~ん、だいまるラーメンのそれを彷彿させる味わいだが、本来、こってり系の豚骨とあっさり系の魚介のコンビネネーションは相入れない物、それゆえ、それらのコラボは非常に難しくかなりのテクニックを要する。筆者にはコラボが十分だとは思えなかった。ちと合わせ方に無理がある、そう感じざるを得なかったのだ。更に麺だが、こってり系なので太麺がよく合うのは事実だが、このお店の麺は、佐渡産100%の米粉を使用した自家製麺を使用しているそうだ。だから奇妙に白色の麺である、食感はなんだか細目のうどんを食べているようだ。ラーメンの麺はやはり、かんすいが入った黄色麺の方が合うと思う。ま、この辺は好みの問題で一概には言えないのだが、スープとの絡み具合は黄色麺の方が優っているように思う。そして煮卵だが、割ってみたら黄身の部分まで煮汁が浸み込んでおらず、黄色のままだった。これが師匠のだいまるラーメンとの決定的な違いである。だがチャーシューはさすがに部厚くてしかもとろけるほど柔らかくて美味しかった。総合評価は美味しかったが、騒ぐほどのラーメンでもなければ行列するほどのラーメンでもなかったと言うのが実感である。「2時間も待たされた割には大したラーメンではなかった」と言う後味だけが残ってしまった。このお店、本家の「だいまる ラーメン」とは独立して経営しているとの事だが、今のところ、「だいまる ラーメン」さんのライバルには成り得まいと思う。「ゆうじ」の店主におかれては初っ端から出鼻をくじかれてあまりいい気分ではないだろうが、東大を卒業した学生が実社会に出て、いきなり鼻っ柱をへし折られるような厳しい社会の洗礼を受けたのと同じだと考えた方がいい。そして、大事なお客様からの大切なご意見として、それらを謙虚に受け止めるべきであろう。最初っからちやほやされたら従業員が天狗になるだけだからだ。

 

このお店が流行るか流行らぬかは今後の展開次第だが、「だいまるラーメン」への客層の分散化を招き、共食い共倒れの危うさを孕んでいそうなので、身の丈に合った商売を心がけた方がいいと思う。島内でのラーメンの移動販売を始めようとする「駄貸し屋」とて、背伸びしているきらいが無いわけではないからだ。屋台骨がしっかりしている企業が多角化経営に乗り出すのは理解できる。されど実力が無い者がやたら背伸びをするといつかは足元をすくわれる。いかに自己評価がきちんと行われているのかが問われるのだ。組織と言う物は、現状に満足していては決して発展しないが、さりとて急速な拡大路線は必ず破綻への道が待っているのが通例だ。転ばぬ先の杖として老婆心ながら申し沿えておきたい。「麺好や ゆうじ」、確かに美味しいラーメンだったが、残念ながら出藍の誉れとはいかなかったようである。今後のご奮闘に期待したいと思う。

 

最後に、プロの調理人とは、客の注文を受けてから料理を仕上げるまでの時間を自在に操れる人の事を言う。店の混雑度、場合によっては客の味の好みにより、調理時間の長短の変化を強いられるが、それにきちんと対応できる人を意味するのだ。調理時間が長くなる不行き届きでお客様をお待たせする事を、開店から日が浅く不慣れだからと言い訳する事は許されない。何故なら、それらに慣れているきちんとした調理人を確保してから開業すべきではなかったのか?そう反論されたら返す言葉はあるまい。やるべき事は人員の増強などではなく、現有勢力で、いかに効率よく美味しいお料理をスピーデイーにお客様にお出しできるかを考える事だ。今後のご健闘をお祈り申し上げ、これで筆を置きたいと思う。



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