政治家の比喩はとかく野球とラグビーが多い。党内抗争をやめることをノーサイド、挙党一致を全員野球と呼ぶ。ノーサイドは分かりやすいが、全員野球は分かりにくい。これは控えの選手にも出番を与えてベンチ入りしている選手を試合で使うということだろう。
そもそも党内でも政府内でもポストは限られているんだから、全員は無理でしょう。どの派閥もバランスよくポストを与えるという意味であれば、ターンオーバーのほうがいい表現である。選手層の厚い集団であれば不満がでないように、試合毎に出番を交替させるのだ。
今日の報道を見ていたら、野田首相がやっとミッドフィールダー集団という表現を用いた。なんだ、サッカー用語も知っているのか。これはとかくフォワードだけをやりたがる人ばかりではなく、守備にも気を使う集団という意味だそうだが、なんとも地味な表現である。しかしMFだって、攻撃的であまり守備をしない選手だっている。
野田さんのいわんとする意味であればやっぱりボランチ集団と表現してほしかった。そうであれば、なかなか洒落たことを言うわいと支持率も高くなるはずだ。雪だるまを押し上げるドジョウなんてしゃれにもならない。
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