魔人の鉞

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日本は、南方軍票を1年前から

2024-05-16 17:28:18 | 第2次大戦
日本軍は開戦の1年も前から、南方侵攻時に使用する「軍票」を用意していました。
「運命のD暗号」 青山 元 著、戎光祥出版 2012年。

663p あとがきによると、この軍票は「は号」から「と号」に分けられ、「は号」は蘭領東インド、ジャワ、スマトラ、南ボルネオ、セレベス、蘭印ニューギニアなど、「に号」は英領マレー半島、シンガポール、英領ボルネオ、タイの一部など、「ほ号」はフィリピン、「へ号」は英領ビルマ、「と号」はオーストラリア、ニュージーランド、英領ニューギニア、ニューブリテン、ソロモン島、オセアニア諸島向けとして、詳細に準備されていました。
また「日本貨幣収集事典 (原点社) によると、昭和16年1月の段階で見本刷りができていた」とのことです。

用意周到というか、ABCD包囲網に迫られてやむなく開戦せざるを得なかった、などというのは後付けの理屈です。

その点で、ハルノート原因説も嘘でしょう。東郷外相が「目が眩むほどの衝撃」だと語ったのは自己正当化のための演技です。吉田茂氏ならずとも、外交の専門家ならハルノートが最後通牒などではないことは少し考えればわかることです。
それを半藤一利氏まで、「戦争というもの」(2021年5月、PHP研究所) 44p
で「最後的通牒を改めない限り、もはや交渉は不可能」などといって開戦不可避を吐露したなどと言うとは、まことに読みが浅くて残念です。
コメント
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