怠慢主婦 ドイツで同居 

日本食を食べなくなり義両親のしもべと化し、すでに何年になるだろう。遠い目しながら今日も行き抜いてやるぞっ

同族嫌悪

2019年02月05日 | ドイツ在住難民・移民
アフガニスタン人難民Nは、やってくると何やら熱心に携帯電話を見入っていた。
昼間からぷらぷら仕事もせずに(どこも長続きしない)政府の援助で暮している彼。ここで、危ない薬物所有か何かの罪で刑務所暮らしをしたこともあると他から聞いている。
初めのうちは警戒して、嫌な人物の一人だったのだが、接しているうちにだんだんNに慣れてきている自覚がある私。

その熱心に見入っているものは動画だった。
「りすさん、見てください」
部分的にしか見ていないけれど、おそらくこれだ。

「これは実話なんですよ、本当に海が割れたんですよ、アラーは素晴らしい」
おい・・・・
これって、旧約聖書の世界ではないか。旧約聖書と言えばユダヤ教とキリスト教の聖典・・・・おっと、イスラムも同じものを共有しているのだったな!

そういう知識はあったものの、目の前でその実際を体験すると驚かされる。
普段はムハンマドやコーランの話しか聞かされないものね。このNに。

別のイスラム教徒Jさんはインド系の顔立ち。パキスタンかインド国籍らしい。いまだに知らないのに付き合いがある。彼の娘は8歳。
彼女の名前は・・・・うう、ここで公開して大丈夫だろう・・・・マリア、という。
マリアといえば、代表的なキリスト教徒、あるいは欧米で好まれる女子名と思っていたのでこれまた驚愕。
「故郷では多い名前ですよ」とJさんは言った。

何やらさまざまな賞をもらったこの映画作品。

タイトルはファティマ。
ファティマと言えば、イスラム教徒・・・・と思っていたら、この映画の内容はキリストのものらしい。

マリアもファティマも宗教をまたがって好まれる名前のようだ。

世界三大宗教と呼ばれるその三宗教が(イスラム、ユダヤ、キリスト)互いに反目しあうのは、ベースの部分が共通してるからなのだろう。
なんとなく似ていて、それでいて違うもの同士がいがみ合うのはこの三宗教だけではなく、日本とその周辺各国と同じなのだろうな、と気づかされる。

まるで違うものにたいしての嫌悪感はわかりやすい。
似ているものを嫌うのは、厄介な感情だ。
これを乗り越えて、互いに平和に暮す工夫をしなくてはならないのが世界各国の先進国の今の課題かもしれない。