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三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

盛岡再生21_リビング

2006年05月11日 06時34分49秒 | Weblog

リビングは、その家のもっとも居心地のいい空間をめざすのが当然。
この家では、南側に面した位置にこのリビングはあり、
間取り的には変化していません。
左上の写真が、リフォーム前の様子です。
下段の真ん中の写真が、ほぼ同じ位置から撮った写真です。
窓は、以前のアルミ製から、樹脂のペアガラスサッシに変更されています。
以前と比べると、窓の大きさ自体はやや小さめにしていますが
採光は3面から取られていて
明るさや、開放感は向上しています。
また、大きな窓下に蓄熱暖房機が設置されて
窓からの「冷輻射」を押さえるようになっています。
教科書通りなんですが、寒さが感じられる部分に暖房機を配置することで
温度環境をバランスよく整えていく考え方です。

このリビングには以前、天井をささえるように鉄の梁がかかっていました。
解体のときに発見したのです。結果としてそれははずしたので、
構造強度を考慮してそれにかわるように、木製の梁を素地あらわしで懸けています。
構造という必要性と、インテリア性を両立させています。
照明もこの雰囲気にあうように、分散型の照明計画になっています。
以前の照明は天井直付けの直接照明だけですが
リフォーム後は、スポットが梁にいくつもつけられていますね。
北欧の住宅などでは、部分型の照明計画がおおく、
全体にやわらかい照明が、ほんわかと空間を浮かび上がらせるようになっています。
経験的にそういうようにしたほうが、暖かいインテリアになる
ということなのだと思います。
このあたりは、寒い日本でも、冬を旨としたインテリア空間をめざすべきだと思います。
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セパ交流戦スタート

2006年05月10日 05時16分38秒 | Weblog

いやぁ、いきなり感動的な試合でスタートです、セパ交流戦。
昨年悔しい思いをともに味わった、中日ドラゴンズとわが北海道日本ハムファイターズ。
中日はこの交流戦でのつまずきが阪神を助けてしまったし
吾が日本ハムも、11連敗という不名誉な記録を残して
ペナント脱落の主原因になった。
その昨年の轍を繰り返したくない両チームのぶつかり合いは
本当に、日本シリーズのような緊張感に満ちたナイスゲーム。
セリーグきってのエース・川上憲伸のピッチングは
まったくみごと! 敵ながらあっぱれの投球でしたね。
わがチームの小笠原選手も4打数4三振とまったく翻弄されました。
いかに、中日がこの試合に懸けていたか、
その思いがひしひしと感じられましたね。
徹底的に小笠原のバッティングを研究して
ミスなく、勝負してきたということでしょう。
悔しくてたまらなかったけれど、これぞプロの勝負というのを見せてくれました。
しかし、その川上の数少ない失投を見逃さず叩いた稲葉選手、SHINJO選手。
9回で3安打に抑えられながら、2点を奪った集中力のある攻撃です。

そして、死力を振り絞ったリリーフ陣の完璧リレー。
満塁のピンチを切り抜けた武田君、マイケル投手。
そしてまさに圧巻だったのが、延長10回表のギャンブル的な守備。
猛打賞のアレックスの先頭打者ヒットから、デッドボールでの無死1、2塁のピンチ。
この場面での落合監督のバント作戦を見切って
ゲッツーを狙った、超攻撃的な守備でした。
テレビで、まさに的確な解説を元日ハムの岩本さんがしてくれたので
その攻防の意味が、素人のわれわれファンにもわかりました。
そのまえのバント狙いの打者、川相君にどうしてデッドボールが出たのかも納得。
あの場面で、投手の建山は「シュート」を投げて
バントをしても1塁側方向にしか打球が行かないようにしていたのですね。
その結果が、目の覚めるようなダッシュを見せて打球を処理した
小笠原から、3塁~1塁というゲッツーになったのです。
この守備フィールディングでの小笠原君の見事な動きは
このゲームの最大のハイライトでしたね。
4三振と押さえ込まれたけれど、戦う闘志はまったく切れてはいなかった。

すごかった!
こんな面白いゲームを見せてくれた中日ドラゴンズにもありがとう、です。
そして、地元で感動的な勝利を得たわがファイターズ。
ことしは去年の屈辱をなんとか晴らしてもらいたいと思います。
ということで、北海道以外の皆さんには
なんのことやら、というブログで恐縮でした。
あしたから、また住宅ネタで書きます、きょうはご容赦を(笑)。
いやぁ、いがったぁ~。
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アメリカとロシア・中国の対峙

2006年05月09日 06時29分56秒 | Weblog

この間から、時々触れてきた
ロシアによる露骨なエネルギー国家戦略問題。
ついに、アメリカの「ネオコン」がこの問題を取り上げてきましたね。
写真は、ここ2~3日の朝日の報道です。
最初に「副大統領」のチェイニーの発表があって、
そこではまことに正しくロシアの現状について
正面から明快に指摘し、まさに「世界の警察官」そのものの発言。
「ネオコン」っていうのは、どっちかというと民主党の考え方を
突き詰めたような勢力なのだ、と言われています。
世界の「民主化」のためには、直接その国に対して威圧的に
要求することも辞さない、むしろ積極的、という考えのようですね。

そういう「ネオコン」連中の仕掛けなのか、
米露の首脳会談が近い時期を選んで発言がされました。
一方左側は、それへのロシア側の反応。
これもまことに明快な「国内世論向け」の、勇ましい反感表明。
たぶん、外交交渉のなか、現段階決裂状態なので
表側に出して、国際的世論のなかにこの問題をオープンにした
ということなのでしょう。
いきなり、「副大統領レベル」で、こうして発表した以上、アメリカも
そこそこ本気で外交交渉するぞ、という脅しなんでしょう。

その背景には、中東が最大の関心事とはいえ、
エネルギー世界戦略の中でロシアと中国の連携が目立ってきて、
アメリカの世界戦略的にも、目に余ってきたということなのでしょう。
このやり取りの行方、
ちょっと気にかけておかなければならないだろうと思います。
どうも冷戦終結後のパワーバランスの変化が
こういうポイントとして顕在化しつつある現れなのかもしれません。
世界パワーバランスの中での日本の置かれた位置も
もっと明確になってくるのではないでしょうかね。
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遅い春、ようやく

2006年05月08日 05時47分31秒 | Weblog

ことしのGWは、娘もいないし。どこへも行かず自宅周辺でのんびり。
おかげさまで毎日のように散歩を楽しめました。
毎日、コースが決まっておりまして
山の手から西野緑道という、確か、札幌市都市景観賞を取った遊歩道までの
往復約6kmくらいの道のりです。
GW前半は寒さも厳しくて、花の季節まで道遠し、と感じましたが
写真は、昨日7日早朝の様子。
右側写真が、リターン地点の橋の上から「発寒川」を見下ろしたところ。
雪解けの流れは、身を切るほどに清冽で
豊かな水量です。北海道って、冬の間の積雪のおかげで
夏の時期でも、水の心配はほぼありません。
この水の豊かさは、寒さと引き換えの自然からの贈り物なんですね。

連休後半には、いろいろな花がちらちら咲き始め
北国の春らしくなってきました。
こっちの春は、いろんな種類の草花が一斉に芽生えるんですよね。
そして、ついにさくらも開花しましていました。
背景は、手稲山という1000mクラスの山でして
もちろん尾根には積雪がたっぷり見られています。
ほんの数日ですが、こうして野歩きしていると
自然の変化が体に刻まれるように感覚できて、本当に楽しい。

で、連休はわが家の冷凍庫の整理整頓にもつとめていました。
共働きなので、買い物や残り物など
なんでも冷凍庫に放り込んでは、「あれ、これなんだったっけ」と
ボケあっていて、終いには、「いつ買ったかもわかんないし、やめとこう」
ってなるのがオチなんですよ。
ことしはそのくらしの贅肉落としに挑戦。
せっせと解凍しては、創作料理しておりました。
ごはんの余り、って、米ですけど、たまり続けていたものも一気に食べ尽くし。
ということで、連休が終わって、体もすっきり、
冷蔵庫もすっきり、無駄使いもいっさいなし、という
ケチケチGWということになりまして、
夫婦で目をあわせては、にんまりとしております。
「やったね、10万円くらいトクしたね」
って、あんまり性格の良くない喜び方でしょうかね(笑)

みなさん、いいGWでしたか?
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盛岡再生20_自然素材

2006年05月07日 06時33分41秒 | Weblog

最近増えてきているのが、シックハウスへの対応。
写真のように構造の素材から、表面仕上げの塗料や糊など
いろいろな自然素材が使われるようになってきていますね。
初期の頃の状況とは一変してきて、
ビルダーの側でも、きめ細かい対応をとっている例が多くなっています。

シックハウスを生み出した構造というのは
やっぱり近代経済合理性というものが一番大きいでしょう。
自然の素材を使えば、当然問題が派生する場合があります。
それを工場出荷の工業製品と同様に考えて、クレームとされることが
作り手に過剰に働いて、クレームの発生しない材料や仕上げに向かわせる。
一例で言えば、無垢の木を使えば、乾燥が十分でない場合など
多少はねじれや狂いは発生する。
それを回避しようとすると、工場出荷の「化学処理」した材料を使う。
極端に言えば、木に似せた化学製品に代用する。(実際あるんです)
こういう循環を繰り返した結果、化学製品への過敏症が形成された
とは、言えるでしょうね。
これはもちろん、建築だけのことではなくて、
根本的には、食品と農薬の関係まで、現代社会の全体の問題に感じられます。
取材した中には、それまでの賃貸住宅の駐車場からの排気ガスが
引き金になった、という方もいました。
いったん発症すると、生活のあらゆるシーンで困難が発生し、
当然、毎日の日常的な、食べ物にも敏感になって、
アレルギーが高まっていくのですね。
食品として大丈夫なもの、そうでないものを詳しくお話を伺っていながら、
この問題の根の深さに暗澹たる思いがしたものでした。

住宅建築の世界では、こういう大量生産型の
弊害を反省して、手作りや自然素材のよさを生かした家作りへの
志向性が高まっているといえるでしょうね。
ただし一方では、逆に価格合理性だけに突っ走っている動きもあります。
いまはそういういわば、混在状況でしょうか。
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盛岡再生19_お風呂

2006年05月06日 06時35分42秒 | Weblog

カナダで、現地の住宅の設計スタッフにインタビューしたときに
「日本の住宅で一番変わっているなぁ、と思える部位は?」
って聞いたときに、即座に帰ってきた答えが「お風呂」でしたね。
外国の住宅を見学して、一番違和感を感じるのもやっぱりお風呂です。
日本のようなユニットバスって
習慣が違うので、大型住宅のジャグジーなんかは別として
日本のようにゆったりと深いお風呂はありませんね。
あっちではほとんどがシャワールームで
下地の防水処理も見ましたが、ごく簡便な仕様。
シャワールームの周囲、壁でほんの50cm、床でもまわり50~60cm程度の範囲で
合板の上にビニールを敷いておしまい。
まぁ外国では洗い場もバスタブの中で、カーテン1枚の「防水」で
入浴する習慣だから、必要ないのだから、当然ですけど。
そこへいくと、日本のお風呂はCMじゃないけど、「世界一」。
ほぼ完璧に近い防水下地を施して
工場出荷で、成形も完全なユニットバスですから、
どんなに大騒ぎして入っても、防水など性能は万全ですよね。

このユニットバス、初期は、ビジネスホテルなどでの需要が
導入期には多かったのが、北海道で
高性能住宅が建てられるようになって、それに似合う
密閉性の高いものができてきたという経緯があります。
北海道発のユニットバスメーカーもあったりしたほどなんですよね。
最近では、面積も大型化してきていて、
ちょっと前までは3/4坪が一般的だったものが
1.25坪や、1.5坪という大型タイプも広く普及してきていますね。

ところが、沖縄で部屋を探して
びっくり新発見。
沖縄では、ユニットバスってあんまり普及していないんですね。
というより、浴槽があるお風呂はむしろ珍しい。
習慣的にシャワーが多くて、より簡便なんだとか。
場合によっては、賃貸でわざわざバスタブを撤去してほしい、という
注文が出る場合まであるそうです。
へぇ~、って。
所変われば品変わるとはよく言ったものだなぁと。
どうしてなのか、今度研究してみなければと思っております。

ということで、お風呂の話題でした。
写真は、リフォーム前後の様子です。
以前のお風呂はタイルの造作でしたが、思いっきり寒い風呂だったそうです。
気合いを入れてからでないと、入れなかったとか。
健康にも思いっきり悪いんですよね、そういうの。
こういうアメニティの進化は、すごいですよね、日本って。
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盛岡再生18_電化暖房

2006年05月05日 07時38分06秒 | Weblog

この住宅の設備関係はオール電化を採用しています。
200Vのパワーを利用することで、電気エネルギーを熱に変える
この蓄熱暖房機がメインになります。
構造は至ってシンプルで、家の中の壁や天井懐などに
写真左のように電気配線工事を行います。
最初に設置する位置だけではなく、将来的に必要と考えられる場所には
あらかじめ配線しておくと、増設工事も簡単です。
で、真ん中の写真のように、ヒーターを囲むように蓄熱体のレンガを
暖房機内部に積み上げます。
これを写真右のように被覆し、耐震性を考えて床面や壁面に
しっかりと固定させて完成します。
深夜の時間にヒーターから発生する熱が、レンガに蓄熱されて
ゆっくりと放熱されていく、という単純さ。
なので、モーター部分や、発火部分がないので
安全性やメンテナンス性が高いというわけなのです。

寒冷地に住んでいると、オール電化というのは当然、暖房をどうするか
ということを中心的に考えることになります。
ですからこの蓄熱暖房機の熱量計算が
建物の大きさを満たすように設計されているのです。
だから、とうぜん、建物の性能が大変重要な要素になるのですね。
隙間だらけで、性能が低い住宅では
電気代も、コントロールできない、ってことになる。
まぁ、関東以南では、電力会社自体、この暖房をのぞいてもオール電化
といっていますよね。
エアコンが蓄熱暖房機の代わりに入っていればいい、みたいですね。
そういう基準で「オール電化率」を計算すると
むしろ九州が一番普及しているんだとか、と聞きました。
でもねぇ、取材や旅行でいろんなところにいきますが
冬の体験的な寒さは、日本どこでもいっしょと感じます。
少なくとも、九州北部・中部なんかは、絶対暖房は不可欠。
また、夏場の「冷房効率」という側面は
寒冷地に置ける「暖房負荷効率」のようには問題意識が
確立されていません。
北海道での寒冷地住宅の研究開発努力のように
工業系の大学研究者が、そういう問題意識を持ってリードしている
ということはあまり聞きません。
でも、環境への負荷ということを考えたら
そのことも全く同様のことで、結局は建物の性能向上が
すべての解決手段になっていかざるを得ないのです。
ぜひ取り組んでいっていただきたいと考える次第です。
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民主国家の「世論と国家戦略」

2006年05月04日 05時02分08秒 | Weblog

政治への発言2です。
まぁあんまり前回、論旨は明確ではなかったかなぁ、と反省。
で、前回触れた「国家戦略」論。
っていうか、いま一番日本が直面している大問題だと考えるんです。
本意は、最近の世界中のエネルギー戦略の露骨化問題なんですよ。
以前触れたロシアは石油の産出国として世界第2位のレベルなんだそうで
それと天然ガスを抱えて、完全にエネルギー国家戦略を
「強いロシア」のバックボーンにしようとしていますよね。
そして経済成長が著しい中国。
日中国境線ラインでの天然ガス資源の強引な掘削開始などや
石油資源国への露骨なすり寄り外交など、
完全にエネルギー資源へ外交戦略をシフトする動きが顕著。
もちろんアメリカやヨーロッパの中東への歴史的な関与は
まさにこの1点に集中されてきたのですから、ロシア・中国の2国だけに限ったこと
というものではありません。

ただし、注意が必要なのは
この2カ国とも「民主主義国家」とは言いがたいということ。
そして、もっと問題なのは、
こうした国家を直接的に相手にせざるを得ない地政的な位置に日本があり
しかもかれらが、ほぼ「国内世論」をコントロール下において
他国との戦略的外交を展開しているのに対して
日本は、あまり成熟しているとは思えない国内世論を背景にしながら
しかし、民主国家として、国家戦略を推進しなければならない、ということです。

これって、かなり難しいですよね。
前回触れた、戦後日本自民党政権の「国家戦略」は、けっしてなかったのではなく、
国内世論に対して、あまり正面から論議できない制約が大きかったのではないか
と、言いたかったのが本意だったのですよ。
そしてそれが「対米協調」、さらに進んで「同盟関係」だったのでしょう。
で、それは大筋では間違っていなかった、ということです。
しかしその国家戦略が、モロに争点になった第1次日米安保条約では
簡単に岸内閣は吹っ飛んじゃった経験があるのです。
そのとき、冷静に国家戦略を国民に訴えても、ダメだ、と自民党は観念したのでしょう。
どうも、冷静な国家戦略と、自国の世論が一致することはそうはありえないのではないか

いろいろな誘導があったとはいえ、先の戦争に入る前には
世論は圧倒的に軍部を支持していたし、
その先頭に朝日新聞などのマスコミがあったのが事実だった。
世論の流れ的には、政治腐敗に対する世論の憎しみが
一見公正中立的な、軍部や官僚への傾斜に至ったということのようなんですね。
そういうときに、冷静な日米の戦力分析からくる「国家戦略」は見向かれず
むしろそれが崩壊して、戦略なき軍部独走、統帥権独走に至った、という。
<このあたりは、司馬遼太郎さんの絶筆に書かれていまして、わたしもそう信じています>
考えてみれば、戦後の日本は敗戦の結果、
こういう国家戦略を、対米協調という基本に一本化できたので
安定した政治運営が可能であった、ともいえるのでしょうね。

さて、小泉さんは対米協調だけを国家戦略とすれば
なんとかなった時代の最後の権力として記憶されるのではないでしょうか。
剥き出しのエネルギー国家戦略を正面にすえた
ロシア・中国と、これからは、どう向き合うのが日本に取って得策であるか?
もちろん対米協調は、こうしたときに最大のカードになるのは事実。
その上で、平和的にかれらと協調できるような
「国家戦略」が論議されるべきだと考えます。
さて、こういうの、うまくやっていけるでしょうか? ニッポン。
いつも平和でいるためには、やっぱり力の示威も必要でしょうね。
当面それが、日米同盟であるのは論を待ちません。
本当に「平和を希求」するためには、本腰を入れていかなければ、と思う次第。
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盛岡再生17_屋根板金

2006年05月03日 05時52分32秒 | Weblog
屋根は写真左側から、断熱層の上に通気層を確保して、
野地板~防水アスファルトルーフィング~板金工事の手順。
盛岡は冬の寒さは厳しいけれど、雪が多いとまでは言えない地域。
屋根はここでは、それぞれ傾斜屋根が採用され、
雪は落とすという考えで施工されています。

寒冷地でも、雪と寒さの質に地域差があり、
北海道でも大きく4地域に分けられると思います。
とくに屋根が問題になるのは、札幌などの日本海側の多雪地域。
年間の降雪が7m近い豪雪地帯で、人口密集という条件。
そこで、この地域では屋根をどうするか、が
歴史的に大変大きなポイントになるのです。
年々敷地が狭くなってきて、雪を落とす場所がなくなって
屋根に雪を乗っけておくタイプの屋根が普及したのです。
これは札幌の雪質も関係していたのでしょう。
北陸新潟から、秋田などの地域の
湿って重たい雪ではなく、からっとした軽い雪なんですね。
一方で、本州日本海側地域の雪はとにかく重いので
絶対に雪下ろしが必要ということから、屋根形状としては
傾斜屋根の方がより便利ということだったようですね。

ここでは雪は落とすという考えで
落とせない方向には雪止めという作戦だったようです。
最近は札幌なんかでは、三角屋根だけれど雪を落とさない屋根
というタイプの施工例も増えてきています。
いずれにせよ、屋根は一番トラブルになりやすい部分。
地域性をよく考えて、その土地に似合った屋根施工を選択すべきですね。
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盛岡再生16_基礎周り

2006年05月02日 06時13分09秒 | Weblog

さて盛岡の再生工事の様子もおわりに近づいてきました。
きょうは、基礎周りのモルタル処理と、柿渋による防虫処理の様子。
基礎は外断熱の板状断熱材をモルタルで被覆します。
新築住宅の場合は、土台などで防蟻処理が義務づけられます。
リフォームの場合にも、こうして行いますが
柿渋というのは、最近の自然素材指向のあらわれですね。

以前、ある住宅裁判がありました。
当時ガイドラインとなっていた、住宅公庫の仕様書では
土台は「防腐処理された材料の使用」が義務づけられていました。
この防腐土台というのは、ようするにホルマリン漬けにしている木材なのです。
で、設計としてはその家は地下室があり、
そのうえ、構造の素地表しが特徴だったのです。
この土台も室内に露出することになった。
こういう仕様を公庫の仕様書は想定していなかったのですね。
一般的には土台というものは、壁の中にしまい込まれるものであって、
防腐処理された材料が室内に表れるということは想定外だったということ。
結果として、生活を始めた建て主さんが健康被害に陥ったわけです。
大変不幸な事件でしたが、
ただし、当時はこういう問題というのは、あまり着目されなかった時代だったのですね。
この事件後、シックハウス問題もクローズアップされることになりました。
リプランでも、連載記事としてシックハウスについて掲載しました。
現在でも、NPO住宅110番HPで、見ていただけるように公開していますので
ぜひご覧くださいね。もう10年近く前の記事ですが
いまでも、HP上で多くの反響が寄せられてもいます。

こういう柿渋の利用というような動きも、
こんな事件から動き始めた「健康住宅」「自然志向」の現れであるのでしょう。
そういう流れの中で、近代合理主義一辺倒の、化学信仰のようなものに
疑問が呈されるようになってきているのが、現在ですね。
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