三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

【Replan東北企画「リノベーションのカタチ」】

2017年02月08日 06時45分00秒 | Weblog
きのう触れた国の中古住宅流通のための施策。
いろいろなご意見をみなさんから投稿していただきました。
ちょうどオール北海道住宅業界で取り組んだ「北海道R住宅」という
リフォーム・リノベーションの地域認証先導型ブランド創設時の体験と
ほぼ対照的な国の動きと感じられたので、
制度設計にあたった当時の状況が対比的に追想されてきて、
ぜひ国の制度創設に当たっても、
住宅の断熱性能向上の施策がそこで誘導されてほしいと念願して、
その強い思いのままに書いてみた次第です。批判ではなく応援。
中古住宅にスポットを当ててその流通を促進する策は必要。
ただそれが、未来に残せる「資産」になる制度が望まれますね。

いま、たまたまある企画の関係で賃貸住宅の状況もヒアリング取材中。
若い年代の人にとっては、ふつう親元から独立して
最初に住むのは賃貸住宅だと思います。
北海道札幌でも、その環境性能状況はまことにキビシいものがある。
一時期の「流行」で作られたある間取り構成の賃貸物件は、
見てくれの華やかさでいっときブームのように作られたけれど、
いまでは「結露」問題から、敬遠の対象になっているという。
取材の過程でそんな状況にも接しています。
で、そのような賃貸住宅探しの過程で業者さんから
「中古住宅取得」の場合の月々かかるお金の計算をしてもらって、
けっこう多くのみなさんが、中古取得にチェンジするのだと言うこと。
ゼロあるいはマイナス金利といういまの時代、
そういった住宅取得というのが、確実なマーケットとして存在する。
国の施策もそういった状況に対応してのものかも知れません。
その中古購入に際しての物件判断のモノサシとして、
あるべき基準、たとえば北海道R住宅のように、
住宅性能はいまの省エネ基準相当、というような明確な基準が
見えていれば、ユーザーの賢い選択に繋がるでしょう。
まだまだ知名度は浸透しきってはいないとはいえ、
地域としてそういった基準があると、やがてユーザー支持が高まる。
市場に対して明確な「先導型ブランド」を示すことは必要。

北海道ではそういった状況だけれど、
わたしどもも関与している東北地域では、そういう状況にはない。
中古住宅を手に入れるのはいいけれど、
その品質をどのように制度として「誘導」していくのか、という
基準の明示が社会的にないのだということに思い至ります。
北海道のように積極的な自治体は稀有なのだということですね。
ないものはしょうがない。しかし、ならばメディアとして示してみたい。
そんなことから、Replan東北では「リノベーションのカタチ」という
通年企画を誌面で展開したいと考えています。
キャッチフレーズは「中古住宅×リノベーション=理想の家」。
東北各地での「先導的」なリノベーション事例をご紹介しながら、
ユーザーに「性能とデザイン」という評価尺度を提供していきたい。
もっと広く社会に知られるべき多くの先進的な取り組みがあります。
そういった事例情報をユーザーに提供しながら、
中古購入から、どうすれば良きくらしの環境をゲットできるのか、
そのすじみちを情報提供したい、という企画です。
東北でも「優良なリノベーション」先導型ブランド起こしを仕掛けたい。
ご賛同いただける作り手のみなさんからの情報をお待ちします。

<カット写真はイメージです。>
コメント
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