三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

外観と窓のデザイン

2009年10月12日 06時57分36秒 | Weblog



さて、美幌の住宅展示場のご紹介です。
なんか、ようやくたどりついたように、感じます(笑)。
写真は、展示場の一番入り口側になる「高橋工務店」さんのもの。
断熱技術的には、外張り断熱の木造住宅なので、
外壁と窓の面に段差があります。
窓の方が内側になって、しかもその窓が木製窓が多いので、
豊かな表情を見せてくれています。
段差が、視覚的には陰影感を生んで、深みが出てくるのですね。
まぁ、女性の目元のお化粧のようなものとも言えますが、
こういった表情が長期にわたっての家の印象を左右する部分でもあります。
窓は、かなり考えて作られていました。
1階のメインの窓の部分、4つの窓で構成されたものですが、
上の大きな面積部分の窓が開閉されます。
逆に下の足下までの小さな窓は非開閉タイプ。
日射取得を考えてあえて窓にしたのか、通常であれば低い壁にする部分。
一般的には下部を開閉にして、大きな面積の窓はフィックスにする例が多い。
まぁ、コストと性能面でそういう方向が多くなりますが、
ここではあえて大きな窓を開閉タイプにしていました。

で、こういう陰影の深い窓面と、白い外壁面、ポイント的にあしらった地元産の木の表情、
っていうような構成要素のバランスでデザインを勝負して、
建物の形態としては、シンプルな切り妻、端正な三角屋根を採用しています。
外観としては、バランスがとても取れています。
まぁ、上品さを感じられるような仕上げ方ということができるでしょう。
家への考え方と作り方の考え方が明確に表現されていて、
外観も潔く、そのことをシンプルに表現していると感じます。
長く愛され続け、その地域に根ざして作っていく工務店として、
まっとうな姿勢を表現していると言えるでしょうか。
木製窓の優美さを十分に活かしたデザインと言えると思います。
ディテールにしっかりとした表情があれば、
形態はシンプルなほうが、お互いの良さを引き出せると思いますね。
こういうデザインであれば、どういう街並みにも調和して、
長くひとびとの記憶の中に「ふるさと」を感じさせてくれるものと思います。
この住宅展示場がめざしたものが、端的に表現されてもいます。

さて、休日ではありますが、
いろいろな企画が全国で進行していて、
ことしは住宅関係、年末に向かって一年分の動きがまとまってやってきそうです。




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