三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

暖房の未来形

2008年10月15日 06時46分24秒 | Weblog



写真は北総研の方の講演時のスライドから。
暖房用エネルギーといっているけれど、
住宅の性能が向上していくと、生活廃熱と太陽日射の割合が高くなってくる。
熱損失係数が1.0あたりからは
暖房用負荷としても、そっちのほうが大きい割合になってくる。
これは北海道でのことなので、
だとえば東京くらいだと、
暖房はゼロエネルギーっていうようになってくる。
北海道内でいま建築中の「北方型住宅ECO」は、換気の条件抜きで
熱損失係数1,3を性能要件としているので、
もし、第1種換気を装置した場合には1,0くらいが相当するレベル。
この写真で見る○をしたくらいのエネルギー構成になるのですね。

この場合は、生活廃熱と日射熱を足した方が
暖房専用エネルギーを上回ってくるという結果になる。
このレベルの住宅が、ことし一気に123棟も建設されているのです。
たしかにこれまでも先進的なビルダーは
ごく標準的にこういうレベルの住宅を建ててきたのですが、
そういう住宅がひとつの住宅運動として大量に一気に市場に公開される意義は高い。

こういう住宅になってくると、
暖房というものが、もっと意味合いが変化してくるような気がします。
いまは、補助暖房的に使われている薪ストーブですが、
性能が低い住宅では確かに「補助」としてしか考えられないけれど、
人間がコントロールできて、しかも
精神的にも高い癒しを提供してくれるものとして
場合によっては、主暖房の位置を占めてくるかも知れない。
環境問題で考えても、薪のような熱源は再生可能エネルギーとされているのです。
そのほかの暖房装置も十分に可能性検討が可能になってくると思います。
そしてその場合、性能要件的なものよりも
もっと、精神性を豊かにさせる方向に向いていく気がします。
同じ機能を果たしても、形態や見え方がまったく従来とは違うものになっていくとか。
そういう変化って、たぶん、北方圏生活デザインとして
本州以南地域に売り込んでいくことが可能なのではないかと思われます。

おおいに進化していって欲しいものだと念願しますね。



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