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三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

近隣MS建設計画

2008年05月04日 07時53分46秒 | 住宅取材&ウラ話


近隣に計画中というマンション。
町内会からは何回か進行状況についてのお知らせが来ていましたが、
とんと事業者側からは連絡が来ない。
そうこうしているうちに町内会から回覧が来ていたのを
確認し忘れていて、見ていませんでした。
で、はじめて連絡書を見たのが「打合会」当日の午後3時。
打合会なるものは、1時から4時までというように書いている。
とはいっても、書類の日付が4月29日で、5月2日の開催というスケジュール(!)。
29日は祭日ですから、考えてみたらすごい日程ですね。
たまたま当日はスケジュールが空いていたので、時間は遅れましたが、行ってみました。
町内会さんから、期日未定の段階で、ぜひ来てくださいと念を押されていたのです。

行ってみるとこの会の趣旨もはっきりしない。
建築事業主に対しては、再三町内会側の希望として
「説明会」を開催して欲しい旨、申し入れているけれど
そういう全体的なことはしない、あくまで個別に説明して歩く、ということ。
なので、この集まりというのも、町内会役員が事業者側から
個別説明の結果を聞くという名目での会、というものでした。
なにか、どうにも意味不明の対応です。
わたしの事務所も日影が冬期の昼前後2時間ほどは掛かってくるので、
当事者でないことはないと認識しているのですが、
「事業者側」の話によると、直接隣接している10m以内の住戸に対しては
説明義務があるけれど、わたしのような場合には
「言われたら説明すべき」というような法律になっている、という説明。
そういうものなのかどうか、その根拠法も示されないので、
こちらとしては、あとで確認するしか方法はありません。
それと、そもそも「事業者側」というのが「代理人」なんですよ。
マンションの建設って、地域の住民にとっては
直接的には日影問題が大きいのですが、そのほかにも
工事中の騒音から、舞い上がる粉塵などもあります
もっと根源的に言えば「眺望権」の侵害ということもあるわけで、
「事業者」が地域に「迷惑を掛ける」のは間違いがない。
ことにこの地区は古くからの住宅街で、近くの山が見えるのが好きで
暮らしているという人たちも多い土地柄。
そこに後から入ってきて、そのひとたちの眺望を奪って
一方では「眺望バツグン」というようなPRで販売するのは目に見えている。
それなのに、事業者側が直接出てこない、というのでは
面倒くさそうなことから逃げようとしているというのが一般的な理解。
そういう態度であれば、こちら側も迷惑の部分を訴えていくしかないと思われます。

住宅クレーム110番という相談も受けている立場でもあるわけですが、
こういうような問題って、自分に降りかかってきたのは初めて。
単純に「地域エゴ」を主張するという考えはないのですが、
しかし、だからといってマンション建設業者の好きにしていいことでもないと思います。
考えていた以上に、事業者側って勝手なもの、という印象。
もうすこし、地域に配慮したコミュニケーションを取れないものなのでしょうかね。

<写真はまったく無関係のものです>
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200年住宅の補助金

2008年05月01日 06時41分13秒 | 住宅取材&ウラ話

きのうは北海道庁で、例の国交省の補助金政策、
200年住宅についての北海道としての対応の説明会が開かれました。
北海道として、道内の住宅企業と連携して
北海道が窓口になる形で、この政策の受け皿になろうという次第です。
そのための企業側との会合、内容の説明会、ということでした。
連休の谷間にもかかわらず、広い会場がいっぱいになる盛況ぶり。
ざっと、200人は下らない人数の住宅企業が集まってきていました。
昨年の建築基準法の厳格化によって、政府発の不況が現出し、
その失地回復に懸命の国交省は、総額130億円という補助金政策に乗り出しています。
しかも、この金額は単年度だけではなく、今後5年間は継続する考えとか。
その材料になっているのが、超長期寿命住宅という性能面からのアプローチ。
福田総理が長い間住んでいた米国での経験から着想した政策。
この政権の先行きがどうなるのか
たいへん不透明感は漂ってきていますが、
国の政策としてスタートする以上、簡単には後戻りもできないでしょう。
一方で、北海道としては、この機会にこれまで取り組んできた
「北方型住宅」というものを大いにアピールし、
その施策スピードを上げていきたい、という考えは理解できるところ。
全国の地方公共団体として、今回のような
「拙速な」国交省の施策に対して、ビジョンを提示できるのは
たぶん、例外的に北海道だけではないかと思われます。
すでに「北方型住宅」という取り組みをずっと継続してきていて、
実績もあるわけで、国交省から開示があってから
応募の締め切りが1ヶ月しかない、というような即決型政策に
対応可能だったということだと思われます。

各住宅企業にとっても、
締め切りまでの時間のなさから、今回は単独での対応は難しい。
その意味では、北海道が提示したプランに乗るしか、
対応はないと思われます。
それにしてもあわただしい。きのうの説明会から連休も挟むというのに、
企業側応募の締め切りは5月7日、それも午前中必着(!)ということ。
でも、そういう日程でないと、今回の国交省の補助金政策には間に合わない。
北海道は、前述したような経緯があるからなんとか
「内容があって、可能性が高い」提案が可能ですが、
さて、全国のほかからはどのような応募が出てくるものなのか、
逆に見物とも言えると思っております。
普通に考えれば、付け焼き刃で実績の乏しいものが、それこそ
雨後の竹の子のようにたくさん出てくるのでしょうか?

いずれにしても、補助金である以上、
最終的にはダムを造るのと同じなわけで、
税金の使い道というか、ばらまきであることには変わりはない。
今回のこの拙速ぶりが、どのような結果に至るのか、
ハラハラしながら見ていかなければならないなと、思っております。

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早春の森あそび

2008年04月20日 05時57分33秒 | 住宅取材&ウラ話

金曜から土曜に掛けて、
わたしも参加している地域工務店グループ「アース21」のなかの有志の集まり
「森を考える会」の総会に行って参りました。
これは、地産地消とか言われているのに、
実際の北海道の森がどのようになっているのか、
なにも知らないのでは、提言もできないし、方向性も見えない。
そういう現状を打開するのに、自らも森林所有者になって
どのようなことを考えていったらいいか、
そういう体験を共有しよう、という狙いから作った会。
実際に昨年、わずかな面積ですが森林を購入したのです。
森林を購入したら、こんどは管理をしなければならないし、
定期的な下草伐採、間伐などから経営的視点から植樹計画も考えなければいけない。
そういう話し合いをする中から、北海道の森林のよい未来を考えたいということ。

今年第1回ということで、自分たちの森を見に行った次第です。
所有はグループの代表個人で登録していて、
わたしたち会員は、利用権として一口参加しているという形態です。
ゆくゆくはユーザーのみなさんにも呼びかけて、
北海道の森の現状を考えていただくきっかけにもしていければと考えています。
なんですが、まぁ、楽しみながらでなければ続かない。
ということで、場所は札幌の北方30kmほどの厚田の近郊で日本海も見える高台。
朝、近くの海で取れたホタテなどを仕入れてきてのバーベキュー大会から、
森林探索、沢地の探検などを行ってきました。
お酒が入っているので、わたしは沢まではおりませんでした(笑)。
笹に足を滑らせて、滑落したりするので、危険もあり、
万が一に備えて、助け出す係になった次第です(笑)。
まぁ、本音は痛い思いはしたくない、というところですが(笑)。
でも、早春とはいえ、森の空気感は清涼で素晴らしい。
購入した森林のお隣には、引退された元北海道職員のかたのロッジがあり、
そこを利用させていただいたのですが、
お話を伺うと、いろいろな側面が見えてきました。
とくに印象的だったのは、動物植生の変化ぶり。
ペットとして飼っていた犬や猫などを投げ捨てていく人が後を絶たず、
そうした犬が野犬となって、集団を造り徘徊していると言うこと。
人間の勝手気ままが自然の輪廻を破壊している実態がまざまざと感じられます。
一方で、いわば自然絶対主義的な、原理主義的な
一切自然に手を付けてはいけない、みたいな考えも同時に自然維持には問題がある。
森林は人間が適切に面倒を見ていく必要があるのだ、と思います。
そのような長期的な自然保持、環境保全の方法を考えていかなければなりませんね。

時期を見て、読者のみなさんやユーザーグループのみなさんなどに
森と親しんでいただく機会を作りたいと考えています。
沢地には野花が咲いていましたが、
その驚くほどの緑のみずみずしさ、花の色の新鮮さに心打たれます。
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スクラップ&ビルド・・・

2008年04月19日 10時00分22秒 | 住宅取材&ウラ話
最近、わが社事務所周辺では活発に建築が行われています。
大型MS建築については先日も触れていますが、
そのお隣、ちょうどわが社の目の前では、
セブンイレブンとなりの民家が先日取り壊されていました。
この民家って、どういう経緯で建てられていたのか、わが社が引っ越してきてから
つい3年前くらいに古い家を壊して建てられていたものでした。
大きな20m道路に面して建てられていたのですが
どんな建物が建つのかなぁ、と見ていたら
なんのことはない、ごく一般的な住宅だったので、へぇ~と思っていた次第です。
で、そういう新築物件が、先月くらいに解体されていたのでびっくり。
おいおい、まだ2~3年じゃないか、と思っていたのです。
で、その後、土工事・基礎と建築が進み、
どうも平屋っぽくて、さてなんだろうと思っていたら、
こんどはセブンイレブンが解体工事。写真はその様子。
っていうあたりで、ようやく工事の人に聞いたら、
セブンイレブンが角地を嫌って、一軒ずれて建てたい、ということになったようなのですね。
それで、既存の建物を解体して撤去し、
お隣の建物と敷地を買収して、角地は駐車場にしようという考えのよう。

どうやらそういう流れのようなんですが、
この間で、2軒の建物が解体されているのですね。
商業的目的とはいえ、ちょっと荒っぽいなぁと思います。
CO2削減とか、最近、そういう周辺のことが頭をよぎっているので、
余計に、そのような思いを感じるものかも知れません。
新築時にはCO2は約10tくらい排出されるし、解体には3tくらい排出される。
そのように考えると、短期間に、って3年前の正面の家の新築も含めると
新築が2軒に、解体が2件。都合26tくらいのCO2が排出された計算になる。
なんとなく、息苦しい感じもしてきそうです(笑)。

まぁ、このセブンイレブンには先日、車が突っ込んだりして、
幸い、人的被害はなかったのですが、
角地って、けっしていい立地環境とも言えない、というのがきっかけではあるのでしょうね。
店舗としての安全性を最優先して考えての結果だとは思われます。
しかし、それにしてもちょっと、すごく無駄という気もします。
どうなんでしょうね~~~。
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ガンプラフェチ

2008年04月13日 06時54分56秒 | 住宅取材&ウラ話

ひとにはさまざまな「嗜好」の世界があります。
フェティシズムというものですね。
わたしのような年代、1950年代生まれのような人間って、
団塊世代の一番最後なのか、
それより下の年代の先駆けなのか、
よくわからない部分があります。
でも、確実によく見えないフェティシズムとして、ガンプラフェチってものがあります。
プラモデル自体は、わたしたち戦後少年たち一般に
耽溺した時期を持っているケースは多いと思います。
しかし、このガンプラフェチはちょっと異質。
ガンプラフェチって、その後、けっこう長く続いているようで
いまでも、ウチの坊主なんかガンプラを作ったりしていますね。
まぁ、わたしなんかは比較的にこういう心理は理解できる部分もあります。
考えてみると、プラスチックに対する「親近感」の差のような気もしてくる。
わたしより上の年代の人には、プラスチック一般に対して
否定的な感覚の人は多いように感じる。
わたしなんかは、自分でもプラモデルを一生懸命作った記憶があって、
そういう嗜好記憶の延長で、ガンプラっていうのも理解はできる部分がある。

しかし、先日伺った弘前での取材先のお宅、いや、オタクと書くべきか(笑)
では、そのガンプラフェチの濃密感にタジタジになりましたね。
子どもさんのいないご夫婦なんですが、
家の中心的な居室はオーディオAVルーム兼フェチスタジオなんです。
食事を作る、食べる、くつろぐ、
というような家の機能性部分はむしろ付帯的な「装置」のようなんですね。
子育ての機能が家にないとすると、趣味生活的な部分が大きな位置を占めると言うことなんでしょうか。
音響や映像には大変なこだわりぶりで、まぁ、映画館以上の臨場感。
でもそれ以上に感心させられるのが、写真のようなガンプラフェチぶり。
これはもちろんごく一部で、まぁ、至る所に飾られておりました。
40代くらいの人から始まって、30代の幅広い年代に
こういう嗜好傾向は広がっているように思います。
ガンプラフェチの設計者なんて言う方もいるし、
仙台にはガンプラフェチのための専門ショップができたりもしています。

人間の暮らし方、生き方、感じ方は
こういう部分でも規定されてくるものなので、
家づくりに反映してくるのも理解できる部分ではあります。
考えてみれば、茶室なんて言うのも、こういう心理の
究極的なものとも言えなくはない。
ガンプラを愛でるための空間装置っていうのが論議されるようなことが
今後あるかも知れない、なんて思えてきますね。
ちょっと、妄想が膨らみ過ぎかなぁ(笑)。

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地下水利用融雪

2008年03月28日 06時29分42秒 | 住宅取材&ウラ話
きのうは秋田県湯沢市で撮影してきました。
写真はことしの3月はじめに同地に行ったときに出会った光景。
今年は融雪が早く、もうほとんど消えかかっておりましたが、
以前から聞いていた日本海側地域での地下水融雪の様子を見ることができたのです。
写真ではちょっとわかりにくいとも思うのですが、
地下水を使っての融雪なので、
土中からの泥水から、このように地中成分として出てくるのですね。
北海道と違って、夜になっても温度低下がそれほどでもないので、
このように地下水を散水しても氷結の心配をしなくていいようです。
こういうことを北海道でやったら、
一面のスケートリンクで、大変なことになるでしょうね(笑)。
でも、一度、北上でもこういう光景に遭遇したことがあり、
北上ではやや凍結もしていて、
そういう道を歩くと大変危険な思いをしたことがあります。
微妙な気温状況変化が、起こりうることなので
判断は難しい部分があるのだろうと思います。
季節の風物詩としてみると、なかなかに風情のあるものではあります。
ただし、靴が濡れる心配もあるので、
融雪中は歩行に気を使う必要があることでしょう。

湯沢市ではこのような地中成分の湧出が見られるのですが、
このあたり、事情はその土地の地盤構成によっても変化するそうです。
このような土の色は、土中の鉄分量が多い場合の特徴だそうです。
融雪後、こういう成分がホコリとして空中に舞うことになるでしょうから、
春先には花粉症原因になることも推定できます。
まぁ、どんなことにもメリットもあれば、デメリットもある。
その土地ごとで、知恵の使いようではあると思いますね。
話は変わって、ことしは北海道では灯油熱源でのロードヒーティングが
激減していたという話題が聞かれます。
折からの灯油の大高騰が、切実な問題として結果したのでしょう。
そういう意味では、3月に入って順調に融雪が進んだことは
北海道の人間にとって、まことにありがたいことでした。

と、書いていたら、なんと、久しぶりに窓の外は雪が降っています・・・。
春まだ遠し、一本調子ではいってくれないようですね。
って、ことしはもう車のタイヤ、履き替えちゃっているんです。
やれやれ困ったなぁ。

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デザイン神棚

2008年03月24日 06時09分25秒 | 住宅取材&ウラ話

弘前での取材先で見つけた神棚です。
神棚って、廃れていそうで、実際に取材に行くとほとんどついているもの。
仏壇は少人数の核家族というのが一般的になって、
まぁ、だいたいはその家で亡くなる方がいて、はじめて作る、購入する
というのが一般的。
なので、新築当時はほとんどが造作されていないというケースが多い。
その傾向は北海道の方が高いものがあります。
しかし、ひるがえって、神棚の方は案外、ない家の方が少ない。
家を新築するときに御祓いをしてもらう関係からか、
神様の方が縁ができやすいということを表しているのでしょうか。
というようなことなのですが、
伝統が生きている地域では、大工さんの手作りというのが一般的。
というか、大工さんからの新築祝いとして、神棚プレゼントが多いのですね。
職人らしく、手作業をプレゼントにするという伝統。
で、この家では、シンプルながら、
ちょっと使い勝手にも配慮したスッキリデザインの神棚でした。
この家は、設計者の関与している住宅なので、
たぶん、設計者が新築祝いに大工さんに設計図を渡して作ってもらったものでしょう。
神様の祭壇を載せる台はシンプルな平台。
その上にまぁ、よく売っている祭壇が載っけてあります。
ふつうならば、その平台の上に飾り物やお供えも載せるのですが、
それだと、毎日、お水を買えるときにもいちいち踏み台を用意して
やらなければならないことになる。
神棚って、大体が2m以上の高さの位置に据えられますから。
で、毎日大切にしたいと考えれば、
水を載せる台など、このように段違いにして下にあると便利。
注連縄もこのように付けるとまた、変化があって楽しい。
微妙だなと思うのは高さ。毎日使うのに頭がぶつかるようでは困る。
その点、絶妙な高さに据え付けられているので、その点もセーフ。

そんな作られようの神棚ですが、
出来上がってのスタイルは、実にスッキリとしたプロポーション。
ここは吹き抜けに面しているので、上を人が通ることもない。
悪くないモダンデザインで、家の雰囲気にも合っている。
ちょっとした部分ですが、モダンと伝統との融合という感じで
ほほえましいと思った次第です。
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ティッシュボックス

2008年03月21日 05時56分29秒 | 住宅取材&ウラ話

先日の取材先で発見したデザインティッシュボックス。
不勉強で、こういうの初めて見ました。
なんでもDUENDEというブランドが作っているモノなんだとか。
そのHPには、

Duende(デュエンデ)は2002年9月にスタートしたコンテンポラリーな家具とインテリアプロダクトを紹介するプロダクトレーベル。毎年ロンドンで開催される世界的に名高い「100% Design」への出展からスタートしました。
ミニマムな中に温かみを感じるようなデザインをコンセプトに商品開発しています。
日本の生活の中から生まれたデザインを世界へ。
海外の生活から生まれたデザインが日本へ。
様々な国籍、様々な素材、様々なカテゴリー、それらうまくコーディネートし、
国境にとらわれずどの国でも親しんで頂けるプロダクト作りを目指します。

というふうに紹介されていました。
で、このティッシュボックスは

横置きが定番のティッシュケースを縦置きにする事で、従来に比べ、より最後までティッシュをスムーズに引き出す事が出来ます。
縦置きのフォルムは、省スペースですっきり見せられ、パウダールーム・デスクトップ等様々なシーンをさり気なく演出できます。底面が広がっているため安定感があり、ティッシュを引く力程度では倒れる事はありません。2006年日本産業デザイン振興会グッドデザイン賞(Gマーク)を受賞。

ということなんだとか。
2006年受賞ということなので最近のプロダクツですが、
日本的な生活からのデザイン発信という志向性が伺えて
なかなか好感度が高い製品だと思います。
わが家でも、食卓などにティッシュボックスが置かれていますが、
どうにも納まりが良くない上に、ぬいぐるみみたいなのに入っていて、
「モロではない」という程度の装飾性のものしかなかった。
どうやってこれ、入手したか聞いたら、結婚式の引き出物でもらったそうで、
HPで値段を調べたら3600円するそうです。
どっかに売っているんでしょうが、
なぜかHPでは通販していないようです。
こういうの困りますね。
せっかくいいなと、情報を見て感じても、
問い合わせしなければいけないとか、お店で探さなければならない
というのは、忙しい現代人には難しい。
すぐその場から、買えるようにすべきですね、
とくにこのようなニッチタイプの商品については。
買いたいなと思っているのですが、そのことをすぐに忘れる(笑)。
トリ頭にはなかなか入手困難なんですよね(笑)。
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木のお医者さんの仕事

2008年03月17日 11時57分12秒 | 住宅取材&ウラ話

青森市内の住宅の庭木の様子です。
先日触れた、アーム付き薄型テレビの家ですね。
こちらには古くから立っている桜の木が3本あります。
周辺にはずいぶんたくさん桜の木があったそうですが、
住宅建築が進んで、伐採されまくって、この家の庭木だけが残ったということ。
こうした植栽は、地域の記憶の継続性の上でもっとも直接的な機縁。
建物は現代ではなかなか永続していかないけれど、
その上、樹木まで永続していかなければ、
「地域性」とはいっても、なんのよすがも存続し得ない。

確かに今どき、庭木を切らずに古い家屋敷地を永続させていくというのは
相続税などのことを考えると、難しい。
社会の仕組み自体が、そういった自然の輪廻を破壊する方向になっている。
まぁ、固定資産税や相続税ばかりのことではなく、
その土地で愛着を持って暮らし続けるということに
ほとんど社会システムの側で顧慮していない、といわざるを得ない。
江戸期までの社会であれば、
その生まれ育った地域とともにひとの生き方は決定づけられていた。
藩という、ひとつの社会システムの中で
否応なく、人々の暮らしようは決まっていたのですね。
そういう固定化した社会だからこそ、祭りという非日常空間が意味を持ち、
日常生活とのあいだでバランスを取っていた。
一方、今日の社会では、ひとはその所属する企業・団体などの「職域」社会が
基本単位になっていて、住む地域というものとの結縁性が薄くなってしまっている。
江戸期までの社会が基本として家の継続を大目標にしているのに対して
こんにちでは、形式上、個人主義に基づいた社会になっている。
でも、やっぱりひとはその土地に生きているのは事実。
そもそも家を建てる、という行為は地域性と一体化すること。
個人主義に基づいて、しかも地域社会とのつながりをどう作っていくべきなのか?
現代の住宅建築がもっとも考えなければならない問題だと思います。

って、いうことで全くの横道(笑)ですね。
桜の木の表面が防腐処理されていました。
また、枝も適度に切られていて
長く生命力を維持して行くには、このような科学的な態度が
知恵として求められているのだと思います。
このような的確なメンテナンスが、後の世代まで
サスティナブルということを伝え続けていく機縁になってくれるといいですね。
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岩木山が見える窓

2008年03月16日 06時32分11秒 | 住宅取材&ウラ話

家って、いろんな「設計条件」を考えるものですが、
そのなかに、いかにも地域独特の、
というような条件が感じられることがあります。
弘前での注文住宅の場合、特徴的で、
「岩木山が見えるような位置にメインの窓を開けたい」というのがあります。
昨日伺ったお宅は、間口が狭く奥行きが長い、という武家屋敷的な地割りの家。
こういう敷地で、両隣が接しているので、
その既存の隣家に配慮しながら、建物の配置を考えた結果、
同時に眺望的にもちょうどいい位置に建物を配置できました。
そのうえで、将来的にも家が建ちそうにない位置に居間の大きな窓を配置。
2階分の吹き抜けに大きな開口が開けられていますが、
それがちょうど岩木山の方角に開かれています。
きのうは曇天でしたので、裾野が少し顔を出す程度でしたが、
堂々たる偉容が室内から眺められるようになっています。

この大開口は、居間を中心にした吹き抜けを介して、
家中から望むことができ、家族が集まってくる場所に
同時にその日の岩木山の眺めが提供されるようになっているのです。
なんとも羨ましいかぎりの毎日の暮らしと感銘を受けました。
平野部に屹立する独立火山って、
日本人にとって独特のなにごとかを精神性として与えるものだと思います。
東北で言えば、岩木山・岩手山・鳥海山・会津磐梯山など、
それぞれの地域の中で、精神のよりどころとして
受け継がれてきているものがあると感じられます。

住宅とは、他のどこでもない、その土地に建てられるものであり、
その風土の中で暮らしていこうという
建て主さんの意志を直接的に表すもの。
その意味で、できることならば、このような積極的な表現を
可能であれば、ぜひ多くの家づくりが志して貰いたいものだと思います。
こういう志向を持った家づくりが、
その地域のアイデンティティを高めることになり、
そこで成長する子どもたちに「ふるさとらしさ」を意識させる
大きな「機縁」にもなっていくのだと思われます。

いつも、弘前に来るとなにか、人情の違いを感じるのですが、
それって、こんな地域性がどこの町よりも色濃く残り、
なおかつ、あらたに継続していこうという意志を地域のみなさんが
大切にしているのではないかと、感じられるからだと思っています。
そういうディープな部分で、深く惹かれるものがありますね。
好きです、弘前の街。
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