中村岳人の間歇（かんけつ）

間歇　かんけつ　……　一定の時間をおいて、やんだり起こったりすること。（福武書店『福武　国語辞典』より　ふるっ）

　はあ、はあ……早くカフェテラスに行かないと。平成ホラー３人娘、もう帰っちゃったかもしんないぞ。
　カフェテラスまで、もうちょっと時間がかかりそうだ。
　ちょっと、この移動中の時間を使って、そうだいじゃなくて本名・中村岳人としての私から、唐突ながらある報告をしたいと思います。ここだけ、中村岳人のつぶやきです。まさに、中村岳人の間歇。

　私・中村岳人は、来週の15～18日に上演される三条会のアトリエ公演『失われた時を求めて　第４のコース　ソドムとゴモラ』への出演をもちまして、役者としての活動を終了させていただきます。

　もう、劇団ホームページ内の演出家のブログをごらんになって知られた方もおられるかも知れませんが、うーん……なんだかなあ。「そんなこと、突然言われても……」と戸惑うみなさんの表情が顔に浮かぶようです。
　このブログ『長岡京エイリアン』を開始したのが８月なんですから、そこから２ヶ月ぐらいしかたっていない今日にそう聞いても、びっくりするだけですよねぇ！

　でも私は、大学を卒業する時期と重なったあたりから、およそ10年間、三条会という劇団に所属して役者として活動してきました。はっきり言って、三条会という集団を通してまわりの世界に接して、そして三条会に守られながら生きてきた20代・10年間でした。
　その中で私は、役者とは何かということをあまりよく考えることのないまま、役をもらって舞台に立つという時間を過ごしてきた気がします。
　そして、三条会の成長にあわせて自分自身の成長も要求されるという時期に入った時に、どうしても役者として成長しきれない頑固な部分のある自分に強いいらだちをおぼえるようになってしまっていたのです。
　そのために肝心の、観ていただくお客様が楽しむこと、三条会がさらにもっと大きなスケールの集団になることよりも、自分が嫌いになることから生まれる苦しみにたえることしか考えられなくなってしまっていました。

　まぁ、辛気くさいですよねぇ！　とにかく、こんなウジウジした状態では舞台に立てない！　本当に勝手なんですが、自分でそう判断させていただき、今回のはこびとなったわけなんです。

　しかし……ありがたいねぇ、最後の舞台を用意してもらえるなんて。こりゃもう、せいいっぱいやらせていただきますよ！　「役者やめる」なんてしめっぽい話はいったんおいといて、18日の最終日まで中村岳人としての全力を尽くさせていただきます！
　以上！　中村岳人でした～！

　さーてと、ちょうどいいところで、目指すカフェテラスが見えてきました。
　あ、ホラー３人娘とアシスタントの黒井ミサさん、まだいる！　髪型が４人全員、真っ黒のストレートなもんだから目立つ目立つ。
　さぁ、ひっぱりにひっぱってきた「怨霊グータンヌーボ」の最終章、いよいよ始まりますよ～！！