華やぐ時間

時の豊潤なイメージに惹かれて 。。。。

” 火山のふもとで ”   松家 仁之 (まついえ まさし)著 

2013-01-20 14:52:45 | ★本

数ページを読みはじめて  読みごこちのいい文章だなという印象を受けた

端正な文章  言葉のスッキリした積み重ねが  読む者の気持ちに素直に馴染んでくる

高原の景色の描写に 風を感じる

道を歩いているときの木立の葉ずれ 聞こえてくる鳥の鳴き声には  わたしもこの風景の中を歩きたいと思わせる

建物の描写を読んでいると ぜひ 写真で見せてほしいと思う

実在の建物ならば  訪ねてみたいと思う美しさである


登場人物たちも 慎み深く穏やかで 個性的だ

誰もが 先生を敬愛し大切にしてるのが 夏の家の和を作ってるのだろうな

建築学のことには門外漢だけれど 緻密な丁寧な仕事は きれいだ

仕事への誠実な姿勢は 自分を育てるのだと思う

わたしも この夏の家のスタッフに加えてほしいと思う心地よさである

国立現代図書館の設計コンペへ向けて 所員たちが仕事をしていく

一つの建物を作るのに こんなにも過程を踏むことに 畏敬の念を覚える


「夏の家」の時間は ほんとに素敵だ

畑で丹精した野菜たちは朝の食卓に豊富に並べられて  なんて美味しそうなんだろう

建築をする人たちは さりげなく食通らしく さっとお菓子を焼いたり ローストビーフを作ったりする

クルマやオートバイも外国のもので  豊かな暮らし方をしてるなぁと その嗜好を羨ましく思う

暖炉で薪を焚く様子も 燃え上がる火の様子がきれいで  爆ぜる木の匂いがわたしの鼻にも届くような気がする 

わたしは 京都やかつての城下町を訪ねて 古い家を見て歩くのが好きである

長く人の住んできた家や ある時代の洋館なども 眺めてて楽しい 

静謐という言葉を思い浮かべる



おりしも代々木の新国立競技場建設案へ 世界中から46のデザインが応募されて ザハ・ハディド氏の作品が選ばれた 

スポーツの躍動感を思わせる流線型の斬新なデザインには 意表をつかれた

このザハ氏たちも たくさんの時間を費やして 設計プランを作ったのだろうと思うと

いま  この本に出会えて とても よかったと思う







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