端抜き  (ちからとしあわせの融合)。

2021-08-22 15:18:06 | memo。



〔 質疑にて 〕

殆どの場合やっぱりいろんな国の税金でこういう基礎科学の研究が行われているので、もちろんいただいたお金があるということは、それについて責任もあるし、その価値をちゃんと説明していかないといけないと思います。
 日本て、そもそもすごく不思議な国だと思うんですよ。何でかというと、全然資源がない ── 二百ヵ国ぐらいありますよね世界に。で、日本のところを見るとどう書いてあるかというと "negligible mineral resources"、無視できるほどの鉱物資源。(会場笑)
 二百ヵ国見ても「無視できるほどの」って表現は日本しかないんです。それぐらい資源がない。どういうことかというと、〔写真〕イラクに行くと油田てのはこんな感じですけど、日本も油田ていうのがあって、秋田の油田てのは〔写真〕こんな感じですね。無視できるほどの鉱物資源。
 こんな資源がない国がふつう成功するわけがない。だから、特に日本みたいに資源のない国っていうのは、いつもそういう、柔軟にものを考える力ってのを育てていないと逆に危ないんじゃないかというのが私の個人的な考えなんです。



 暗黒物質がこういうものじゃないかという、きょう私の言った説であれ、別に、間違ってるかもしれないわけですよね。もちろんいろんな実験や観測で確かに正しかったって証明されたら、それはすごくうれしいですけども、でも間違ってたってわかるのもやっぱりそれは進歩で、わからないよりも、間違ってたってわかるほうがはるかにうれしいです。
 だから、自分が正しいことを証明するためにやってるわけじゃなくて、人生の中で答えが出るかどうかすらわからないことをやってるわけじゃないですか。ちょっとでも答えがわかったっていうだけでもすごいことだと思うんですよ。しかもこんだけいろんなことがわかってきてる時代ってのはめったになかったので、それだけでもものすごくやっぱりうれしいですね。

《 NHK「 最後の講義 村山 斉 」》


加筆:8/30朝刊より




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