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PDCEは、本当に効果があるのか  その2

2023年11月10日 09時00分00秒 | 雷日記

こんにちは。落雷抑制の松本です。

 11年前にこの同じタイトルでブログを書きました。その時は、実績も未だ十分でなく、弱気の発言でしたが、その時から実績を積み重ね、今は自信を持って「効果がある」と言い切れます。その自信はどこから来るのか? お客様での実績です。日本よりも雷の多いのは赤道付近で、オーストラリアの北部、ダーウィンは雷観測のメッカで雷研究の先生方が多く観測に行かれますし、南米のマラカイボ湖やシンガポールでも日本よりは雷も多く、その雷被害を何とかしたいという事で5年前にPDCEを4基設置されたシンガポールに工場を持つ日本企業様では落雷被害の低減を受けて、日本国内の工場でもPDCEの設置を大々的に進めています。日本国内の大規模設置としては、ある私鉄のお客様が沿線にPDCEを設置していて、最後の約50基の設置が進行中です。これが完了すると沿線で約900基の設置が完了します。10年に渡る工事で、毎年100基弱を10年に渡り継続した訳ですが、大企業ですから、当然、次年度予算は今年度の実績がモノを言います。 言い換えれば、10年間、直撃を受ける落雷事故が発生が無かったからこそ継続できた訳です。

 落雷状況を観測しているフランクリン・ジャパンによると、東京都での落雷密度は、2022年度で1平方キロメートルあたり1回程度、回数の多いのは栃木7回、鹿児島5回、三重、熊本、埼玉、群馬が4回ですが、営業キロ数と線路用地の幅(これは一定ではないのですが15mとして)を掛け算すると100万㎡を超える敷地面積に10年間、直撃雷は受けていないのです。 私の家だって10年間、落雷事故には遭っていないよ。。と言われる方も多いかと存じますが、鉄道施設は落雷に遭いやすいのです。数年前、某私鉄様の駅に落雷がありましたが、この時、駅を中心とした5㎞四方に、たったの3発しか落雷はありませんでしたが、3発のうちの1発が駅に落雷しました。その落雷で電車の運転は24時間、停止しました。 雷被害は直撃だけでなく、一番多いのは誘導雷による被害ですが、直撃を受ければケーブルも装置も炭化し、火災の発生もありますが、誘導雷であれば、火花くらいは飛んでも炭化するような被害にはならず、リセット・スィッチを押したり、ヒューズを交換するくらいで復旧できます。PDCEでは誘導雷は防げませんが、直撃雷には効果があるのです。設置台数が増え(3600台以上)、経過年数も14年に増加すると、実績として雷被害を低減できているお客様が増えているのです。

 費用は通常のただの金属棒である「突針」に比べれば、製品だけの価格で100倍程度にはなりますが、それでも社会のインフラが停止した場合の不便さと天秤にかければ大した額ではないのです。大事故が発生した場合の被害額で言えば、コスト・パフォーマンスなど小賢しいこを考えてはいけないのです。

 

 


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