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エネルギーの愉快な発明史  河出書房  ペルトラン・ピカール 他

2019年12月18日 09時00分00秒 | 雷日記
こんにちは。 落雷抑制の松本です。

 エネルギーをどうにかしたいとの思いによる発明は昔からありまして、本書の原書はスランスで発行され、それに日本の発明3つを翻訳者が加えたものだそうですが、時の話題であるEVや水素をエネルギー源にする発明は特許制度が始まった頃からの歴史のあるもので、本書には水素燃料電池からポルシェが1898年に最初に作ったEV,、アムステルダムではそのEVをシェアする社会実験まで行われて、温故知新と言いますか、発明はされたけれど、当時の技術が十分でなく、実用化されて現代まで残ることなく消え去った技術が多数紹介されています。

 私自身も50件の特許を取得していますが、何かここで紹介されている消え去った特許が私のものと同じ匂いがするように感じます。 アイデア倒れと言いますか、社会実装にまで至らずに消え去ったのは、時代(社会)背景、周辺技術、経済性など、その特許だけの問題ではなく、周囲の状況との同期が大事で、アイデアだけ突出しても大成しないのです。 本書では多くの発明が説明されていますが、その中で2つだけ面白いものを紹介します。

1)アドルフ・シャリエの100年電球
ナント1901年にリバモアの消防署に取り付けられた電球は、110年以上に渡って今の輝き続けているそうです。 明るさこそ、当初の60Wから1ケタ台に落ちていますが、ウエブカメラを電球の前に取付け、インターネットでこの電球を見られる巣です(2016年現在)。 計画的陳腐化と言う企業の金儲け論理により、メーカーは自社製品の寿命を意図的に短くしているのではないかと言う告発に、この電球が引っ張り出されたそうです。 日本のあるLEDメーカですが、製品寿命を長くし過ぎて、新入社員が定年退職する間、製品が壊れない。 となると、この新入社員の生涯賃金のためには、毎年、市場を拡大し続けなければならないと言う問題に直面している話もあり、長寿命であればいいという単純な話ではないのです。。。

2) 屋井先蔵(ヤイ サキゾウ)による世界初の乾電池
1887年に電解液をしようしない乾電池を発明したのは日本人の屋井さんであったとの事です。 発明はしたのですが、この当時、特許を取得するには多額の費用が掛かり、先延ばしをしているうちにドイツのカール・ガスナーにより1888年に特許自体は先をこされ、屋井電池の名前は世界には残らず、後継ぎがいなかったために消え去ったとのことですが、電解液を使用しないため寒冷地でも使用可能で、日清戦争の時には屋井さんの作った軍用乾電池のお陰で満州の過酷な寒さの中でも日本軍が戦えたとの事です。

 発明をしようとしている最中には見えない事もあり、世のために貢献したか、できなかったかは結果論。 私の発明も社会実装できるか否かは分かりません。 発明に凝ったは人は、技術ばかりに偏重していて、社会から浮き上がった変人のように見られることもあります。 時代の平均を超えた考えは「奇異」とみられることも多いのですが、社会問題を発明で解決し社会を良くしようとする最も良心的な「社会人」なのです。

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