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平成27年富士総合火力演習 近距離、ヘリ、そして対空火力

2015-08-29 | 自衛隊

平成27年総火演、迫撃砲までの装備紹介が終わりました。
続いて、対戦車誘導弾の演習が行われました。

この対戦車部隊は、87式対戦車誘導弾、96式多目的誘導弾システム、
中距離多目的誘導弾の三種類の装備で構成されているのですが、
いずれもレーザーや赤外線照射によって目標を狙い撃ちします。





オーロラビジョンには観客から見ることのできない射撃の様子が映し出されました。
赤帽の人は耳を押さえていますが、もしかしてイヤカバー無し?


しかも、弾道は直前で浮き上がり、相手戦車の上部、つまり
もっとも装甲の弱い部分を破壊するという鬼畜さ(笑)

防衛省の公開している拡大映像には、すべての目標を難なく
ぶち抜く恐るべき瞬間が映っています。

が、しかし。

この日、何度か、言い方は忘れましたが

「目標が確認できないから撃つのやめ」

ということがあって、皆あらあら、となってしまったのです。
実は総火演の何日か後、元陸自の方とお話をする機会があって、そのときに
感想を聞かれたためこのことをいうと、

「雨が降ると視程確認ができないので撃たないことがあるんです」

と言われてなるほど、と思いました。



この96式多目的誘導弾というのは

  • 情報処理装置(IPU)73式大型トラックに搭載。
  • 射撃指揮装置(FCU)高機動車に搭載。目標選定等担当。
  • 地上誘導装置(GGU)高機動車に搭載。ミサイル誘導担当。
  • 発射機(LAU)高機動車に搭載、乗員2名。
  • 観測機材(OPU)高機動車に搭載。前身観測担当。
  • 装填機(LDU)73式大型トラックに搭載、予備弾も含む。

とこれだけ、「車両6両で1セット」という数え方をします。
ここからは推測なのですが、前身観測の段階で視認できなかった場合、
目標選定ができないわけですから当然発射中止になるのではと・・・。 

 

続いて近距離火力の装備紹介です。
指向性散弾というのは、扇状に散弾が発射される近接戦闘用装備で、
接近する敵歩兵を一瞬で制圧することができます。
あらかじめ敵の来そうなところにセットしておいて、
離れたところから操作する、地雷みたいなものですかね。



敵歩兵に見立てた紅白のバルーンがまるで風船のように割れて・・・
・・・って風船やないかい!




小銃小隊が96式装輪装甲車で侵入してきました。



これから撃つので赤旗をセット。



96式40ミリ自動擲弾銃は我が国の開発した軽量小型の銃です。



これも接近する敵歩兵に見立てた黄色い風船を射撃。



お見事。全部割れました。



続いて、12.7mm重機関銃での射撃。

一分間に400-600初を撃つことができるということなので、
見ていると赤い火花のような銃弾がバラバラと目標に向かうのがわかります。




旗を緑に付け替えてから、すぐさま96式は前へ!の号令がかかり、
前進を始めますが、同時に後ろのハッチが上から手前に倒れ、



内部に乗っている射撃手が戦闘用意。



射手2名、赤帽と青帽が一人ずつ計4名が走り出てきました。



06式小銃擲弾で狙うのは青いバルーン。
これは、直接狙うというより上に向かって打ち上げる感じで、
だいたい10秒くらい後に着弾してから破裂する仕組みです。
画面右側に着弾した瞬間、左から二つ目のバルーンはもう割れています。



着弾の瞬間をアップしてみました。



89式5.56小銃で狙った人型は手前でぼーぼー燃えてます。



こちら84ミリ無反動砲。



弾着後の炎がすごすぎ。
続いてこちら個人携帯対戦車弾が射撃を行います。



これで撃った着弾跡はこうなります。

対戦車砲なので破壊力も対人用とは桁違い。


続いてどこからともなく撃たれる発煙弾。




いつの間にか「+」の描かれた白い目標が消えている・・・・。
たしかベニヤのような大きなボードだったと思うのですが、粉々に?

これ、肩に担いで個人が目視で合わせるんでしょう?
射撃正確すぎ。



発煙弾はもちろん視界を遮るために撃たれるもので、
派手に煙が上がっております。

弾着の時には「命中!」というアナウンスが、発煙弾の時には
「効果あり!」となっていました。

こら確かに効果あるわ。



続いて89式装甲戦闘車が進入してきました。



計4台の89式機関砲が一つの弾着目標に向かって各3発ずつ撃たれました。
音でいうと「ドウンドウンドウン!」って感じです。



「+」マークに到達する直前。
もちろんこのあと「+」のボードは木っ端微塵粉の運命です。




89式が離脱している間に、上空には対戦車ヘリが進入してきました。



AH-1S「コブラ」と・・



なぜか偵察のOH-1は姿を見せず、コブラに付き添ってきたのはカイユース



コブラの対戦車ミサイルが火をふくぜい!

ちなみに

「こちらコブラ、目標を攻撃する」「コブラ、離脱!」


という感じで、コブラは自分で自分のことを「コブラ」と言っておりました。




コブラが離脱した跡は、同じく戦闘ヘリのAH-64D、アパッチ・ロングボウです。
この日は雨まじりで湿度が高かったせいか、ヘリのローターに
このようなvaporのトレースができていました。



アパッチの30ミリ機関砲射撃中の様子。
射撃目標は、地表に立てたやはり大きな「+」の布幕のようなもの。

続いては対空火力、つまり敵航空機に対する火力装備です。



87式自走高射機関砲
「ガンタンク」とか「ハエたたき」とか言われているアレです。
例によって防衛省の公式愛称は「スカイシューター」ですが。

写真ではわかりませんが、このちょんまげのような部分がレーダーで、
くるくるといつも回っていて結構可愛らしい奴であります。

フィールドの真ん中に出てきますが、これはみんなにその姿を見てもらうためで、
実際の射撃は常に左右の専用台のようなところから行われます。



撃(GEKI)!

という陸自限定せんべいが確かあったと記憶しますが、
陸自の射手は発射の時に声を出したりはしないんでしょうか。



しかし今年はこうしてみると時々発射の瞬間がちゃんと撮れています。
初回だった去年より次に何が起こるかだいたいわかっていたのがよかったみたいです。

雨が降っていなければ、もう少しいい瞬間が捉えられたような気もするのですが、


続く。