アヴァターラ・神のまにまに

精神世界の研究試論です。テーマは、瞑想、冥想、人間の進化、七つの身体。このブログは、いかなる団体とも関係ありません。

フィリポによる福音書の復活

2023-01-13 11:20:24 | 密教neo

◎永遠のアイオーンへと昇る

 

以下は、グノーシスの文書であるが、濃厚にエジプトの密教的思想を受け継いでおり、悟りを自我の死と復活として、いわば自明のものとして位置付けており、生前での冥想修行による死からの甦りを推奨している。

 

『断章72 フィリポによる福音書 §63a(第二巻81頁)

 

われわれがこの世の中にいる限り、われわれにとって益となるのは、われわれ自らに復活を生み出すことである。それはわれわれが肉を脱ぎ去るときに、安息の中に見出されることとなり、中間(=死)の中をさまようことにならないためである。

 

 

断章73 フィリポによる福音書 §90a(第二巻94頁)

「人はまず死に、それから甦るであろう」と言う者たちは間違っている。もし、初めに、生きている間に復活を受けなければ、死んだときに何も受けないだろう。

 

断章74 復活に関する数え§14-16(第三巻301-302頁)

それだから、わが子レギノスよ、復活に関して決して疑うことがないように、もしあなたがかつて肉を備えて先在していたのではないとすれば、あなたはこの世界に到来したときに肉を受け取ったのである。

 

とすれば、どうしてあなたはあの永遠のアイオーンへと昇ってゆくときにも、肉を受け取らないであろうか。肉よりも優れたものが、肉にとっての生命の原因となっているのである。

 

あなたのために生じたものはあなたのものではないのか。あなたのものであるものは、現にあなたとともに在るのではないのか。

 

(以下略)』

(グノーシスの神話/大貫隆/岩波書店P162から引用)

 

アイオーンとは万物を指すとすれば、アイオーンに昇っていくとは、アートマンとの合一を指し、密教において典型的な「体験とはいえない体験」のことを指し、

正統的教説であると思う。

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