アヴァターラ・神のまにまに

精神世界の研究試論です。テーマは、瞑想、冥想、人間の進化、七つの身体。このブログは、いかなる団体とも関係ありません。

失われた占星術の技法-2

2022-11-18 21:18:42 | 占星術  (冥想法6)neo
◎黄道12星座の区分法

西洋占星術には、実際の恒星・星座の位置を基準に黄道12星座を区分するものがある。これにおいては、歳差の2万5千8百年たっても星座の区分は不変であり、各恒星からの影響をきちんと反映できる。これは、西洋では、サイデリアル占星術(sidereal)と呼ばれ、世間ではマイナーなものである。

これに対して、毎度毎年移動する天球上の春分点を牡羊座の0度の基準にして黄道12星座(獣帯)を区分するやりかたがある。天球上の春分点は72年に1度ずつ移動して行き、25800年で1周する。この移動春分点を用いるのはトロピカル占星術と呼ばれ、今や西洋占星術、ホロスコープと言えば、トロピカル占星術のことである。

ところが、歳差運動の影響で、サイデリアル占星術の12星座とトロピカル占星術の12星座は既に23度ほどずれている。23度×72年=1656年だから、西洋では4世紀頃この手法の分離が起こったことになる。

サイデアリアル占星術は、より精確であって東洋で主に用いられるというものの、インド占星術は別として、四柱推命や紫薇斗数では確かに固定した星座を使うので、この点はトロピカル占星術にまさる。ところが用いる惑星は、紫薇斗数の太陰みたいに実在しない惑星を用いたり、惑星の運行は端数切捨てでひどく大ざっぱで、何百年も使うことでその惑星運行そのものの信憑性が疑われるような代物といえないことはない。

一方トロピカル占星術の方は23度もずれてしまっては、諸恒星の影響を正確に反映しているとは言い難い。惑星はふたご座にあると言っても実際その惑星はおうし座にあるということが、平気で起きているのだ。

ルネッサンス以前の天体望遠鏡がちゃんとしていなかった時代の占星術師たちは、毎夜肉眼で惑星のみならず、恒星の位置も見ていた。トロピカルでは、恒星と惑星の会合は無視してかかっているが、ルネッサンス以前は、それをきちんと評価していた。これも失われた占星術の技法のひとつと言えよう。

コンピューター計算で恒星、惑星の位置を見ることですら、実際と計算のずれはあるものだろうから、本来は、自分の目で夜空を見るのが基本動作であるはずだと思う。

サビアンと言って、360度の一度一度に意味を振ったものがあるが、その意味は1925年に透視によって得られた由。その透視の正統性はさておくとしても、その意味ですら歳差によって72年以上経過したのであるから、既に1度ずれになっているのだろうと思う。
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