●住宅が高すぎる! 中国の85%の家庭に購買能力なし 2009.12.8 産経新聞
【北京=矢板明夫】中国の政府系シンクタンク、中国社会科学院は7日に発表した2010年の「経済青書」で、「中国の不動産価格はすでに合理的な域を越えており、中国の約85%の家庭は住宅を買う能力がない」と指摘。「開発業者による不当な利益追求を容認してきた地方政府にも原因がある」と、政府系機関としては珍しく政府を批判した。
同青書によると、国際基準では住宅価格は家庭年収の3倍から6倍が一般的とされるが、中国の住宅価格はすでに都市部住民家庭の平均年収の8倍を超えている。農民工(出稼ぎ労働者)の場合は、20倍を超えるとし、「高い不動産価格は、農民の都市部への進出を制限し、中国の都市化を遅らせる原因になっている」という。
北京や上海などの大都市では、今年夏以後、面積100平方メートル前後の住宅が500万元(約6500万円)以上で取引されるケースも多くあるが、購入する人のほとんどは値上がり後の転売を目的にしており、入居者のいない空室が目立っている。
その一方で、住宅を購入できないため結婚を延期せざるを得ない若者も多く、社会問題となっている。
同青書は、価格の安い公的住宅の建設を増やすほか、不動産の売買が金持ちのマネーゲームの対象となるのを防止するため、不動産投資に対する規制を強化するよう提案している。
http://sankei.jp.msn.com/world/china/091208/chn0912080948001-n1.htm
●資産市場バブル化 中国経済、第二のドバイか 大紀元日本 2009年12月10日
華美な贅沢、レバレッジの濫用。砂上に築いた栄華を極めた経済は、実は幻に過ぎない。ドバイ危機が世界を驚かせたが、今、世界は、中国の経済情勢にますます注目を集めるようになっている。過剰な自信と資産のバブル化で、中国経済はドバイ危機の状態に直入しつつあるとの心配が業界で広がっている。中国の経済学者は、中国の資産バブルが崩壊したら、世界的な経済危機を引き起こすと警告している。
ブルームバーグ7日付けの記事によると、ドバイの債務問題は、中国への警鐘と見なすべきである。中国政府による4兆元(約52兆円)の経済振興方策の打ち出しと低利率は、株式市場と不動産市場の価格を急騰させ、バブル経済の兆しがますます明確になってきた。振興方策の実施はアメリカ国内市場の消費需要が回復するまで踏ん張れると中国政府は考えていたが、中国の輸出市場は全世界の需要に頼っているため、アメリカ国内市場の消費需要回復だけでは中国の輸出市場を完全に回復させることは無理だ。
世界最大の債権基金の経理にあたる、太平洋投資管理会社(PIMCO)の最高経営責任者(CEO)、ビル・グロース氏は、中国の貿易パートナーの消費不振について、「最終消費者が見つからない輸出に力を入れている。これが中国の問題の核心」とブルームバーグに語った。同氏は、中国は半年内に、資産バブルが生じやすい緩やかな貨幣政策を、放棄すると見込んでいる。
香港在住の著名な中国経済学者・郎咸平(ラン・シャンピン)氏は6日、「中国資産市場に形成されたバブルが、世界の注目を集めている。一旦バブルが崩壊すると、2010年の世界経済危機を引き起こしかねない。今年上半期に大量の信用資金が流れ込んだが、これは他ならぬ、資産バブルを来たす第一歩であり、これから状況は悪化する一方になるだろう」と警告した。
北京、上海、広州、深センの四都市に関する同氏の研究によると、最近数ヶ月、中国の主な購買力の指標となる、中高レベルのオフィスビルの家賃が下落し続けており、需要が落ち込んでいるにもかかわらず、四都市の不動産価格は上昇し続けている。資金の注入がきたした人工的な現象である。
同氏は、「投資環境の悪化と生産能力の過剰で、多くの企業家は資金を企業から不動産市場に移し、さらに不動産価格の高騰に拍車をかけた。現在は大量のバブルが形成されているところで、政府が適切な政策を打たないと、将来重大な結果を引き起こすに違いない」と懸念を示した。
http://www.epochtimes.jp/jp/2009/12/html/d58533.html
●不動産バブル再燃に政府がブレーキ 政府系機関紙:「崩壊は間もなく」=中国 大紀元日本 2009年12月17日
北京、上海、深センなど一部の中国大都市では最近、不動産価格が急激に上昇している。不動産バブルの再燃が懸念される中、国務院は14日、常務会議を開き、一部の都市の不動産価格の急激な上昇を抑制する措置を異例に発表した。一方、政府機関紙「中国青年報」は、高騰する不動産価格は中国経済のキラーとなり、不動産バブルは崩壊する危機が迫っていると警告している。
温家宝総理が招集した14日の会議では、一部の都市の不動産価格の急激な上昇を抑制するよう強調された。不動産政策の持続性と安定性を維持すると同時に、保障性住宅の建設を加速することや、市場の監督管理を強化すること及び市場予想を安定させることも指摘された。
09年中国不動産市場の価格上昇は、国民が最も注目する話題となっている。ウォール・ストリート・ジャーナルによると、中国政府は現在、不動産市場の過熱に対して不安と憂慮を日増しに高めている。株式市場の資産バブル問題に加え、不動産バブルの問題は社会の安定まで脅しているという。
同紙中国語版は最近、「中国不動産市場は非理性な繁盛に陥っている」と題する記事を発表。金融危機以来、中国の不動産市場は、常識を超える繁盛を見せているが、その非理性な繁盛が続ければ続くほどバブル崩壊の結果が心配されるとの観点を示す。
一方、政府機関紙「中国青年報」は14日、「不動産の高価格は経済のキラーに、バブル崩壊も近接」と報道、不動産バブル崩壊の危機を警告している。
「中国青年報」の報道によると、中国の大都市の不動産価格は、先進諸国と同程度またはそれより高い水準に達しているが、現地住民の収入は先進諸国の10分の1にも満たない。中国の不動産市場のバブル化は顕著となり、間もなく崩壊する危機が迫っているという。
中国国家統計局が最近発表したデータによると、今年1~11月の住宅やオフィスビル向けの土地や建物など不動産投資総額は1271億人民元(約1兆6500億円)で、前年同期と比べて17・8%増えたという。
一方、不動産市場価格の上昇に反して、一般国民の収入はあまり増えていない。中国中央銀行のアンケートの結果、国民の収入に対する満足度、消費意欲、ならびに不動産価格に対する満足度が非常に低かったが、同時に、不動産を購入する意欲が高まっていることがわかった。現在の収入では高額な住宅ローンを返済できる保障はないにもかかわらず、不動産を購入することを考えている人が多くいるようである。
http://www.epochtimes.jp/jp/2009/12/html/d93486.html
●北京でマンションの質草が急増、優遇税制の駆け込み適用狙い-中国日報 2009年12月18日ブルームバーグ
中国日報によれば、北京で自分のマンションを質草に現金を借り入れる住民が急増している。優遇税制が打ち切られる今年末までに不動産の新規購入資金を手当てしようとする人が増えているためという。
中国日報が貨夏典当行のマネジャー、ペン・タオ氏や宝瑞通典当行の代理人の話を引用して伝えたところによれば、不動産の購入者は短期融資の担保としてマンションを質屋に入れている。質屋の金利設定は銀行より割高なものの、銀行より手っ取り早く資金を手にすることができるのがミソ。
リ氏という男性(45歳)は同紙の取材で、130平方メートルのマンションを購入するため、90平方メートルのマンションを質草にして50万元(約680万円)を借りたと語った。年内に購入しないと、不動産取引税を7万1500元余計に支払わなければならなくなるからだ。
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920010&sid=ab9Ac7U07HOY
●中国資産市場は「ねずみ講」、1年半後に崩壊も-謝国忠氏 2009年12月18日(ブルームバーグ):
米モルガン・スタンレーのアジア担当エコノミストを務めた謝国忠(アンディ・シエ)氏は18日、中国の不動産および株式市場が「バブル」の状態にあるとした上で、2011年にインフレが加速した段階で崩壊するとの見通しを明らかにした。
同氏は香港で行ったブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、「中国の資産市場はねずみ講まがいの代物だ」と発言。「不動産は大掛かりなバブル崩壊に向かっており、それは1年半後に起きるだろう。グリーンスパン氏のバブルほど華々しくはないが、インフレとともに終わりを迎えるだろう」と語った。グリーンスパン氏は米連邦準備制度理事会(FRB)の前議長。
中国政府による4兆元(約52兆円)規模の景気刺激策と記録的な融資を背景に、中国の住宅価格は11月の上昇率が08年7月以来最高となった。上海総合株価指数は年初来で75%上昇し、MSCI中国指数採用の不動産株15銘柄は平均で2倍に値上がりしている。
謝氏はインタビューで、人民元建ての中国株は今後3-4年にわたり「苦戦」する可能性があり、その後銀行融資の再開を背景に反騰し、09年の高値を超えてくると予測。香港株も約3割「過大評価」だと述べ、FRBによる刺激策解除の可能性を織り込みながら向こう4-5カ月に「大きな調整」に直面する可能性があるとの見方も示した。
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=infoseek_jp&sid=aJCvf.kCWtgw
●中国、住宅取引減税を年内廃止 バブル退治で駆け込み登録 北京 登記所大にぎわい 2009年12月19日 西日本新聞
【北京・椛島滋】中国政府が金融危機対策で実施していた景気刺激策のうち、不動産バブルを退治するため、住宅取引にかかる減税措置を年内で打ち切ることを受け、駆け込み的に住宅を売買する動きが目立っている。12月中旬の北京市の住宅取引件数は1日平均約1300件で、今年初めの約6倍。同市内の不動産登記所は、受付時間を延長し対応しているが、100万円以上の節税が可能な優遇措置を受けようと、殺気立つ市民であふれ返っている。
年内で打ち切られる減税措置は、住宅売買時に課税される「営業税」。もともと「5年以上の保有物件」は非課税だったが、景気刺激策では「2年以上の保有物件」にまで非課税対象を拡大、比較的新しい中古住宅を売買しやすくした。
このため、住宅市場は活性化したが、11月の国内主要都市の平均住宅価格は前年同月比5・7%上昇し、2007年10月以来の上昇率。今月16日発表の中国人民銀行の調査でも、都市部住民の67%が「今の住宅価格は高すぎる」と回答した。
特に、北京は投機的な動きが目立ち、中古住宅の成約件数は、11月が前月比80%増。平均成約価格も、市西部では7月と比べ52%上昇した。
このため、不動産バブルの懸念を強めた中国政府が今月9日、来年1月からは非課税対象を「5年以上」に戻すと決定。新聞各紙も「最終列車が発車へ」との見出しで書き立て、駆け込み的な売買に拍車がかかった。
北京市内の不動産登記所は、今月中旬から週末も受け付け業務を開始、市民の対応をしている。しかし、中国では売り手と買い手、さらに仲介業者が一組になって申請するため、待合室は大混雑。住み替え用の住宅を約200万元(約2600万円)で買った同市内の公務員(47)は「年内ならば11万元(約143万円)の節税になるから急いで買った」と、登記を済ませてホッとした表情だった。
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/141647
【私のコメント】
先日、観光旅行で上海・杭州・蘇州を訪問した。ガイドに上海の住宅事情を聞くと、100平方メートルの集合住宅の値段が五千万円だという。これは東京二十三区の非都心部に匹敵するか、あるいは上回る価格である。一人ではとても支払えないので、夫婦共働きでローンを支払うのだとか。共働きでも、上海市民の平均年収を考えると厳しい返済事情になることは想像に難くない。
このような価格は間違いなくバブルである。そして、バブルはいつの日か必ず弾け、後に巨額の不良債権を残すことになる。投機狙いでマンションを買い漁った中国人資産家たちの多くが破産することだろう。それは、間違いなく中国経済の成長鈍化と失業増加をもたらし、政権を揺るがすことになる筈だ。そして、北京での優遇税制の駆け込み適用狙いの質草の急増との報道は、このバブルの崩壊の兆しを表しているようにも思われる。
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【北京=矢板明夫】中国の政府系シンクタンク、中国社会科学院は7日に発表した2010年の「経済青書」で、「中国の不動産価格はすでに合理的な域を越えており、中国の約85%の家庭は住宅を買う能力がない」と指摘。「開発業者による不当な利益追求を容認してきた地方政府にも原因がある」と、政府系機関としては珍しく政府を批判した。
同青書によると、国際基準では住宅価格は家庭年収の3倍から6倍が一般的とされるが、中国の住宅価格はすでに都市部住民家庭の平均年収の8倍を超えている。農民工(出稼ぎ労働者)の場合は、20倍を超えるとし、「高い不動産価格は、農民の都市部への進出を制限し、中国の都市化を遅らせる原因になっている」という。
北京や上海などの大都市では、今年夏以後、面積100平方メートル前後の住宅が500万元(約6500万円)以上で取引されるケースも多くあるが、購入する人のほとんどは値上がり後の転売を目的にしており、入居者のいない空室が目立っている。
その一方で、住宅を購入できないため結婚を延期せざるを得ない若者も多く、社会問題となっている。
同青書は、価格の安い公的住宅の建設を増やすほか、不動産の売買が金持ちのマネーゲームの対象となるのを防止するため、不動産投資に対する規制を強化するよう提案している。
http://sankei.jp.msn.com/world/china/091208/chn0912080948001-n1.htm
●資産市場バブル化 中国経済、第二のドバイか 大紀元日本 2009年12月10日
華美な贅沢、レバレッジの濫用。砂上に築いた栄華を極めた経済は、実は幻に過ぎない。ドバイ危機が世界を驚かせたが、今、世界は、中国の経済情勢にますます注目を集めるようになっている。過剰な自信と資産のバブル化で、中国経済はドバイ危機の状態に直入しつつあるとの心配が業界で広がっている。中国の経済学者は、中国の資産バブルが崩壊したら、世界的な経済危機を引き起こすと警告している。
ブルームバーグ7日付けの記事によると、ドバイの債務問題は、中国への警鐘と見なすべきである。中国政府による4兆元(約52兆円)の経済振興方策の打ち出しと低利率は、株式市場と不動産市場の価格を急騰させ、バブル経済の兆しがますます明確になってきた。振興方策の実施はアメリカ国内市場の消費需要が回復するまで踏ん張れると中国政府は考えていたが、中国の輸出市場は全世界の需要に頼っているため、アメリカ国内市場の消費需要回復だけでは中国の輸出市場を完全に回復させることは無理だ。
世界最大の債権基金の経理にあたる、太平洋投資管理会社(PIMCO)の最高経営責任者(CEO)、ビル・グロース氏は、中国の貿易パートナーの消費不振について、「最終消費者が見つからない輸出に力を入れている。これが中国の問題の核心」とブルームバーグに語った。同氏は、中国は半年内に、資産バブルが生じやすい緩やかな貨幣政策を、放棄すると見込んでいる。
香港在住の著名な中国経済学者・郎咸平(ラン・シャンピン)氏は6日、「中国資産市場に形成されたバブルが、世界の注目を集めている。一旦バブルが崩壊すると、2010年の世界経済危機を引き起こしかねない。今年上半期に大量の信用資金が流れ込んだが、これは他ならぬ、資産バブルを来たす第一歩であり、これから状況は悪化する一方になるだろう」と警告した。
北京、上海、広州、深センの四都市に関する同氏の研究によると、最近数ヶ月、中国の主な購買力の指標となる、中高レベルのオフィスビルの家賃が下落し続けており、需要が落ち込んでいるにもかかわらず、四都市の不動産価格は上昇し続けている。資金の注入がきたした人工的な現象である。
同氏は、「投資環境の悪化と生産能力の過剰で、多くの企業家は資金を企業から不動産市場に移し、さらに不動産価格の高騰に拍車をかけた。現在は大量のバブルが形成されているところで、政府が適切な政策を打たないと、将来重大な結果を引き起こすに違いない」と懸念を示した。
http://www.epochtimes.jp/jp/2009/12/html/d58533.html
●不動産バブル再燃に政府がブレーキ 政府系機関紙:「崩壊は間もなく」=中国 大紀元日本 2009年12月17日
北京、上海、深センなど一部の中国大都市では最近、不動産価格が急激に上昇している。不動産バブルの再燃が懸念される中、国務院は14日、常務会議を開き、一部の都市の不動産価格の急激な上昇を抑制する措置を異例に発表した。一方、政府機関紙「中国青年報」は、高騰する不動産価格は中国経済のキラーとなり、不動産バブルは崩壊する危機が迫っていると警告している。
温家宝総理が招集した14日の会議では、一部の都市の不動産価格の急激な上昇を抑制するよう強調された。不動産政策の持続性と安定性を維持すると同時に、保障性住宅の建設を加速することや、市場の監督管理を強化すること及び市場予想を安定させることも指摘された。
09年中国不動産市場の価格上昇は、国民が最も注目する話題となっている。ウォール・ストリート・ジャーナルによると、中国政府は現在、不動産市場の過熱に対して不安と憂慮を日増しに高めている。株式市場の資産バブル問題に加え、不動産バブルの問題は社会の安定まで脅しているという。
同紙中国語版は最近、「中国不動産市場は非理性な繁盛に陥っている」と題する記事を発表。金融危機以来、中国の不動産市場は、常識を超える繁盛を見せているが、その非理性な繁盛が続ければ続くほどバブル崩壊の結果が心配されるとの観点を示す。
一方、政府機関紙「中国青年報」は14日、「不動産の高価格は経済のキラーに、バブル崩壊も近接」と報道、不動産バブル崩壊の危機を警告している。
「中国青年報」の報道によると、中国の大都市の不動産価格は、先進諸国と同程度またはそれより高い水準に達しているが、現地住民の収入は先進諸国の10分の1にも満たない。中国の不動産市場のバブル化は顕著となり、間もなく崩壊する危機が迫っているという。
中国国家統計局が最近発表したデータによると、今年1~11月の住宅やオフィスビル向けの土地や建物など不動産投資総額は1271億人民元(約1兆6500億円)で、前年同期と比べて17・8%増えたという。
一方、不動産市場価格の上昇に反して、一般国民の収入はあまり増えていない。中国中央銀行のアンケートの結果、国民の収入に対する満足度、消費意欲、ならびに不動産価格に対する満足度が非常に低かったが、同時に、不動産を購入する意欲が高まっていることがわかった。現在の収入では高額な住宅ローンを返済できる保障はないにもかかわらず、不動産を購入することを考えている人が多くいるようである。
http://www.epochtimes.jp/jp/2009/12/html/d93486.html
●北京でマンションの質草が急増、優遇税制の駆け込み適用狙い-中国日報 2009年12月18日ブルームバーグ
中国日報によれば、北京で自分のマンションを質草に現金を借り入れる住民が急増している。優遇税制が打ち切られる今年末までに不動産の新規購入資金を手当てしようとする人が増えているためという。
中国日報が貨夏典当行のマネジャー、ペン・タオ氏や宝瑞通典当行の代理人の話を引用して伝えたところによれば、不動産の購入者は短期融資の担保としてマンションを質屋に入れている。質屋の金利設定は銀行より割高なものの、銀行より手っ取り早く資金を手にすることができるのがミソ。
リ氏という男性(45歳)は同紙の取材で、130平方メートルのマンションを購入するため、90平方メートルのマンションを質草にして50万元(約680万円)を借りたと語った。年内に購入しないと、不動産取引税を7万1500元余計に支払わなければならなくなるからだ。
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920010&sid=ab9Ac7U07HOY
●中国資産市場は「ねずみ講」、1年半後に崩壊も-謝国忠氏 2009年12月18日(ブルームバーグ):
米モルガン・スタンレーのアジア担当エコノミストを務めた謝国忠(アンディ・シエ)氏は18日、中国の不動産および株式市場が「バブル」の状態にあるとした上で、2011年にインフレが加速した段階で崩壊するとの見通しを明らかにした。
同氏は香港で行ったブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、「中国の資産市場はねずみ講まがいの代物だ」と発言。「不動産は大掛かりなバブル崩壊に向かっており、それは1年半後に起きるだろう。グリーンスパン氏のバブルほど華々しくはないが、インフレとともに終わりを迎えるだろう」と語った。グリーンスパン氏は米連邦準備制度理事会(FRB)の前議長。
中国政府による4兆元(約52兆円)規模の景気刺激策と記録的な融資を背景に、中国の住宅価格は11月の上昇率が08年7月以来最高となった。上海総合株価指数は年初来で75%上昇し、MSCI中国指数採用の不動産株15銘柄は平均で2倍に値上がりしている。
謝氏はインタビューで、人民元建ての中国株は今後3-4年にわたり「苦戦」する可能性があり、その後銀行融資の再開を背景に反騰し、09年の高値を超えてくると予測。香港株も約3割「過大評価」だと述べ、FRBによる刺激策解除の可能性を織り込みながら向こう4-5カ月に「大きな調整」に直面する可能性があるとの見方も示した。
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=infoseek_jp&sid=aJCvf.kCWtgw
●中国、住宅取引減税を年内廃止 バブル退治で駆け込み登録 北京 登記所大にぎわい 2009年12月19日 西日本新聞
【北京・椛島滋】中国政府が金融危機対策で実施していた景気刺激策のうち、不動産バブルを退治するため、住宅取引にかかる減税措置を年内で打ち切ることを受け、駆け込み的に住宅を売買する動きが目立っている。12月中旬の北京市の住宅取引件数は1日平均約1300件で、今年初めの約6倍。同市内の不動産登記所は、受付時間を延長し対応しているが、100万円以上の節税が可能な優遇措置を受けようと、殺気立つ市民であふれ返っている。
年内で打ち切られる減税措置は、住宅売買時に課税される「営業税」。もともと「5年以上の保有物件」は非課税だったが、景気刺激策では「2年以上の保有物件」にまで非課税対象を拡大、比較的新しい中古住宅を売買しやすくした。
このため、住宅市場は活性化したが、11月の国内主要都市の平均住宅価格は前年同月比5・7%上昇し、2007年10月以来の上昇率。今月16日発表の中国人民銀行の調査でも、都市部住民の67%が「今の住宅価格は高すぎる」と回答した。
特に、北京は投機的な動きが目立ち、中古住宅の成約件数は、11月が前月比80%増。平均成約価格も、市西部では7月と比べ52%上昇した。
このため、不動産バブルの懸念を強めた中国政府が今月9日、来年1月からは非課税対象を「5年以上」に戻すと決定。新聞各紙も「最終列車が発車へ」との見出しで書き立て、駆け込み的な売買に拍車がかかった。
北京市内の不動産登記所は、今月中旬から週末も受け付け業務を開始、市民の対応をしている。しかし、中国では売り手と買い手、さらに仲介業者が一組になって申請するため、待合室は大混雑。住み替え用の住宅を約200万元(約2600万円)で買った同市内の公務員(47)は「年内ならば11万元(約143万円)の節税になるから急いで買った」と、登記を済ませてホッとした表情だった。
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/141647
【私のコメント】
先日、観光旅行で上海・杭州・蘇州を訪問した。ガイドに上海の住宅事情を聞くと、100平方メートルの集合住宅の値段が五千万円だという。これは東京二十三区の非都心部に匹敵するか、あるいは上回る価格である。一人ではとても支払えないので、夫婦共働きでローンを支払うのだとか。共働きでも、上海市民の平均年収を考えると厳しい返済事情になることは想像に難くない。
このような価格は間違いなくバブルである。そして、バブルはいつの日か必ず弾け、後に巨額の不良債権を残すことになる。投機狙いでマンションを買い漁った中国人資産家たちの多くが破産することだろう。それは、間違いなく中国経済の成長鈍化と失業増加をもたらし、政権を揺るがすことになる筈だ。そして、北京での優遇税制の駆け込み適用狙いの質草の急増との報道は、このバブルの崩壊の兆しを表しているようにも思われる。
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