国際情勢の分析と予測

地政学・歴史・地理・経済などの切り口から国際情勢を分析・予測。シャンティ・フーラによる記事の引用・転載は禁止。

天皇特例会見問題

2009年12月17日 | 中国
●小沢氏記者会見 不穏当きわまる辞表提出発言 2009年12月16日 読売新聞

 小沢民主党幹事長が、天皇陛下と習近平・中国国家副主席との会見問題で、羽毛田信吾宮内庁長官を厳しく批判した。

 天皇と外国要人との会見は、天皇陛下の健康上の理由から、過密日程を避けるため、1か月前までに宮内庁に申し入れるという慣行がある。

 鳩山首相が今回、その特例として会見を実現したことは、何の問題もないと、小沢氏は記者会見で訴えようとしたのだろう。

 小沢氏は、1か月ルールについて「宮内庁の役人が作ったから金科玉条で絶対だなんてばかな話があるか」と断じた。今回の経緯を公表した羽毛田氏について「どうしても反対なら辞表を提出した後に言うべきだ」と強調した。

 職責を果たそうとする官僚を頭ごなしに非難すれば、官僚の使命感や意欲はそがれてしまう。極めて不穏当な発言だ。羽毛田氏が「辞めるつもりはない」と辞任を否定したのは当然のことだ。

 問題は、それだけではない。

 小沢氏は「天皇陛下の国事行為は内閣の助言と承認で行われる」と憲法を持ち出し、天皇の政治利用にはあたらないと反論した。

 外国要人との会見は、国会の召集など憲法に定められた国事行為そのものではなく、これに準じた「公的行為」とされる。

 無論、公的行為も内閣が責任を負うわけだが、問題の本質は、国民統合の象徴である天皇の行為に政治的中立を疑わせることがあってはならないということだ。

 小沢氏は、「天皇陛下ご自身に聞いてみたら『会いましょう』と必ずおっしゃると思う」とも語った。天皇の判断に言及することも不見識と言わざるを得ない。

 小沢氏は、政府に会見の実現を求めた事実はないと否定したが、崔天凱・駐日中国大使から要請を受けながら、全く働きかけをしなかったのだろうか。

 首相の対応にも疑問がある。

 首相は、特例的に会見を実現するよう指示したのは「大事な方」だからとした。今後の日中関係や習副主席が「次代のリーダー」とされていることを踏まえれば、そうした判断もありえよう。

 しかし、会見のルールが、これを機に破られることになれば、「政治的重要性」で要人の扱いに差をつけることになり、天皇の政治利用につながる、という宮内庁側の憂慮もうなずける。

 首相や平野官房長官は「政治と天皇」のあり方について基本的な理解を欠いていたのではないか。政治主導をはき違えては困る。
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20091215-OYT1T01450.htm?from=y10





●宮内庁、外務省…広がる懸念 「亡国」批判も 天皇特例会見問題  2009.12.15 産経新聞 

このニュースのトピックス:民主党

厳しい表情で記者の質問を聞く民主党の小沢幹事長=14日午後、東京・永田町の党本部 民主党の小沢一郎幹事長は14日の記者会見で、羽毛田信吾宮内庁長官に辞任を迫るという激しい反発をみせた。宮内庁だけでなく、外務省にも今回の決定への強い懸念が広がる中で小沢氏が、異論を封じ込めようと、強気の姿勢を示したようだ。

 複数の日中関係筋の証言によると、鳩山政権は、中国側の度重なる申し入れに逡巡(しゅんじゅん)し、それでも抵抗できなかった。こうした対応に外務省関係者からは「外交では筋を通してほしい」、宮内庁幹部からも「問題を安易に考えている」と強い批判が出てきた。

 実は、政府は11月30日、正式に中国側に「会見は無理」と通告した。「1カ月ルール」と、75歳と高齢の陛下のご健康が万全とまではいえないことが理由だった。
 ところが、駐日大使館を中心とする中国側の巻き返しが始まる。政府・民主党だけでなく、野党・自民党の中曽根康弘元首相ら中国とパイプの太い政治家らにも「なりふり構わず」(外交筋)働きかけた。

 「日本が一度断れば、中国が必死に動いてくることは分かっていたことだ。なのに、鳩山政権は中国側の動きに動揺してしまった」

 別の外交筋はこう解説する。中曽根氏ら自民党の政治家は「われわれが『ルール破りはダメです』と説明したら理解してくれたが、民主党側は、まるで中国の走狗(そうく)となった」という。

 平野博文官房長官は12月9日、首相官邸を訪ねて重ねて会見実現を求めた中国の崔天凱大使に「陛下の体もあって大変厳しい」と明言を避けていた。だが、翌10日には小沢氏ら民主党議員143人の訪中団出発が控えており、結局、同日中に宮内庁長官に2回目となる指示を出し、宮内庁を押し切った。

 「官房長官から内閣府の外局である宮内庁の長官へという指揮命令系統を使ったということは、実質的に陛下に直接指示するのと同じだ」

 宮内庁幹部はこう指摘する。また外務省幹部の一人は、一連の政府・民主党の動きをこう言い切った。

 「亡国政権。小沢氏の意向が背後にあるのだろう」

 外交当局が、ときの政権を「中国の走狗」「亡国政権」とまで形容するのは極めて異例だ。

 一方、政府筋は14日、「前政権のルールは知らないし、報道に違和感を持っている」と語った。陛下の政治利用の重大性や外交の継続性は見えなくなっているようだ。(阿比留瑠比)
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/091215/plc0912150007001-n1.htm





●会見要請、当初通常使われない交渉ルートで 2009年12月16日 読売新聞
 天皇陛下と中国の習近平国家副主席との会見が特例的に行われた問題で、当初の会見要請が、外務省の中国担当部局から宮内庁という、通常使われない交渉ルートで行われていたことが分かった。


 今回の問題で同庁の羽毛田(はけた)信吾長官は、外務省から最初に会見申請があったのは11月26日と説明。だが、外務省で調べたところ、7日前の同19日、中国政府から同省に「12月14日来日」の日程が非公式に伝えられ、同日中に同庁に会見実現を打診したという。同省によると、この際、中国政府からは「内政上の理由で遅れた」と説明があったという。

 19日でも来日予定の1か月前を過ぎており、同省も当初から「例外扱い」を前提に会見の可否を打診。しかも、通常ルートである皇室担当の同省儀典官室経由ではなく、同省中国・モンゴル課から同庁という、異例ともいえるルートで交渉が行われていた。結局、同庁から「ルールに照らして応じられない」と断りがあり、同省は同30日、正式に「会見は無理」と中国側に伝えていた。

 宮内庁幹部は、「外務省から期限を過ぎた要請が届いたこと自体も異例だ」と話している。
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20091216-OYT1T00091.htm




●特例会見問題 「国事行為」ではなく「公的行為」 必要ない内閣の助言 2009年12月16日 産経新聞


拡大写真
どっちが首相? 小沢一郎幹事長(右)と鳩山由紀夫首相(写真:産経新聞)
 民主党の小沢一郎幹事長が、天皇陛下と中国の習近平国家副主席との特例会見について、憲法の定める天皇の「国事行為」と断じた発言が注目を集めている。14日の記者会見での「会見は政治利用ではないか」との質問に対し、国事行為をよく把握しないまま「マスコミの理解がおかしい」と決めつけたものだ。護憲派の共産党の志位和夫委員長は15日、記者団に「外国賓客と天皇との会見は国事行為ではない。小沢さんこそ憲法をよく読むべきだ」と小沢氏をさとしてみせた。

  [表でチェック] 11月19日に動き出した…「特例会見」までの経緯

 「陛下の行為は、国民が選んだ内閣の助言と承認で行われるんだ、すべて」

 小沢氏は14日の記者会見でこう明快に主張した。

 憲法は天皇が行う国事行為として、国会召集や衆院解散などを列挙している。外交文書の認証や外国大使・公使の接受も含まれるが、実は外国賓客との会見は国事行為ではなくもっと天皇の意思を反映した「公的行為」に分類される。

 公的行為は、国事行為ではなく純然たる私的行為でもない国の象徴としての公的な活動と解釈される。(1)国政に影響を及ぼさないこと(2)天皇の意思が大きな意味を持つ-の2点を要点としており、具体的には国際親善活動のほか、全国植樹祭や戦没者追悼式へのご出席などが該当する。

 これは、小沢氏がいう「内閣の助言と承認」は必要としない。また、国事行為の場合は天皇に拒否権はないが、公的行為は憲法上の規定はなく、必ずしもその限りではない。

 皇室関係法令に詳しい大原康男国学院大教授は「小沢氏は国事行為をよく理解せずに質問者を恫喝(どうかつ)しているようだ。天皇は政権のいうことを聞けばいいと言っているようにも聞こえる。いずれにしろ不勉強であり、政治利用そのものの発言だ」と語る。(宮下日出男)

 ■14日の小沢氏発言

 (天皇陛下の外国要人との会見は1カ月前に文書で正式に要請する)30日ルールって誰が作ったの?

 内閣の一役人(羽毛田(はけた)信吾宮内庁長官)が内閣の方針にどうだこうだと言ったそうだが、反対なら辞表を提出した後に言うべきだ。

 国事行為は「内閣の助言と承認」で行われるのが憲法の本旨で、それを政治利用と言ったら陛下は何もできない。

 陛下の体調がすぐれないなら優位性の低い(他の)行事はお休みになればいいことだ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091216-00000060-san-pol





●天皇特例会見 ノーコメント多数…擁護発言も  2009年12月16日 東京新聞

 天皇陛下と習近平・中国国家副主席の特例会見をめぐり、民主党の各閣僚は十五日の記者会見で、明確なコメントを避ける場面が目立った。天皇の政治利用との懸念を示した羽毛田信吾宮内庁長官への批判も出るなど、民主党の小沢一郎幹事長への“遠慮”がにじんだ格好だ。

 平野博文官房長官は「今回の件が、政治主導かどうかということではないと思う」と述べた上で、小沢氏の発言については「コメントする立場にない」。藤井裕久財務相は「特に申し上げることはない」とだけ述べた。

 長妻昭厚生労働相も、小沢氏や羽毛田氏の主張について「具体的背景や、発言の前提になる情報を承知していない」と、無難な発言に終始した。

 一方、前原誠司国土交通相は、陛下との会見は一カ月以上前に文書で申請するルールについて「政権交代が行われたので、もう一度議論した方がいい」と指摘。原口一博総務相は「陛下を政治利用するなんて考える人は内閣に一人もいない。そのような発言が、政府を構成する者から出たのが事実なら重大な関心を持って調べたい」と、小沢氏を援護射撃した。

 もっとも、民主党内には、特例会見は政治利用に当たるとして問題視する空気もある。各閣僚は、首相官邸に足並みをそろえたようだが、党内からは「だれも何も言わないのは小沢氏が怖いからだ」との声も漏れている。

 当の小沢氏は依然強気の様子。十五日、都内で開かれた自身の政治資金パーティーであいさつし、出席者によると小沢氏は「自分の信念は間違っていない。(羽毛田氏らは)政権交代して政治主導になったのに、頭が切り替わっていない」と強調したという。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2009121602000076.html







●天皇陛下を中国共産党に差し出した「小沢天皇」の傲岸 ソース:週刊新潮 12月24日号 29頁

「8日ごろまでは鳩山総理自身も"実現は無理だろうな"という感触だったと見られます。
その証拠に、9日午前崔天凱・駐日中国大使に会った平野官房長官は"実現は難しい"旨伝えており、
それは中国本国にも通達されています」と話す官邸関係者によれば、
こうした動きがあった8、9日頃、膠着していた情勢が"急変"したという。

契機となったのは、小沢氏の行動。鳩山総理に直接電話を入れ、
「何をやっとるのか」「ゴチャゴチャやっとらんで早くせい」

そう"恫喝"したのだ。
「この電話に震え上がった鳩山総理は平野氏に宮内庁への再度の依頼を指示。
それが10日の平野氏と 羽毛田氏のやり取りに繋がったのです」(官邸関係者)

平野氏がそこで語った「総理の指示で」との言葉。
その背景には小沢氏の"恫喝"があったのである。
http://tsushima.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1261036723/1






●天皇会見いったん見送り容認  「健康配慮なら」と中国側 2009年12月18日 岩手日報

 天皇陛下と習近平・中国国家副主席の特例会見をめぐり、会見が正式に設定される2日前の今月9日ごろ、中国高官が「陛下のご健康に配慮し会見を見送るなら、やむを得ない」と日本側に伝えていたことが17日、分かった。複数の中国関係者が明らかにした。

 11月下旬から特例会見を求め続けてきた中国側が、交渉終盤で見送り容認姿勢を示していたことが判明したのは初めて。10日からの訪中を控えた小沢一郎民主党幹事長の意向を受け、首相官邸による政治判断で方針転換し、特例会見が実現した実態が裏付けられた。

 中国筋によると、この中国政府高官は9日ごろ、日本側と中国国内で協議。日本側が「陛下はご高齢であり、健康状態を勘案してほしい」と説明したところ、高官は「そういう話なら会見見送りは理解できる。共産党指導部を説得できる」と受け入れた。

 中国側は同時に、宮内庁の「1カ月ルール」を守らなかった事実を認める一方で「前向きな対応を求めたい」と主張。「1カ月ルール」を理由とした会見見送りには難色を示したという。

 この中国高官は日本大使館勤務を重ねた日本通として知られる。
http://www.iwate-np.co.jp/newspack/cgi-bin/newspack_s.cgi?s_politics_l+CN2009121701000876_1






【私のコメント】
天皇特例会見問題で小沢一郎民主党幹事長への批判が高まっている。私も小沢氏の発言や行動は非常に問題があるとの立場である。特に、「陛下の体調がすぐれないなら優位性の低い(他の)行事はお休みになればいいことだ。」「誰が作ったか調べてからもう一回、質問して下さい。ルールを無視していいといっているわけじゃないよ。宮内庁の役人が作ったから、金科玉条で絶対というそんなバカな話があるかっていうんですよ。天皇陛下ご自身に聞いてみたら『手違いで遅れたかもしれないけれども会いましょう』と必ずおっしゃると思うよ」との発言は、一政党の幹事長の立場で天皇に命令を下し、陛下の意志を勝手に決め付けるものであって、言語道断である。彼はこの発言で事実上政治生命を失ったと言っても良いだろう。

前原誠司国土交通相は、陛下との会見は一カ月以上前に文書で申請するルールについて「政権交代が行われたので、もう一度議論した方がいい」と主張しているが、私はこの主張にも反対である。天皇を一人の人間としてみたとき、75才と高齢で、しかも癌の手術後で体力が落ちている状態であるというのが基本認識であろう。その様な人が職務を制限されると言うのは健康管理の点から見て全く正当なことである。1ヶ月以上前に申し込むべきという制限を加えることで、陛下との会見希望の頻度を制限できるからである。そもそも、1ヶ月以内に訪日する外国政府要人は日本に緊急の用事があるから来るのであり、その様な人物は用事を済ませたら本国に帰国して貰えばよい。どうしても天皇陛下との会見を希望するのなら、再度訪日するか、あるいは訪日日程を延期すればよいだけである。習近平・中国国家副主席も、訪日日程を変更すれば何の問題もなかったのだ。

政治家は体調に関わらず全力で働いているのだから、天皇陛下も多少の無理はしてもらうべきという批判もあるかもしれない。しかし、政治家は基本的に使い捨てなのに対し、天皇陛下には数十年の在位期間に渡って国事行為等の公務を実行していただく必要があり、その健康管理が政治家とは異なるべきである。その点で羽毛田宮内庁長官の発言は全く正当である。

中国政府としては、1ヶ月ルールを破らせることで中国の国威を日本に見せつけるとの意図があったのではないかと思われる。今後も、中国政府要人の訪日では同様のルール破りが繰り返されることだろう。それに対して、日本政府は今後どう対応すればよいのか?今回の事件は今後に禍根を残す事になりそうだ。







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10 コメント

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中曽根は (アンドロメダる)
2009-12-17 20:18:16
中曽根も働きかけたらしいし、公明党は政治利用ではないと発表した。羽毛田長官は結果的に反対していない。総理大臣の命令に従っただけ。小沢は反対なら辞表出してからといえというのだが、反対でないので辞表出す必要なし。小沢は天皇に命令する権限を持たないので、何をわめいても関係なし。記者との火遊びに過ぎず、産経新聞も石破も安倍も、官僚の手助けがないとチンピラボンボンを露呈しただけ。
かくて、政治利用問題は沈静化・・・
と思う。
返信する
Unknown (Unknown)
2009-12-18 01:36:49
しかし、それでも国民に、政府と小沢氏には天皇・皇室にこれ以上近づいてもらいたくないという意識を植え付けたとは大いなる収穫だと思います。

韓国政府は、来年の日韓併合100年の節目に、天皇の訪韓による日韓関係の転換を狙っている様で、この芽を摘めたのではないでしょうか。

また、習近平と上海閥に中国国内の権力闘争において恩を売った上で、上海閥の協力の下、今後は中国要人が天皇との会見に臨む際には、以前のように尊大ではなく、礼儀に気をつけなければならないという構図を作り出す事が目的であった様にも見えなくもないです。
だとすれば、日中関係も戦後が終わろうとしている事を暗示しているのかも知れません。


返信する
修正します (Unknown)
2009-12-18 01:44:29
「天皇との会見に臨む際には、以前のように尊大ではなく」は飛躍しすぎました。

その部分はカットして読んでください。
返信する
問題 (kenji)
2009-12-18 20:46:35
今回の事件は小沢氏の政治生命を失わせた。
似たような事件は前にもあった。それは中曽根氏の靖国参拝の時に中共の胡耀邦総書記の立場が悪くなるからとて、止めた。その結果は説明の必要はない。
 今回中曽根氏が同じことをしたなら、懲りない事にあるが。どうにもわが国は支那という国(?)がわからにようである。
 彼等は約束を交渉できめて、守るということはしない。
それは論争をすると、よく分かる。

今回の問題は極めて重要である。それは憲法上の天皇と、それ以外の天皇との誤差が表に現れたという事である。
 憲法による天皇の行為は内閣の助言んと承認によるという曖昧な表現であるが,これは憲法を天皇の上におくということである。
 従がって小沢氏の<憲法を読みなさい>と言う言葉は正しい。
これはごく普通の日本人は納得がいかないだろう。
これが納得いかないということは憲法及び議会政治が身についていないことである。
 一番の問題は皇位の問題である。皇位というのは国が決めることができるか。つまり皇室典範で決める事は正しいかである。
憲法から見た天皇はそれによって決められる。そして法律は議会で決められるから、国民から選ばれた議員が国会で決めれば、それによって決められるから、女系天皇でも良いと決められれば憲法体制から言えば、誰も文句はいえない。
 然しそれは日本人は納得いかないだろう。
 
では天皇家から見れば、どのように見えるか。私は崩御された昭和天皇は皇室に対して極めて厳しい見方をされていたと推測している。
明治以降は皇室典範で決められたが、それ以前は皇室典範とは全く異なっている。
 結論から言うと皇室典範によって皇位を決めることは、皇室が滅びることが内在している。しかも華族制度をなくし、さらに宮家をなくしたことは、最早皇室典範による皇位は永続性がないということである。もし皇位の永続性を求めるなら、皇室典範を否定して、それ以前の皇位継承方法にかえることである。
 それは明治国家の秘密を表に出すことに成り、明治維新とは何であったかを表に出す事になる。

 次に羽毛田長官は結果として会見が生じたから、彼の主張を実現するなら、それを承認する前に、辞任して、その後何故辞任したかを国民に説明すればいい。「この点小沢氏は主張は正しい。憲法体制による、国家の役人なら。それがとるべき行動である。それ以後陛下との会見が実現しても、彼自身の責任はまとうされているから、近代の役人としては其れで、十分仕事をしたことになる。
 然し彼はそのようには考えていない。仮に軍隊で指揮官が作戦を実行しようと塩たら、邪魔した事と同じになるから、指揮官としては彼の首を切って、自らの作戦を実行しなければならない。また羽毛田長官長官は自らは誰に命令されて、その位置についているかを自覚していない。
 では皆さんに聞くが羽毛田長官長官の人事の任命権は誰が持っていると思われえるか。
 憲法上は内閣総理大事のはずだが。此処にも大きな問題がある。
 これと同じストラクチュアを持つものはわが国には多い。しかも掘り下げれば平素は問題にならないが、何か起きると大きな問題になって解決のめどすらつかない。
 ある面わが国のいろいろな問題はこれが基本形態である。
私は小沢氏はよく理解していると思っていたが異なっていたようである。彼の自意識がどのようなものかは調べる必要があるだろう。
返信する
背後関係 (面白い発想だが)
2009-12-20 02:56:26
この問題はまず習近平という人物をどう考えるかです。Wikipediaによると、

> 胡錦濤直系である中国共産主義青年団(共青団)の李克強より常務委員の序列が上であること、また、胡自身も党総書記就任までの2期10年を中央書記処書記として経験を積んだことを考えると、ポスト胡錦濤に一番近い存在といえる。また、第17期政治局常務委員で唯一軍歴がある(中央軍事委員会弁公庁秘書)。しかし、2009年9月の第17期4中全会では中国共産党中央軍事委員会副主席には選出されなかった。このポストを手に入れれば胡の後継になることが事実上確定するが、選出されなかったのは、背後で胡直系の共青団出身の李克強を推そうとする勢力と、江沢民系の上海閥と呼ばれる勢力との間で権力闘争が起きているという見方がある[2]。また、習は上海閥の流れを汲む人物であり、共青団系の勢力が躍進している現在においては党内基盤が弱くなっているという見方もある。

ほぼこれでいいでしょうか。藤原直哉は習近平が中共内の権力闘争で不利な状況であり、日本訪問で天皇を政治利用したことを皮肉たっぷりに言っています。上の事情にあるように現在では上海閥は情勢が悪いので、日本で天皇に会見して次期トップであることを内外に示したかったということになります。中共内の権力闘争だけならばともかく、この背後関係が非常に問題です。この件で、中曽根、ナベツネが小沢支持を示していることが大きなヒントになります。米国政権は上海閥の背後にいることや、習近平は世襲派である太子党の代表であることを考えると、中曽根の背後のボスが習近平を中共の次期トップに推していることになります。

最近、小沢一郎は中曽根の背後のボスとの関係を考えると、あれ?と思います。何かの「取引」の材料とされたかもしれません。連山の連中が「小沢一郎討伐令」など書いているのも興味を引きます。

もうひとつの線は現トップの胡錦涛がどうこの件を受け止めるかです。上にあるように胡錦涛は直系の李克強を推しているはずなので、自分のところに手を突っ込まれたような印象をもつでしょう。後継者問題と複雑化するようにして、上海閥と胡錦涛派の対立を複雑化するような意図があるのかもしれません。小沢訪中も共青団の招きであったことをみると、胡錦涛側からそれなりの報復があるはずです。
返信する
小沢の出自が露呈か? (不思議)
2009-12-21 00:20:55
日本民族なら当然もっている皮膚的感覚を
小沢一郎も鳩山由紀夫も平野官房長官ももっていないということがわかった。

さらに、小沢の北京シンパの次期主席候補のために、
上海閥の習近平を嵌めて、対中感情の悪化と、
習近平への評価を暴落させることになったと思われる。

要するに、天皇を利用して、もう一人の北京側の次期主席候補を浮上させることが、
英米中従属小沢一郎の今回の役割だったのではなかったか。
だが、日本人の対民主党感情を決定的に悪化させることに成功したようだ。
返信する
Unknown (たかちゃん)
2009-12-21 03:41:10
よくわからない事件でした。実は史那は日本国民の動向、心理には異常に気を使うらしい。反中感情が高まれば、媚中議員が落選しますから。で今回のことは完全に史那の負けです。習に同行した中国外交官はみな泣きそうな顔だったとか。面子のために小沢民主にねじ込んだのに、国民猛反発で面子丸つぶれですから。普天間で日米が揉めてる隙に、民主へ圧力かけるつもりだったみたいですが失敗ですな。しかし、小沢の爆走は凄い。外国人参政権も来年すぐやるみたいです。プリンス氏は韓国を油断させる罠だとしてましたが、小沢は本気みたいです。韓国のためでなく史那のために。あと民主党は戸籍まで潰す気です。犯罪者の史那挑戦人が簡単に日本人になれるようにするみたいです。どうも小沢のバックは日本弱体化と史那強化を狙うNYとLDNの奥の院なのかもしれませんね。
返信する
結果として何が残ったか (ゴメズ)
2009-12-21 13:08:35
騒動の結果として何が国民に見えたのか。

天皇の政治利用ではないと要っても国民にはそうは見えなかったでしょう。
ほとんどの国民は天皇を利用しているととらえたはずで国事行為だとか公事行為だとかいう憲法に関わる議論は一般国民にはあまり関心が無いことだと思います。

中国の要人が陛下と会見するために横車を押し小沢が便宜を図った  と。


醒めた見方をすれば 

アメリカの言うなりなら今度は中国の言うなりかよ と。

結果として国民の対中感情の悪化、陛下をないがしろにしたことに対する民主党政権に対する失望が残った。

対中感情融和には全くの逆風であったし民主党支持という面でもマイナス面がおおきい。


会談のウラにどんな事情があったかは存じませんが結果だけ見ると当事者には何もプラス面はなかったと思います。



返信する
Unknown (花音)
2009-12-21 14:40:46
ご存知だと思いますが載せさせていただきます。
中国共産党「日本解放第二期工作要綱」 3-3.招待旅行  上の接触線設置工作と並行して議員及び秘書を対象とする、我が国 への招待旅行を下の如く行う。  A.各党別の旅行団。団体の人数は固定せず、実情に応じて定める。    但し、団体構成の基準を、「党内派閥」「序列」「年齢」    「地域別」「その他」そのいずれかにおくかは慎重に検討を加    え、工作員の主導の元に、我が方に有利になる方法を採らしむ    るよう、工作せねばならない。  B.党派を超えた議員旅行団。議員の職業、当選回数、選挙区、    選挙基盤団体、出身校を子細に考慮し、多種多様の旅行団を    組織せしめる。  C.駐日大使館開設後1年以内に、全議員を最低1回、我が国へ    旅行せしめねばならない。    自民党議員中の反動極右分子で招待旅行への参加を拒む者に対    しては、費用自弁の個人旅行、議員旅行団以外の各種団体旅行    への参加等、形式の如何を問わず、我が国へ一度旅行せしめる    よう工作せねばならない。  D.旅行で入国した議員、秘書の内、必要なる者に対して、国内で    「C・H・工作」を秘密裏に行う。 http://www5f.biglobe.ne.jp/~kokumi...●inbun/S47/4708/470801Bchina.html#03 なんと田母神閣下が、あの中国共産党「日本解放第二期工作要綱」を解説 田母神塾 H21/10/31 http://www.nicovideo.jp/watch/sm86...
返信する
Unknown (Unknown)
2009-12-26 22:08:44
>彼はこの発言で事実上政治生命を失ったと言っても良いだろう

そうかねぇ・・・
返信する

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