国際情勢の分析と予測

地政学・歴史・地理・経済などの切り口から国際情勢を分析・予測。シャンティ・フーラによる記事の引用・転載は禁止。

シベリア鉄道延伸計画と日中東シナ海境界画定交渉再開が示すもの

2011年11月30日 | ロシア・北方領土
19世紀末のロンドンを本拠とする国際金融資本は、鉄道の発達でドイツやロシアなどの東欧内陸諸国が発展し世界覇権を奪取することを非常に恐れた。その恐れを率直に述べたのが地政学者マッキンダーの「東欧を制する者がハートランドを制し、ハートランドを制する者が世界島を制し、世界島を制する者が世界を制する」という言葉である。彼らはロシアやドイツを封じ込めるために、米国の国際金融資本と協力して1913年にFRBを設立して米国政府を乗っ取り、ロシアに居住するハザール系ユダヤ人と協力して1917年にロシア革命を起こしてロシアを乗っ取った。そして、アメリカとソ連の二極を支配することで間に位置する日本とドイツを押しつぶして世界支配を成し遂げたのだ。この世界支配の間、米国は日本を大陸から切り離すことを強く要求してきた。第二次大戦前には日本の中国や満州からの撤退を要求してハルノートを日本に突きつけた。日本の敗戦後は日本とソ連の関係改善を妨害し続け、北方領土2島返還での日ソ平和条約を「沖縄を返還しないぞ」と恫喝することで諦めさせた。ソ連・ロシアからの石油・天然ガスのパイプラインでの輸入は容認されず、米国海軍が支配する海路での輸入のみが認められてきた。日本をロシアから切り離して両国の発展を妨害することが国際金融資本の基本方針であったのだ。 シベリア鉄道の日本延伸計画は、日本が国際金融資本の支配から独立することを意味する。北方領土問題は解決され、安価で安定供給可能なパイプラインを通じてロシアの天然ガスと石油が日本に供給されることになる。ロシアのパイプラインが中東に延長されることで、日本は中東の石油と天然ガスに海路とパイプラインの両方からアクセスできることになる。また、シベリア鉄道の貨物輸送を通じて欧州に高速で貨物を輸送できる利益も、シベリアの鉱物資源を輸入できる利益も非常に大きい。ロシアにとっても日本との関係改善と貿易増加は巨大な利益である。国際金融資本の世界覇権崩壊後の世界は、技術力に優れ製造業を有する日独両国が、鉄道網・パイプライン網と資源と軍備を有するロシアと組んで世界覇権を握ることになる。米国の海軍力は日独が買い叩いて傭兵として用いるのが良いだろう。 . . . 本文を読む
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