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国際情勢の分析と予測

地政学・歴史・地理・経済などの切り口から国際情勢を分析・予測。シャンティ・フーラによる記事の引用・転載は禁止。

アメリカ帝国の衰亡:モンゴル帝国とアングロサクソン帝国の比較

2010年06月08日 | イスラエル・ユダヤ・国際金融資本
最近、「アメリカ帝国の衰亡」を読んだ。著者のポール・スタロビンはユダヤ系アメリカ人のジャーナリストである。この本で彼は、過去の大帝国と同様にアメリカも衰亡の道を辿りはじめたと考えており、アメリカ後の世界として、1.カオス 2.多極化する世界 3.中国の世紀 4.都市国家 5.世界文明 の5つのシナリオを挙げている。この分析は見事であり、21世紀の世界はおそらくこの5つのシナリオが組み合わさった様なものになるのではないかと思われる。アメリカ後の世界を占うにあたっては、モンゴル帝国がどの様にして衰亡し、どの様な後継国家が生まれたかが非常に参考になると思われる。北元や中央アジアのハーン国は根拠地の後継国家である。中国では元の後は漢民族の明が興ったが、その統治システムは元の影響を受けていた。また、明の後に中国を支配した清はモンゴル族の兄弟ともいうべき半牧半農の女真族であった。インドではイスラム化したモンゴル族が中央アジアから侵入してムガル帝国を建国した。西アジア~地中海地方では、こちらもモンゴル族の兄弟ともいうべきトルコ族のオスマン家が広大な帝国を打ち立てた。ロシアでは、スラブ人のモスクワ公国がモンゴルから独立して広大なロシア帝国に至っている。日本の立ち位置が米英と同じ島国であることを考えれば日本民族はアングロサクソンの兄弟とも考えられ、今後日本が中国などの東アジアを支配するという可能性は十分ありうるであろう。これは清・オスマントルコモデルである。また、アングロサクソンの支配下にある台湾が勢力を拡大して中国を支配しアングロサクソンの支配から脱するというシナリオも考えられる。これはモスクワ公国モデルである。アングロサクソンが軍事力で異教徒の住む中国に攻め入って支配するというシナリオもありうる。これはムガル帝国モデルである。更には、アングロサクソンによる軍事支配を辛うじて逃れた中国が覇権国となり世界を支配するシナリオも挙げられる。これは西欧モデルと呼べるであろう。日本にとって最も理想的な21世紀の中国の状態とはどのようなものだろうか?それは、日本による中国支配である。しかし、それは直接支配では満州族のように亡国の運命を辿る危険があり、間接支配であるべきである。その為には、中国が大きく分裂していることが必要条件になるだろう。 . . . 本文を読む
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