それはもう数えきれないほどの椿の品種が、所狭しと並ぶ椿寿庵(ちんじゅあん)。
小粋な名前とその花をひとつひとつ照らし合わせながら見ていると、とある鉢に視線が止まりました。
その一鉢に、たった一輪だけ咲いていた花。
名前を見ると「十八学士(じゅうはちがくし)」。
美しいピンクの中輪で、見た目もこんなにかわいらしい品種であるにもかかわらず、どこかお堅い名前。
台湾品種の椿で、シェポシュシーと呼ぶのだそうです。
なんともかわいらしいその花びらの表情からは、“学士”などという背筋をピンと伸ばしたストイックな雰囲気は微塵も感じられませんでした。