昨夜9月22日は中秋の名月。
古都奈良では、様々な古寺で観月会が行われました。
月見を期待して空を見上げると、なにやら雲行きが怪しくなってきましたが、世界遺産「古都奈良の文化財」の唐招提寺へと向かいました。
厚い雲間から時おり顔を覗かせる満月の明りの下、南大門から金堂を見ると、三尊揃って扉の奥から光り輝くその姿を見せていました。
夜に出会う盧舎那仏坐像、薬師如来立像、千手観音立像は、全く趣が異なり、その荘厳さに胸を打たれたのですが、とりわけ目を釘付けにされたのはやはり千手観音立像。
実際に千本作成されたという(現存は953本)この無数の手の迫力に、作者の強烈な意思の力を見せられ、ただ茫然と眺めるだけでした。
千手観音の持物(じもつ)の中には宝輪(ほうりん)ほら貝、宝弓(ほうきゅう)などが見られますが、気になったのは、髑髏杖(どくろじょう)。
短い杖に刺さった頭蓋骨のことですが、仏像には詳しくないのでその意味までは分かりません。
ただ、見入ってしまうだけなのです。