この冬、京都 特別公開として12年ぶりに一般に開かれた妙心寺 東海庵の山門。
書院を囲むように配した三つの庭は、それぞれ全く趣を異にした佇まいで非常に個性的。
書院南に位置する坪庭は通称「用の庭」。
前回紹介の「白露地(はくろじ)の庭」では、一切の虚飾を取り払った直線の砂紋が印象的でしたが、「用の庭」の砂紋は円。
坪庭の中心に位置する要石を中心に、それはまるで静かな湖面に広がる波紋か、はたまた北極星の周囲を巡る星の動きか。
“静”の白露地の庭に対して、見る者の視線と思考を回転運動へと変換させる“動”の仕掛け。
妙心寺の説明員の方が「時計と逆周りに周囲を回りながら見るのがいいみたいですよ。」と言っていましたが、確かに一直線に並んだ石の傾きを見ていると、そうして見るのがごく自然のようです。
歴史深い京都の禅寺ですが、モダンです。