GOOなMONOたち

ケータイ、音楽、PC、デジカメ。僕らの毎日を楽しく彩るGOOなMONOたちをご紹介!

祇園祭 山鉾巡行 綾傘鉾(あやがさほこ)

2010年07月24日 17時22分12秒 | 和のディテール

二連の傘が特徴的な綾傘鉾(あやがさほこ)。

四条傘鉾と同様、先導する行列の中から突然お囃子が始まります。

交差点などの広場に出ると、赤熊や鬼の面の踊り手が、棒ふり囃子や太鼓囃子を踊るのです。

さて、今年も大勢の人が繰り出した祇園祭。

特に人が密集する四条河原町の交差点で、警官を巻き込んだ観客同志の大騒ぎがはじまったのはこの後。

黒山のようだった観客の列が、その飽和点を超え、大きな亀裂が生じるのです。


祇園祭 山鉾巡行 白楽天山(はくらくてんやま)

2010年07月23日 23時19分07秒 | 和のディテール

まるで西洋絵画のような胴懸は、17世紀のベルギー製毛綴(タペストリー)。

前懸もベルギー製で、こちらは16世紀のもの。

鉾の装飾、山の絵画。

「動く美術館」と呼ばれるだけあって、その歴史的文化価値は確かに素晴らしいものばかり。

どうぞご覧くださいとばかりに、交差点の真ん中で1周、2周、3周と回って、観客達を楽しませてくれました。

祇園祭 山鉾巡行 鶏鉾(にわとりほこ)

2010年07月23日 23時12分06秒 | 和のディテール

全高25mにも及ぶ巨大な鉾の見せ場は、なんといっても辻回し。

左右への回転軸がない鉾の巨体を、力任せに無理やり方向転換させるのですから、見ている方も力が入ります。

辻回しの時になると、音頭取りは4人になり、鉾の正面前から威勢のいい掛け声とともに、曳手たちの力を合わせるタイミングを合図します。

「エンヤラヤー」の声に合わせ、音頭取りの扇子が一斉に左に向けると、鉾全体がギギーっと地面を擦らせながら回転しだします。

息の合った辻回しが綺麗に決まると、観衆からは静かなどよめきと拍手が沸き起こりました。

祇園祭 山鉾巡行 郭巨山(かっきょやま)

2010年07月22日 22時20分19秒 | 和のディテール

一般的な山の形式とは異なり、山の上に屋根を施した郭巨山(かっきょやま)。

舞台となる話はやはり中国の故事。

貧しい家に育った孝行息子の郭巨(かっきょ)が、土の中から金の斧を掘り当て、母に尽くしたという話。

郭巨山が辻を曲がろうとするちょうどその時、にわかに太陽の日差しが強烈に刺し始め、山の前方に垂らした金の紙垂(しで)に受けた日の光がきらきらときらめきだしました。

祇園祭 山鉾巡行 山伏山(やまぶしやま)

2010年07月22日 22時13分58秒 | 和のディテール

山の上に立つご神体は、強力な法力を操る山伏。

その昔、八坂の塔(法観寺 五重塔)が傾いたとき、その法力によって傾きを正したという(ホントに?)、とてつもない力を持った人物がこの山伏なのです。

中国からもたらされたという、正面・左右の水引はすっかり色褪せてはいるものの、その歴史の長さを感じさせる、素晴らしい一品でした。

祇園祭 山鉾巡行 伯牙山(はくがやま)

2010年07月22日 22時11分40秒 | 和のディテール

傍らに琴を置き、両手には斧を持った琴の名人 伯牙(はくが)。

友の訃報を聞いて、悲しみのあまりその大切な琴を打ち破ろうとする場面を表したという伯牙山(はくがやま)。

山にはこうした中国の故事・史話に基づくストーリーが数多く表現されています。

しかしそこに描かれている背景を知らずに見ているだけでは、ただの動かぬ人形劇。

祭の後、帰って調べて、初めてその意味に触れました。

祇園祭 山鉾巡行 菊水鉾(きくすいほこ)

2010年07月21日 23時50分23秒 | 和のディテール

四条河原町の交差点に、この菊水鉾が差し掛かると同時に、観客の目の前で始まったのが
お茶のお手前。

写真右手に見える天秤棒をかついだお兄ちゃんと、リヤカーを引いてきた若い衆が、路上で唐突に木製の棚をこしらえ始めたかと思うと、即席でお茶を立て始めました。

ガラスの器に入れたお茶を、一体誰に振舞っているのか分かりませんでしたが、菊水鉾が辻を曲がって目の前を通り過ぎると同時に、即席茶会はあっという間にかたづけられ、あっさりと終了しました。

祇園祭 山鉾巡行 太子山(たいしやま)

2010年07月21日 23時44分17秒 | 和のディテール

太子山(たいしやま)の太子とは、誰あろう聖徳太子のことだと分かり驚きました。

ということは、山に乗った、番傘の下に立つこの白装束の人物こそが、聖徳太子

時代考証がどこか大きくずれているようで、なにかしっくりこないのですが、お祀りする伝説の人物というのは、とかくいろいろと姿を変えるものなのでしょう。

祇園祭 山鉾巡行 四条傘鉾(しじょうかさほこ)

2010年07月20日 23時48分23秒 | 和のディテール

傘鉾の前を行く八人の子供たちが演じる棒ふりや囃子が微笑ましい四条傘鉾(しじょうかさほこ)。

ところで、大きく見上げるような高さと大きさを伴うのが鉾だと思っていたのですが、数えられるほど数少ない曳手で巡行する、この小さな山車も鉾のひとつ。決して山ではないのです。

果たして何故に

祇園祭りの長い歴史の中で、応仁の乱以来、この花傘タイプは鉾と決まっているのだそうです。

疑問は疑問として、古くからの決まりならば、そこに何も文句はないのです。

祇園祭 山鉾巡行 霰天神山(あられてんじんやま)

2010年07月20日 23時41分53秒 | 和のディテール

霰天神(あられてんじん)とは火除けの神様。

永正年間に起こった京の大火の際、突然天から降り注いだ霰と共に降りてきたのが天神像。

その神様をお祀りしたというのが、霰天神の起こりだそうです。

ところで、同じ自然現象のひとつである、雹(ひょう)はよく知っていますが、霰(あられ)が具体的にどのようなものであるのかはちょっとイメージしにくいのですが、雪と雹(ひよう)との中間の状態のもののことを霰と呼ぶそうです。

雪、霰、雹。

つまりはそういう順番だったのでした。

祇園祭 山鉾巡行 函谷鉾(かんこほこ)

2010年07月19日 11時37分38秒 | 和のディテール

中国の故事、函谷関の脱出が元になったという函谷鉾(かんこほこ)。

四条河原町の交差点で、大きな見せ場となる「辻回し」を終え、河原町通りの直進を宣言する音頭取りの掛け声が、威勢よく響き渡る場面です。

音頭と共に、大勢の曳子によって進み始めた函谷鉾ですが、横をすぎる時、「ゴトッ、ゴトッ」と鉾全体を揺らすほどの大きな音がするので、よく見ていると、鉾を操縦する車方が、前へと進む鉾車(車輪)の下に、楔(くさび)を入れて、わざと乗り上げさせているのです。

総重量12トンとも言われる鉾が乗り上げるのですから、それは大きく重い音。

鉾には舵がなく、真っ直ぐにしか進めませんから、その楔は方向を正す微調整なのですね。

祇園祭 山鉾巡行 油天神山(あぶらてんじんやま)

2010年07月19日 11時09分46秒 | 和のディテール

典型的な盆地気候の京の都。

じりじりと照りつける日差しとうだるような暑さを評して、地元の人たちは“油照り(あぶらでり)”と言うそうですが、梅雨明け一番の17日、この日の気温は朝から急上昇。

この油天神山(あぶらてんじんやま)の幟(のぼり)に書かれた“油”の文字を見た途端、ぎゅうぎゅうに密集する人だかりの中で、「…っ暑いなぁ…。」と思わず実感してしまったほど。

しかしこの山、油小路通りの天神さんのことであり、油照りの暑さとはもちろん関係はありません。

天神さんとゆかりの深い、梅の花の飾りつけが目に鮮やかでした。

祇園祭 山鉾巡行 木賊山(とくさやま)

2010年07月19日 10時39分57秒 | 和のディテール

木賊(とくさ)。

日常生活の中ではまず見慣れない言葉ですが、山に自生する硬い茎を持った植物のこと。

その木賊を老翁が鎌(かま)で刈り取る能の一場面を表現したのが、この木賊山。

静止した僅かな動きの中に、凝縮された深い世界観を表す能舞台の緊張感が漂う、厳粛な雰囲気の山です。

しかし、打って変って、山を引く若い衆たちのほころんだ笑顔が、なんとも対照的でした。

祇園祭 山鉾巡行 孟宗山(もうそうやま)

2010年07月18日 21時25分33秒 | 和のディテール

先頭を行く長刀鉾(なぎなたほこ)に続いて現れたのは、山一番くじの孟宗山(もうそうやま)。

病身の母親のために好物の筍(ためのこ)を求めて歩きまわったという中国の故事にちなんだ、親孝行の孟宗の姿を表した山。

昨年亡くなった日本画家の巨匠、平山郁夫氏の原画を元にしたという胴掛け(タペストリー)に思わず目が行きます。

平山氏独特のあの青が、赤の毛氈を背景に、強烈な印象を与えています。

祇園祭 山鉾巡行 長刀鉾(なぎなたほこ)

2010年07月18日 21時01分00秒 | 和のディテール

好天に恵まれた2010年の祇園祭。

山鉾巡行の先陣を切るのは、「くじ取らず」の長刀鉾(なぎなたほこ)。

古来より先頭を行くのは長刀鉾と決まっているため、毎年順序決めのくじ引きは免除されているという特別な鉾。

また、鉾を上正面から見下ろす稚児(ちご)たちの中でも、唯一人形ではない「生稚児(いきちご)」を乗せているのも、この長刀鉾だけ。

全32基、豪華絢爛な山と鉾は、この長刀鉾からスタートです。