海辺のねこ

どんな日もかけがえのない一日。

青々とした竹を眺めながら

2010-09-29 | 音楽
9月26日(日) 倉敷市芸文館ホールにて開催された
山部泰嗣さんの第ニ回目になるソロコンサートに行ってきました。
(前回の記事はこちら→「山部泰嗣コンサート~邦楽界のニューヒーロー達~」
今回のゲストは、こちらの方々でした。
木乃下真市さん(津軽三味線)、 石垣征山さん(尺八)、緑光(和太鼓)、中川雅子さん(舞)

太鼓の音色とともに中川雅子さんの舞から始まった今回のコンサート。
静けさと幽玄。
一気に現実ではない世界に引き込まれたような感じでした。

それから最後の曲まで、あっという間に時間が過ぎていったように思います。
花は咲きそろい、風が吹き抜け、波はくだける。
どの曲も風景が浮かんできて。
心に様々な感情が溢れ出して。
全部の曲について感じたことを綴っていたら、大変な長文になりそうなので少しだけ。


初めて聴く曲だけでなく、何度も聴いたことがある曲もとても新鮮に感じました。
コラボされる際、それぞれの魅力が引き立つようにアレンジ・演出されたのでしょうね。

「咲」
締め太鼓、ひとつ。
あんなにたくさんの音色が、あんなにたくさんの表現ができるものなのですね・・・。
目からウロコ、どころじゃなかったです。

「疾風」
いつもいつもあの速さに、あの所作に、あの音に、驚きを感じます。
大好きな曲。
今回、いつもよりさらに速かったような・・・。圧倒的な気迫に感嘆しました。

「ゆふおろし」
初めて生の尺八の音を聴いたときにも感じましたが、改めて、尺八は“風の音”だと思いました。
「ゆふおろし」を尺八とのコラボで聴けたのは、最高に幸せ。

隣で聴いていた友人がひとこと。
「尺八、吹いてみて~(吹いてみたい)!!」
あまりに感動的な場面に出合うと、自分もその世界に一歩踏み出したくなるものなんですよね。
そのお気持ち、分かります。

「いつかきっと」
優しい優しいゆるやかな時間が流れて。
心に沁み入りました。

「海流」「しぶき」
木乃下さんの演奏を、また生で聴けて大変嬉しかったです。
コラボのこの2曲、海好きの私には堪りません。
目の前に海が広がっているようでした。

「大蛇」
前回のコンサートで、緑光さんとコラボをするために作曲されたというこの曲。
その後何度もいろんな場面で耳にしましたが、今回、原点である緑光さんとの演奏が聴けて嬉しかったです。
女性らしいしなやかでやわらかな動きでありながら、心に響く強さもあって。
華やかな舞台でした。

緑光さんにとって、このコンサートが最後の舞台だったそうですね。
その場に居られたこと、生で素晴らしい演奏を聴けたことに感謝です。
本当に本当にお疲れさまでした!


舞台奥には、青々とした竹がずらりとセットしてありました。
緑の葉をたわわに茂らせた枝を力いっぱい広げ、幹は潔いほど高みに向かって伸びている。
何とも力強く真っ直ぐで、しなやかで、瑞々しい姿。
まるで、今回のコンサートを象徴しているかようでした。

本当に素晴らしい時間でした。
演奏くださった皆さま、
あの場、あの時を共有した皆さま、お仲間さんたち、
どうもありがとうございました。


この日、朝からバタバタとしていて少々疲れ気味だったのですが…。
和太鼓、尺八、津軽三味線の音色を聴いて、すっかり心は晴れました!
第三回目のコンサートが開催されますようにと願いつつ、今から楽しみに待っています。


* 魂を揺さぶられたい方、すっきりしたい方は、ぜひ生音を聴かれることをお薦め致します。

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