海辺のねこ

どんな日もかけがえのない一日。

「さくら」

2013-04-03 | 思い、想う


毎年、桜の頃に思うこと。
(あと何度、愛でることができるのだろう)
他の花たちだって同じことなのに、桜は特に―。

桜の歌が多いのも、そのどれもが心に響くのも。
多くの方たちにとって、桜は特別な花なのでしょうね。

今年の桜は何方と一緒にご覧になりましたか?
何方とご覧になる予定なのでしょう。

誰かと共に愛でる桜も、ひとり眺める桜も。
どうぞあなたの心を温めるものでありますように。




  さくら        茨木のり子

 ことしも生きて
 さくらを見ています
 ひとは生涯に
 何回ぐらいさくらをみるのかしら
 ものごころつくのが十歳ぐらいなら
 どんなに多くても七十回ぐらい
 三十回 四十回のひともざら
 なんという少なさだろう
 もっともっと多く見るような気がするのは
 祖先の視覚も
 まぎれこみ重なりあい霞だつせいでしょう
 あでやかとも妖しとも不気味とも
 捉えかねる花のいろ
 さくらふぶきの下を ふららと歩けば
 一瞬
 名僧のごとくにわかるのです
 死こそ常態
 生はいとしき蜃気楼と



ずっと繋がっている

2013-03-30 | 思い、想う

3月も残すところ、今日・明日だけになりましたね。
年度末です。
新たな旅立ちに希望や期待・緊張を抱いていらっしゃる方もおられるでしょう。

本日職場に、テニスで知り合ったお仲間さんが訪ねてくれました。
“引っ越しの挨拶に使いたい”からと、当社の「味附けのり」を買いに来られたのです。

“引っ越し”の言葉に、ピンと来ました。転勤なんですね。
初めてお会いした時から、いつかは転勤されることがわかっていましたが…、やはり淋しいものですね。

海の近くにずっと暮らし続けているご夫妻です。
彼らが海のものを贈り物に選ばれるのは、とても感慨深く、魚介類を扱う身としても嬉しく思います。

瀬戸内の、日本の海を、いつも守って下さってどうもありがとうございます。
私たちが想像する以上に、きっと大変なお仕事だと思います。どうぞこれからもお元気で、存分にお力を発揮されますように。

今日は、嬉しいハガキも届きました。
先日、東京から倉敷に一人旅に来られていた女性からです。
来年、桜咲く頃にまた来てくださることが綴られていました。

人生のほんの一時でも、優しい気持ちで一緒に過ごした時間や場所がある。
幸せなことですよね。

場所は離れてしまっても、ご縁はずっとずっと繋がったままです。
きっと、今まで出会った人たちのパワーが、次の新しい一歩を踏み出させてくれるはず。
そうしみじみと感じた、3月の終わりでした。

スイセンに寄せて

2013-03-07 | 思い、想う


スイセンが咲き始めました。

2011年の夏のこと。
植物を育てるのが大好きな友人から、スイセンの球根を頂きました。
それにはこんな経緯がありました。

“わが家の庭で大切に育ててきたスイセンの球根を被災地に届け、被災地で花を咲かそう”という、柳生真吾さんが始めた「スイセンプロジェクト」を知った私。
当時スイセンを育てていなかった私は、友人に話しました。
すると彼女はすぐに賛同し、庭のスイセンの球根を掘り起こしてくれたのです。
翌年春に咲きそうな大きな球根を被災地に、さらには、何年か大切に育てれば咲くであろう小さめの球根を私に贈ってくれました。

職場の駐車場の、夏場はひまわりが咲く場所のすぐ側に植えたスイセンたち。
2012年春には、3球花を付けました。
2013年の今年は、8球花芽を付けています。

あれから2年。
球根が小さくて咲かなかったスイセンも、花開くことのできる時間が過ぎました。

先日観劇した「明日、悲別で」の中で語られたセリフを思い出します。
「一寸引きって言葉があるんだ。太刀打ち出来ない重いものを動かすには、一度に全部動かすんじゃなくて、時間をかけて一寸づつ動かせ。そうすりゃそのうちいつかは動く。」

決して諦めることなく、動き続けよう。
少しずつでも前に進めるように。
花開くように。
そしていつか、満開の花と笑顔を咲かせましょう。


18年前

2013-01-17 | 思い、想う


18年前の今日、私はまだ前の会社に勤務していました。
「いつまでこの大きな揺れが続くの?」
動いた方がいいのか、じっとしていた方がいいのか分からないまま、自宅で動けなかった5時46分。
その後見たニュースが伝えた状況は、想像を絶していました。

同僚に大阪出身の方がいました。奥様も同じく大阪出身で。
出社してみると彼は欠勤。
しかし翌日には出社してきていました。
その日、彼が語った前日のお話は、今もはっきりと覚えています。

倉敷で大きな揺れを感じた彼らは、すぐに実家に電話で状況確認をし帰省したのです。
食料や衣類、毛布など、必要と思われるものを四駆の車に積めるだけ詰め込んで。
その朝奇跡的に通じた電話は、その後公衆電話を見つける度に掛けていましたが、なかなか繋がらないようでした。
「また繋がらなかった」と肩を落として帰ってくる姿は、忘れられません。

あの日「この世のものじゃなかった」と彼が語った車から目にした街の風景は、
新しく生まれ変わりました。
しかし人々の心は、どうなのでしょう。
どうぞ、被災された方々の心が平穏でありますようにと祈るばかりです。

それにしても、早朝出発したとはいえ、あの混乱の中で夜には倉敷の家に到着していたという彼らの行動力には驚きました。
「どうやって通れる道を探したの?」と尋ねてみると、無線でトラックの運転手さん達から情報収集をしながら行ったとのこと。
その話がきっかけで、何かの時に役立つかもしれないと、翌年私も無線の免許を取りました。
(今では時代が進み、様々な通信・情報収集方法があって助かりますが)

何か起こったとき、冷静に対処できる力を持とう。
防災の準備をしておこう。
誰かの力に少しでもなれるよう、行動しよう。
1月17日は、改めてそう思う日です。




自然の前では、人間の存在なんて力なんて本当に小さなものです。
いのちあるもの同士、力を合わせて仲良くしよう。
どうぞ世界中が平和でありますように―。

魂を温めるように

2012-12-23 | 思い、想う


言葉の持つ力を信じている。

しかし、沈黙こそ真実だとも思う。


あなたの温かな手を撫でながら、

あなたの人生を、愛情を感じた確かな時間。

(こんな穏やかな時が永遠に続きますように―。)

と、切に願う。


思いは永遠だけど、肉体には限られた時間があるから。

大切な人との一瞬一瞬を心に刻んで、

言葉を紡ぎながら、魂を温めながら過ごしていこうと思う。



 
  「言葉にできない感情は、じっと抱いてゆく。魂を温めるように。」
                (長田弘『一日の終わりの詩集』より)
   

父の日に。

2012-06-17 | 思い、想う


紳士服売り場が好きだ。
シャツやネクタイを見ては、「きっと似合う」と想像するのが好きだ。

先日あるデパートで、エスカレーターから見えた服に惹かれて紳士服売り場に立ち寄った。
かりゆしのボタンダウンのシャツ。
わが家で一番オシャレな父に、絶対似合う。

しばし考えて、購入することに―。
レジに行くと見覚えのある顔に出会った。
同級生だ。それも二人も。
紳士服売り場に配属になったらしい。
少し懐かしい話と近況報告をした。
これからまた立ち寄る楽しみが増えた。

***

今日は父の日ですね。
仕事から帰って、お花を持って父に会いに行ってきました。
今朝の新聞も持って、ね。
たくさん語りかけてきましたよ。

皆さんはどのようにお過ごしでしたか?
お元気なうちに感謝の気持ちと大好きを、たくさんたくさん表現して差し上げてくださいね。

シャツの行き先は、兄になりました。
最近お出かけする機会が増えたからね。
たまにはプレゼントするのも良いでしょう^^
しかし、サイズに悩みました。
結局、父よりも1サイズ大きいことが判明。覚えておくよ…。


写真は、昨年「福島ひまわり里親プロジェクト」のひまわりを植えた場所(職場)。
本日、ざっと草取りをしました!
これから土作りをする予定です。
今年も植えるぞ!

何と。
こぼれ種から芽が出て、既に花芽まで付いている苗を4~5本発見。
小さいけれど、このまま咲かせてあげましょう♪

夕方からは、家で朝顔とひまわりの種まきをしました。
朝顔は母が毎年楽しみにしていて、花が咲いた数を日記につけます。
今年も楽しめますように。
ひまわりは、「福島ひまわり里親プロジェクト」の苗つくりです。
約60日で開花ということなので、お盆に咲いてくれるように計算しました。
咲いた姿が、空から見えるといいなぁ。


今日は、思っていたことがいろいろ出来た1日でした。
感謝。
明日はどんな日になるでしょう?
どうぞ皆さまも素敵な1日になりますように。

やわらかで優しい絵に。

2012-05-23 | 思い、想う


ミニバラ「グリーンアイス」。

淡いピンクから白、そしてグリーンへと色の変化を楽しめるバラです。


人の心も一色ではなくて、

ピンク色の日もあれば、真っ白、金色に輝く日、ブルーの日もありますね。

いろんな色が混ざり合った日もあるでしょう。


私は今日、やわらかな色合いの素敵な一枚の絵を拝見してきました。

ありがとう。

私もあの絵のように、やわらかで優しい絵が描けるといいな。




皆さま、今日はどんな色の1日でしたか?

日々のいろいろな色を重ねて、素敵な人生の絵が出来上がりますように―。

祈り

2012-03-12 | 思い、想う


47羽、鶴を折りました。

何か想うことがあると、私は鶴を折るのです。

だから今回も―。



昨日、いつものように出社しました。

すると、事務所の前で育てていた黄色いスイセンが花開いていました。

「スイセンプロジェクト 5for5」のスイセンが。

時を知っていたかのように―。





仕事を終え、2時30分からテレビの前に。

2時46分、黙祷。

天皇陛下のお言葉を拝聴し、予定の場所へと出掛けました。

車中でNHKラジオを聴きながら―。



「第四回 日本縦断和太鼓コンサート ~九州編~」

「豊の国 ゆふいん源流太鼓」をゲストにお迎えしての、

倉敷天領太鼓結成40周年記念コンサート。


昨年のコンサート(3月13日)のことを、ふと思い出しました。

数ヶ月前からチケットを手にしていたにもかかわらず、行けなかったのです。

父の喪中、さらなる11日の衝撃。

人生って、本当にいつ何が起こるかわかりません―。



 「太鼓は、いのちの鼓動」と言われます。

 身体に響く。心のど真ん中に響く。



今回のコンサートは、OBの方も参加されていました。

ここ最近は聴く機会のなかった、懐かしい曲も演奏されました。

代表の「この1年、鎮魂の思いで太鼓を打ってきました」というお言葉そのままの、

“思い”が心に響きわたりました。


たゆまぬ日々の練習が容易に想像できる、両団体の演奏。

元気を頂きました。

勇気も頂きました。

感謝―。


 
 元気でいよう。笑顔でいよう。

 私も少しでも誰かの力になれるように。



帰宅し、静かにキャンドルに火を灯したひととき。

ただただ、祈りました―。

天に還られた方々の御霊が、どうぞ安らかでありますように。

被災された方々の困難が少しでも早く和らぎ、穏やかに暮らせますように。

世界中から送られた支援と温かな心に、改めて感謝を。

ひとを信じて、明日を信じて。

日本中の思いを、力を集めて、

より良い方向へと進んで行きますように。




2年目がスタートしました。



あの日の空

2012-02-05 | 思い、想う


時間って不思議だ。

すごく長く感じることがあったり、

そうかと思えばあっという間だったり。



景色って不思議だ。

いつも見慣れているはずが記憶に残っていなかったり、

一瞬で一生忘れられなくなることがあったり。



記憶って不思議だ。

いつも心に刻まれていることがあったり、

ふとしたことで想い出すことがあったり。



思い出って不思議だ。

楽しい思い出は楽しいままで、

淋しい思い出は、時が経つにつれ優しさにすっぽり包まれたりする。




平成23年2月4日、16:50の空の風景。

きっと私は一生忘れない。

(今日の空は綺麗だな)

(この空見てるかな?)

(そろそろ迎えに行ってみようかな)

そう思いながら眺めたあの日の空を。

それから数時間後の出来事を―。




あれから1年の月日が経ちました。

支えてくださっている皆さま方、いつもどうもありがとうございます。

周りの方々の優しさに包まれて今日も元気に暮らしています。



さぁ、新しい時を重ねていきましょう。

たくさんのことを感じながら。

あの日の空を心に刻んだまま、ね。