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2020年07月13日 | 社会派らぼ
13歳で北朝鮮に拉致された横田めぐみさんの救出にその半生を捧げた父親の横田滋氏が、老衰のため87歳で亡くなられました。北朝鮮による拉致の可能性が浮上し、拉致被害者の「家族会」を立ち上げ、その代表として東奔西走された事は、皆の良く知るところです。2002年に被害者5人が帰国されて以来事態は動かず、横田さん以外にも高齢の被害者家族が無念のうちに、生涯を閉じられました。家族会が繰り返し訴えるように、わずかな時間しか残っていないことは明らかです。

横田氏の半生は、他人にはうかがい知る余地もないほどに、過酷なものであったことと思われます。それでも、氏の映像は奥様の早紀江さん共々、いつ見ても穏やかで冷静で慈愛に満ちていたように思われます。わが身を置き換えてみた時、いかに子どもを愛していたとしても、42年間と言う年月は、嫌でも諦めてしまうに足る長さです。そして何故、このような理不尽に耐えねばならないのか「怒り心頭」、悲しみも苦しみも怒りもすべての感情がない交ぜになって、口を極めて何かを訴えねば、心のバランスが取れないようにも感じます。

…が、横田夫妻は、ニュース等で見る限り、いつも平静で穏やかで優しそうで品位に溢れていました。それが「家族会」の冷静で賢明で諦めない姿勢に繋がっているところは火を見るよりも明らかです。純然たる被害者の会が、いつの間にか利権が絡んだり、政治に翻弄されたり、衰退したり、行き詰まったりするのが常の世にあって、この「家族会」がいつまでも凛としていられるのは横田夫妻の功績のように思えます。

横田早紀江さんの品の良さは特筆に値するものと思っていましたが、滋さんも朴訥とされていましたが、品がありました。早紀江さんがクリスチャンであることは良く知られています。めぐみさんの失踪後、7年程して受洗されています。彼女を支えていたものは強い信仰だったのではないだろうか…というのは勝手な憶測ですが、滋氏は奥様の信仰に理解を示しながらもずっと「神はいない」と言われていたようです。が、2017年に受洗されたそうです。

聖職者であっても、それにふさわしい器とは思えない人間は山ほどいます。どうでも良い話ですが、私自身は無神論者です。この世に神が存在するとは信じていません。もしも神が居るとしたら、それは各自の心の内では無かろうかと思っています。…これほど過酷な状況にあって、品位を凛と保つことができるのが「信仰」の故だとしたら、そういう「神」は悪くないかも知れません。あの世を信じていない者が言っても、誰の心にも響きませんが、滋氏もいつか必ず「天国」で愛娘を抱きしめていただきたいと思います。

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