ぱそらぼ (ぱぁと1)

パソコン講座を、まじめに愛するブログです

マルチモーダル

2020年07月12日 | 社会派らぼ
高校生棋士の藤井総太七段が、2つのタイトルに挑戦中で、無類の強さを誇っている事が話題になっています。先日の棋聖戦3戦目で初黒星を喫し、2勝1負となりましたが、まだ挑戦者がリードしています。2戦目で藤井七段が指した一手が、将棋ソフトを超える一手だったと話題を呼びました。

一時は、プロ対ソフトといった図式で囃され、AIが人を超えられるのか、あるいは既に人を超えたのだろうか…といった事が関心事でしたが、ようやく今は人とAIを競わせる事よりも、AIを使って腕を磨くといったニュアンスに近づいてきました。AIは人と対極にあるものでなく、人をサポートするものでなければなりません。そのAIに4億手先まで読ませた段階では、最善と判断できなかった藤井七段の指し手が、6億手先まで読ませると突如最善手として現れる手だったと専らの噂です。つまり、藤井七段は6億手先まで読んで、指しているのかという事になります。

将棋に限らず、人口知能(AI)の進化は、今もたゆまず続いていて、更に人に近づけるためのアプローチとして「マルチモーダルAI技術」なるものが登場しました。電卓に代表されるように、単純な計算をより速くより正確にこなすことは、今では当たり前のことですが、更に「人の顔」を識別したり、「文章の要約」を自動生成したり…と、画像や文字などの情報もこなせるように進化してきました。

が、これまでは「シングルモーダル」。つまり画像なら画像を分析して「顔」を認識したり、音なら音を分析して「文字化」したりするような技術だったのが、「マルチ」になっていくと言います。画像だけでなく、音や、テキスト、匂い、過去のデータなどを総合的に判断して答を導き出せるようになるというわけです。人が対面で話す時は、相手の言葉だけでなく、表情、語調、雰囲気、ジェスチャー、最近の出来事など全てから「相手」を感じるわけで、AIがそれに近い事をやってのけるという意味です。

単調作業を人間に代わってこなす事にかけては、疲れないし、文句も言わないし、ミスもしないし…、人間よりも優秀なワーカーでしたが、今や熟練工にも成り代わる時代になろうかというものです。あらゆる条件を瞬時に総合的に判断することが可能になるわけです。

そんな中で、人がAIを超えているものは、一体何なのでしょうか。少ないデータから判断する力。法規とかルールでなく、人としての善悪の判断。美しいものを美しいと感じる力。過去にとらわれずに未来を拓く力。データ処理では解決できない…課題こそが、人が取り組むべきものなのでしょう。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿