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おとぎ話

2023年03月17日 | 社会派らぼ
南米アルゼンチンの空港に降り立つ、ロシア人妊婦が非常に多いという報道がありました。モスクワからの直行便は無く、アフリカや中東を経由して来るので、30時間くらいのフライトになると言うのに、妊娠中の女性が多く訪れるのには理由があると言います。

ロシア人は、アルゼンチンにビザなしで90日間滞在することができます。アルゼンチンで生まれた子どもは、すぐにアルゼンチン国籍を得ることができ、その両親も永住ビザがもらえる…というのがその理由のようです。アルゼンチンで出産するには、相応の手続きが必要で、それなりに時間も要するとのことですが、観光目的であればすぐ受け入れてもらえるので、最初は観光で入国、出産を経て、2~3年も滞在すれば、両親もアルゼンチン国籍を取得することができるというからくりのようです。

昨年、ロシアがウクライナに軍事侵攻を開始後、戦争反対を訴える人たちが次々に拘束され、1年の兵役がありますから、前線に派遣される懸念を抱えている人も多くいると言われています。生まれてくる子どもに自由に生きてもらいたいという願いが、この状況を生んでいるのは確かなようです。受け入れるアルゼンチン側に否定的な意見が無いわけではありませんが、多くのロシア人も戦争の犠牲者であると肯定的に捉える人が多く、多くの移民を受け入れてきた国の歴史が、この状況をおおらかに受容しているようです。

当初のロシアはほんの数日でウクライナを制圧するつもりだったようですが、ウクライナの反撃に遭い、既に1年以上も戦闘状態を続けて、今なお兵を引く気配がありません。この戦争を止められるのは、モスクワに暮らす人たちの意思ではないかと思っていましたが、戦争反対を唱えることができず、何も起きていないふりを続けるしかないようです。大きな国力を持つロシアであり、知性を持つロシアの人々ですが、言論の自由も情報の自由も限られているようです。

わが身に降りかかる危険を顧みずに戦争反対を叫んで欲しい…などとは思いません。戦争に対して眉をひそめながらも、そこで生きて行かねばならない現実は、一介の国民には致し方ない現実でしょうから。多くの妊婦がアルゼンチンにわたり、その家族が平安を得るように、ロシアからビザなしで渡れる国々が積極的にロシアの人たちの自由を手助けすることができ、ロシアの国から人々が居なくなることで、戦争が終われば良いのに…。おとぎ話でしょうか。戦争を止めるのに、戦争が必要であって欲しくないと思うのが本音です。

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