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コーパイ

2023年03月21日 | 社会派らぼ
Microsoft 365にAIの「Copilot」が搭載されることが発表されました。コーパイは飛行機の副操縦士のことですから、パイロットに見立てられている利用者本人を補佐・代行と行うとの位置づけであることが想像できます。Microsoftはこの新AIシステムにより、人間の「苦役」がなくなる…といった表現をしています。会話型AIと検索エンジンを融合する動きも加速していて、webやその他の情報源から収集した何十億という言葉に含まれる情報を合成して、人間の質問に回答を提供すると言います。

校長先生が卒業式のあいさつをAIに書かせるとか、子どものの卒業を祝うスライドショーをAIに作らせるとか…人間が、手間暇をかけていたものが、瞬時に提供されるようになると言うようなものでしょうから、確かに「苦役」がなくなるのかもしれません。ただ、Microsoftがいうように「適切にできるときもあるが、そうでないこともある」といった代物で、「使える範囲で不適切」なこともあるという表現をしているようです。

それって「正しい進化」なんだろうか?と疑問を挟むことは、時代の流れへの逆行なのでしょうか。古来、人々がその本能の赴くままに綴ってきた「表現」や、感性を形にしてきた「芸術」を、AIに代わってやらせようとすることは、苦役から人間を解放することではなく、人間の叡智を奪うことなのではないのだろうかという疑問が解消できません。人が負っているのは「苦役」ではなく、「創造の喜び」のはずですから。

AIは利用するものであって、主役になるものではきっとありません。労せずに文をまとめたり、人の心を打つ表現をAI任せで綴ったとして、そこには一体何があるのでしょうか。私は「言葉」には「力」があると思ってきました。が、その言葉の世界をAIが作る世界になっていくのかと思うと興ざめする思いがあります。

先日、史上二人目の最年少6冠を達成した藤井総太さんの活躍によって、将棋界は空前の人気に沸いているようです。藤井6冠が、高性能のパソコンを使って将棋研究に取り組んでいることは周知の事実で、間違いなくAIを最大限に利用している一人だと思います。だからと言って、将棋AIがはじきだす指し手の順位まで一々報道する今のやり方も、対局時のおやつや食事の報道と同様、興ざめしてしまいます。そんなものは、たまにあしらいとして報道するにとどめておけば良いのではないでしょうか。

人間が、補佐してくれるはずの副操縦士に魂ごと預けて空っぽになってしまう未来が来ないことを祈ります。

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