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選挙権年齢引下げに反対する

2015-06-22 00:29:05 | マスメディア
 選挙権年齢の引き下げが参議院本会議で決まりした。誰一人反対しなかったそうです。まるで一党独裁の国みたいです。新たに240万の票が生まれるそうですが、何でも反対の左派政党まで賛成したのは日教組の影響力をあてにしているのでしょうか。メディアも歓迎の様子で、反対意見はほとんどありません。それほどでもない利点ばかりが報道され負の点は目につきません。欧米は18歳が大半らしいですが、物まねをしなくてもよいと思います。

 ヒトは他の哺乳類に比べ、成体になるのに長い時間を要します。体は高校生くらいで一人前になっても頭はそうはいきません。社会が複雑になるにつれ、教育期間も延び、一人前となるのにさらに時間が必要となります。

 選挙権年齢が20歳と決められた70年前ですが、現在の社会はもっと複雑で理解するのも大変になりました。選挙権年齢をもっと引き上げるべきだという議論があってもよいと思います。選挙の投票には一定の判断力が求められますが、社会に対する理解無くしての判断力はありません。判断力の低い有権者が多くなれば政治の質が低下する可能性があります。選挙制度の目的は有権者を広げることではなく、よい政治を実現することです。

 また若者は被暗示性が強いとされます(他人に影響されやすい)。宗教や一部の政党が勧誘の標的にするのはそのためです。かつて毛沢東は権力を奪還するため年少の紅衛兵を組織し、文化大革命の大混乱を作り出しました。判断力が低く、被暗示性が強い年少者の特性を利用した例です。

 2009年の衆議院選挙では多くの人があの鳩山民主党に投票しました。その結果、どうなったでしょうか。投票における判断力は政治を左右します。政治のレベルは有権者のレベルに比例すると言ってよいでしょう。

 18歳の頃の私自身、政治に参加するのに必要な見識や判断力は全くありませんでした。選挙権年齢の引き下げに賛成の方々はご自身が18歳の頃、さぞご立派な見識と判断力をお持ちなのでしょう。

 6月18日の天声人語は選挙権年齢の18歳への引き下げについて好意的に述べています。

「フランスの作家サガンはこの年で『悲しみよこんにちは』を出版している」

だから18歳は十分大人だと言いたいのでしょうが、才能に恵まれた稀有の例を出して一般化するという奇妙な論理は一流紙というより、井戸端会議レベルです。さらに、文学に秀でてることが政治的な判断力があることにはなりません。失礼ながら大江健三郎氏の例が参考になります。


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