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無能大統領が国を地獄へ導く

2019-11-24 21:22:57 | マスメディア
 「地獄への道は善意で敷き詰められている」という諺(ことわざ)がある。ひとりの大統領によって国が誤った方向へと導かれ、国民に大きな不幸が降りかかる、我々はそんな例を遠からず目のあたりにするかもしれない。GSOMIAが土壇場で維持されたことに対して「無能外交」(朝鮮日報)「強硬一辺倒の未熟な対応」(中央サンデー)と一部の韓国メディアは批判した。なかなか的確な批判である。またすべてのメディアが政権の影響下にあるわけではないこともわかる。

 文政権は北朝鮮にすり寄るが、北朝鮮から相手にされず(実に屈辱的)、日本と米国に対しては関係悪化を招いた。また、日韓請求権協定を堂々と反故にするなどで国としての信用を落とした。信用の低下は将来にわたって国益を大きく損なう。ここまでの犠牲を払って韓国はいったい何を得ようとしたのか、理解に苦しむ。

 左派の人間は共産国家を贔屓(ひいき)目で見る傾向がある。朝日や毎日などが旧ソ連、中国、北朝鮮を賛美したのはそれほど昔のことではない(今も残っているが)。左派の文大統領が北朝鮮に期待したのはそういった事情があるかも知れないが、北朝鮮は1950年6月、突然韓国に攻め込んできた国であり、その王朝は現在も続いている。また他国民を誘拐して返さない国である。文大統領の北朝鮮に対する認識は甘すぎると思わざるを得ない。

 文政権は日本に喧嘩を売ったときの日本の反応も読み違えている。また日本に対して経済的に弱い立場であるという認識も薄い。一方、米国に防衛を大きく依存しているという認識も十分ではない。つまり米国に強くものが言える立場ではないのである。米国が強く出れば従わざるを得ない立場なのである。自分が弱い立場であることを認識できないようである。さらに、強者に盾突いた挙句、逆に押し切られて信頼を失う危険も理解できていないように見える。

 文在寅大統領は現状を正しく認識することが不得手なようだ。現状を正しく認識することができなければ、先を正しく見通すこともできない。政治家にとって、現状認識能力はすべての基礎になる。前にも述べたが、現状認識能力を損なうものは宗教や思想、イデオロギーであろう。逆に言うと、冷徹に現状を認識できる目を持つものは宗教や思想にかぶれることは少ない。つまり宗教や思想に走る者はもともと現状を冷静に認識する能力が低いともいえる。そしてこれは生来のものである可能性が高い。

 文大統領は韓国民が選んだ大統領である。とはいうものの韓国民全員の意志ではなく、反対派も少なくない。しかしながら文大統領の政策によって韓国民全体が影響を受ける。それが民主主義である。2009年、多く国民は民主党政権の誕生に力を貸したが、幸いなことにそれは3年余りの悪夢で終わり、溝ができた日米関係も修復された。しかし韓国の場合、元に戻るのは難しいところまで来ているかもしれない。

 イデオロギーに染まって、現実を正しく理解できない指導者はとても危険である。指導者にとっては善意なのかもしれないが、国民を地獄へと案内することになるかもしれない。同じことがオピニオンリーダーであるマスメディアにも言える。善意が地獄へ導くかもしれない。困った善意もあるのである。


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