噛みつき評論 ブログ版

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議事妨害に甘すぎるメディア

2015-09-21 09:01:30 | マスメディア
 いつもは退屈な国会中継ですが、17日の参院特別委員会は迫力にあふれたもので、面白く見物させていただきました。野党の力ずくの議事妨害を予想した与党の奇襲戦法が成功したとも言えますが、日本は紳士の国にあらず、と海外に宣伝する結果になりました。

 安保法の成立について、強行した、暴挙だ、といった批判が左派メディアでは盛んです。しかし国民多数の支持を得た多数党が自らの法案を多数決で通すのはあたりまえであり、これができなかったら議会制民主主義は機能しません。野党の行為は力で議事を妨害するもので、議会政治を否定するものです。

 特別委員会の委員長を部屋に閉じ込め、廊下に女性議員を並べて、排除しようとする与党議員にセクハラだと叫ばせて質疑開始を妨害したり、問責決議案や不信任案を連発し、その説明を長々としたりしました。すべて議会の機能を損なう汚い手段です。言論を通じて主張を実現するのが議会の機能である筈です。

 このような野党の戦術に対して左派メディアは寛大に過ぎるのでないでしょうか。このような姑息な手法は旧社会党の伝統であったため、ごく普通のこととしか認識しなくなったのかもしれませんが、議会の原則に立ち返り、厳しく批判するのが今後のために必要でしょう。

 今回は多数決が実現しましたが、もし野党議員の体力が勝っていれば、法案が成立しなかった可能性もあります。そうなれば国会の機能停止です。また議会が力の対決で決まるなど恥ずかしい話です。

 今回の騒動は1960年の安保条約改定時の騒動と似ています。60年安保の反対運動は激しさも規模も上でしたが、条約を理解せずに反対していた人が大部分であったとされています。現在、安保条約の改定を評価する人はいても否定する人はほとんどいません。それは反対運動の根拠が怪しいものであったことを示します。PKO協力法などでも同じパターンが見られました。

 安保法案は戦争法案と呼ばれ、戦争する国になる、徴兵制が始まると宣伝されました。分かりやすく単純化・極論化され、女性週刊誌にまで反対記事が登場しました。街角の反対意見がステレオタイプであることから推定できるように、法案をちゃんと理解した上で反対した人は少数であっただろうと思われます。

 これに呼応したのが民主党などの野党でした。左派メディアに煽られた感情的な反対運動に応えるためでしょう、何が何でも廃案という強硬な姿勢を続けました。地道に対案を出したり、法案に修正を加えるという本来の努力はありませんでした。この姿勢は反対をするだけの無責任政党といわれた旧社会党と同じです。与党の不手際も目立ちましたが、議論を通じて法案をより良いものに近づけるという議会での役割を放棄したも同然です。日本の野党の伝統なのでしょうか。勉強の不得手な方々に適合するやり方ですけど、国会の機能を台無しにするものです。

 左派マスコミと野党が互いに影響し合って、共に反対のための極論に走り、不毛な対立を招いたという印象が残りました。対立を煽っておいて、多数の力で強行する横暴な与党というイメージを作り、次の選挙で不利にさせようという左派メディアの戦略なのでしょぅが、醜態をさらしたのはむしろ野党のように見えます。


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