噛みつき評論 ブログ版

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「しつこさ」は最高の素質

2018-10-21 21:11:09 | コラム
 しつこい人は嫌われることが多い。しかし「しつこさ」は本当に嫌われるだけの、負の素質なのだろうか。例えばこんな例はどうか。何年間も別離を強いられた恋人達がやがて再会し、めでたく結ばれる。この裏には何年もの間、飽きずに相手を慕ってきたという「しつこさ」がある筈である。但し、双方ともよほど異性に持てないための消極的選択の場合もあるだろうが、まあそれは別としよう。

 自然科学系のノーベル賞受賞者、彼らは能力と運に恵まれ、着眼が優れていることが多い。しかしそれだけでは足りない。何年間もひとつのテーマを追い続ける「しつこさ」が大きな要素であると思う。初志貫徹、不屈の精神、不変の信念、これらは何れも肯定的な意味に使われるが、平たく言えばどれも「しつこさ」のことであり、たいていの人があきらめてしまうことを頑固にやり通すことである。

 籠池氏は首相から「しつこい人」と評された。しかし、恐らくそのしつこさのおかげで小学校創立直前までこぎつけた。野党とメディアが政局に利用しようとする騒ぎに巻き込まれた結果、公金詐欺までが発覚し、服役する身となった。むろん小学校も夢に終わった。あんな騒ぎにならなければ詐欺は多分発覚していなかっただけに不運をお嘆きのことだろう。話が逸れたが「しつこさ」の価値に変わりはない。

「しつこい」と言うと悪いイメージが先行する。というか、そういう場合に使われるのが習慣になっている。だけどそれは気持ちが変わりにくいことを指しているだけで、不変の信念などという場合と同じである。硬直的な性格を別の言葉で表しているにすぎない。とすれば「しつこさ」は大事を成し遂げる場合には不可欠の要素と言えるのではないだろうか。