噛みつき評論 ブログ版

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難民受け入れ国がテロに遭う理不尽

2017-06-12 09:27:14 | マスメディア
 英、仏、独、最近テロに見舞われた国ですが、いずれも移民・難民を大量に受け入れてきた国でもあります。とりわけ好意的に難民を受け入れた国々がテロの「お返し」を受けたのではたまりません。移民の受け入れには労働力を期待する「下心」もあるとされていますが、EUの理想主義に基づくものもであったことも確かでありましょう。年間数十人~数百人もの無辜の市民が殺傷されているにもかかわらず、難民受け入れを継続する姿勢には頭が下がります。

 テロリストはイスラム過激派とも呼ばれる人間で、一般のイスラム教徒とは異なります。しかし一般の人々からは両者が同じグループに属するものと見られがちです。またイスラム教がイスラム過激主義の母体であることも否定できない事実です。それにもかかわらず、受け入れを続けるのは大変なことでしょう。

 一方、我が日本は移民・難民に冷たい国だとされ、中でも難民受け入れ数は話にならないレベルです。そんな冷たい国がテロの被害に遭うことなく、平和を享受しています。しかし移民・難民を極度に制限してきた政策が成功した結果だと喜んでいいとは思えません。国や故郷を捨てざるを得ない人々の苦難は想像を絶するものがありますが、彼らを拒否することは裕福な先進国としての役割を放棄することです。逆に、戦乱や天変地異などで日本人が難民となったときのことを考えるべきでしょう。

 ここで気になるのが我が国のメディアの姿勢です。「従軍慰安婦」のように70年以上前の問題を大きく取り上げるのは正義を振りかざす姿勢ゆえだと見えなくはないのですが、それならば難民受け入れ問題をもう少し積極的に扱ってもよいと思います。難民は現在の問題であり、放置すれば彼らの生命にも関わる問題だからです。左派メディアの正義とは偽善か、それとも政治的な戦略の結果なのでしょうか。この姿勢は野党とも共通しています。奇妙な一致です。

 難民受け入れに関しては、いろんな意見が出てしかるべきですが、なぜか受け入れに積極的な意見はメディアから聞こえてきません。彼らの正義とは国内向けに限定なのか、左派メディアにあっては韓国・中国向けに限定されるのでしょうか。ダブルスタンダードの、ずるくて狭量な姿勢が気になります。自分の利益を優先させるトランプ流の利己主義にも通じます。まあトランプはそれを隠さず公言するのでこちらの方がまだマシとも言えますが。